ふるさと納税は「税額から控除されるまで」が大切! チェックポイントを解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月21日 10時40分
昨年行ったふるさと納税はきちんと控除されていますか?「家に帰るまでが遠足」ではないですが、寄付をしたら最後まで確認するのが大切です。控除額を正確に計算するのは難しいですが、自分でも概算で確認する方法があります。 本記事は、住民税額決定通知書(確定申告をした人は確定申告書の写しも必要)を手元に用意した上での確認をおすすめします。また、ふるさと納税が正しく控除されていない場合に考えられる原因についても解説します。今年のふるさと納税で損をしないためにもぜひ参考にしてください。
ふるさと納税の控除とは
ふるさと納税は、希望する自治体へ寄付をすることで特産品などがもらえる仕組みとなっています。特産品などがもらえる上、次のように税金が控除される制度です。
ふるさと納税による控除額(所得税・住民税) = ふるさと納税した金額の合計額 - 2000円
ふるさと納税が正しく控除されているか確認するには、次の書類が必要です。
●住民税決定通知書(給与所得者は勤務先から5~6月に、それ以外の人は6月ごろ直接送付されます)
●確定申告書の写し(確定申告した人のみ)
ふるさと納税の控除を確認する方法
ふるさと納税を控除するには、ワンストップ特例と確定申告のどちらの方法で控除したかの確認が必要です。それぞれの場合の確認方法を解説します。
ワンストップ特例
年間に5自治体以内に寄付をして寄付先の自治体に申し出を行えば、ワンストップ特例制度として確定申告を行うことなく税金の控除が受けられます。この制度であれば、住民税額決定通知書だけで控除の確認ができます。
図表1に記載のあるそれぞれの税額控除欄の金額が、寄付をした金額から2000円引いたものと一致していれば間違いありません。摘要欄に記載されている場合もあるので、忘れずに確認しましょう。
図表1
e-Gov法令検索 地方税法施行規則 第三号様式別表(用紙日本産業規格B4)(第二条関係)を基に筆者作成
確定申告
確定申告した人は確認に少し手間がかかります。ワンストップ特例の申し出をしなかった人や医療費控除などで確定申告をした人は、住民税額決定通知書と確定申告書の写しが必要です。確定申告を行うと、次の2つから控除されます(図表2)。
図表2
国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
●所得税分(ふるさと納税した年分の所得税から還付)
●住民税分(翌年度の住民税から控除)
例えば、2022年中にふるさと納税したのであれば、2023年2~3月ごろに行うことが多い確定申告書の写しと、2023年6月までに送付される住民税額決定通知書で確認します。
確認方法は次のとおり、住民税と所得税の控除額を合計して、寄付した金額から2000円を引いた金額とほぼ一致するか計算してみるのが簡単です。
(1)前述した図表1の税額控除額2か所の合計額
(2)確定申告書の写し(図表3)の寄付金控除に所得税率等を乗じたもの(注)
(注)具体的な計算式は以下のとおりです。
寄付金控除(ふるさと納税した金額 - 2000円) × 所得税率(所得に応じて5~45%) × (1+復興特別所得税率0.021)
図表3
国税庁 申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】を基に筆者作成
もしもふるさと納税が正しく控除されていなかったら
ふるさと納税が控除されているかどうかは、住民税額通知書と確定申告書の写しがあれば概算で確認できます。ふるさと納税の控除額が正しくない場合は、主に3つの原因が考えられます。
●ワンストップ特例が正しくされていない(手続きミス、その後の確定申告で無効)
●市区町村役場の処理にミスがある
●限度額を超えてふるさと納税をしてしまっている
なお、年間の上限額を超えてふるさと納税してしまうと、寄付の全額が控除の対象となりません。上限額は総務省のふるさと納税ポータルサイトに例があるので確認できます。
どうしても計算が合わない場合や分からない点がある場合には、税務署またはお住まいの市区町村に問い合わせることをおすすめします。ふるさと納税は節税効果が期待できるお得な制度です。控除されているか、最後まで確認しましょう。
出典
国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
総務省 ふるさと納税のしくみ 税金の控除について
執筆者:二角貴博
2級ファイナンシャルプランナー
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