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「月20万円」の年金は「15.5%」しか受け取れない? 必要な年収と年金額を増やす方法も解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月21日 2時30分

「月20万円」の年金は「15.5%」しか受け取れない? 必要な年収と年金額を増やす方法も解説

老後は年金を頼りに生活する世帯が多いです。そのため、老後に「月20万円」の年金がもらえたら余裕のある生活ができると考える人もいるかもしれません。   では、実態として月20万円以上の年金を受給できる人はどのくらいいるのでしょうか。また、月20万円の年金を受け取るには現役時代にいくらの年収が必要なのでしょうか。   本記事では、月20万円の年金をもらう人の割合と必要な年収を解説します。年金受給額を増やす方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

月20万円の年金をもらう人の割合

まずは、月に20万円の年金を受け取る人の割合を紹介します。厚生労働省年金局の調査によると、厚生年金受給者がもらう年金額の分布は図表1のとおりです。
 
【図表1】


 
厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に筆者作成
 
月20万円以上の年金を受給する人の割合は15.5%です。会社員や公務員などの厚生年金受給者のうち、約6.5世帯に1世帯が月20万円以上の年金をもらっています。一方で、最も分布割合が多い受給額は月10万円以上15万円未満です。受給額が月10万円未満の人も一定数いるため、同じ厚生年金受給者でも受給額に差があることが分かります。
 
また、図表1は会社員や公務員などの厚生年金受給者がもらう年金額の分布です。自営業者や専業主婦(夫)などの第1号被保険者は、基本的に国民年金しかもらえません。そのため、自営業者や専業主婦(夫)が受給する年金額は、さらに少ないことを覚えておきましょう。
 

月20万円の年金をもらうために必要な年収

厚生年金は、現役時代の年収や勤務期間によって受給額が異なります。では、実際に月20万円の年金を受け取るにはいくらの年収が必要なのでしょうか。以下の条件を満たす人でシミュレーションしてみましょう。

・1975年生まれ
・20~64歳まで会社員として勤務
・65歳から年金受け取りを開始

これらの条件を満たす人が、月20万円の年金をもらうために必要な現役時代の平均年収は約650万円です。給与所得者の平均年収は約443万円のため、平均よりも約207万円高い年収が必要になります。そのため、月20万円の年金を受け取るハードルは比較的高いです。
 

年金額を増やす方法

原則として、厚生年金の受給額は現役時代の年収と勤務期間によって決まりますが、実は年金額を増やす方法もあります。それが、「年金の繰下げ受給」です。年金の繰下げ受給の制度を利用すれば、年金の受給開始年齢を遅らせることで年間の受給額を増やせます。最長75歳まで年金の受取開始を遅らせることが可能です。
 
例えば、65歳からもらえる年金が月15万円の人が、受給開始年齢を遅らせた場合の受給額は図表2のとおりとなります。
 
【図表2】


 
日本年金機構 年金の繰下げ受給を基に筆者作成
 
受給開始時期を69歳に遅らせれば、年金受給額は月20万円を超えます。また、73歳まで受給開始を遅らせた場合にもらえる年金は月25万円超です。繰下げ受給による、年金の増額効果の大きさが分かります。
 

まとめ

年金を月に20万円以上受け取るには、現役時代に高額な年収を得ていることが必要です。ただし、繰下げ受給の制度を利用すれば、そこまで現役時代の年収が高くなくても月20万円を超える年金をもらえます。
 
繰下げ受給で得をするか損をするかは寿命によりますが、月にもらえる年金を増やしたい人は、ぜひ繰下げ受給の利用を検討してみましょう。
 

出典

厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 公的年金シミュレーター
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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