【物価高】たまごが高い!いつまでたまごの価格は高騰するの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月21日 10時30分
多くの料理に使われるたまごが、全国で価格高騰しており、地域によってはそもそも品薄で、手に入らない状態です。 家計を直撃する「エッグショック」はどこまで長期化するのか、今後の物価に、不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。 「物価の優等生」といわれるほど価格の安定していたたまごが、どうしてここまで値上がりしてしまったのか、いつになったら元の値段に戻るのかについて解説します。
なぜたまごが品薄・高騰してしまったのか
価格高騰が騒がれているたまごは、近頃、スーパーでも品薄が続いています。東京の6月時点での平均価格は、Mサイズ350円です。
1年前のたまごの相場は、東京でMサイズ215円が基準値だったことを考えると、大幅な値上げであると分かります。
これまで、大幅な値上げがなかったたまごは、2022年8月から価格が高騰し始め、2023年2月以降、平均価格は300円を下回っていません。
なぜ、ここまで品薄・価格高騰する事態になってしまったのでしょうか?
エサ代の高騰
たまごが価格高騰した理由の一つとして、世界情勢の影響を受けた、飼料高騰があげられます。
世界情勢に伴って穀物価格が上昇し、配合飼料、輸入飼料ともに、2022年9月以降、畜産経営は圧迫されているというのが現状です。
飼料価格高騰の影響は、たまごに関わる養鶏だけではなく、肉用牛や酪農にも及び、この危機的状況が、長期的かつ今後も続くと見込まれています。
農林水産省では、飼料価格高騰対策事業として、畜産農家、酪農家への支援を実施し、補塡(ほてん)金交付のための新たな特例も設けられました。
鳥インフルエンザの流行
たまご高騰のニュースでは「高病原性鳥インフルエンザ」について、たびたび報道されています。
鳥インフルエンザ自体は毎年発生しますが、今季の鳥インフルエンザは、過去最速の10月下旬に国内1例目が確認されて、過去最大の発生事例となりました。
早期発見と適切な防疫措置によって、早期封じ込めはできているものの、1月9日時点で、1000万羽近くが殺処分になっています。その結果として、たまごの生産量が減少して、品薄状態になりました。
たまご不足は日本だけではない?
たまご不足は日本国内だけではなく、台湾でも深刻な状況です。
台湾では、たまご不足を解消するべく、各国からの輸入を増やし、通常600gあたり55台湾元(日本円約237円)前後だったたまごは、110~120台湾元にまで高騰しています。
アメリカでも2022年以降、高病原性鳥インフルエンザの感染が急速に拡大して、1300万羽以上が殺処分の対象になるなど、2015年以来、最悪な状況です。
アメリカでは、2022年4月の段階で、たまごを含めた食料品の価格は上昇傾向にあり、USDA(米国農務省)は、たまごの供給不足による価格上昇の可能性を示唆していました。
世界的に日本産たまごの需要が上昇
世界的にたまごが不足・高騰しているものの、日本のたまごは、生食できるほどの安心・安全の品質が評価された高級品として、高い需要があります。
2015年から輸出量・輸入量ともに右肩上がりで、特に香港での需要が高く、現地での価格は、10個入り49.90香港ドル(日本円約903円)と、日本と比較しても高価です。
しかし、街中に、たまごかけご飯専門店がオープンしてブームになるなど、香港では、日本産たまごのシェアが拡大し続けています。
世界的にたまごの生産量が減少して、価格が高騰し、もともと高級品だった日本産たまごとの価格差が縮まり、日本産たまごが手に取りやすくなったことが要因と考えられます。
物価が戻るまでは時間がかかりそう
世界情勢によるエサ代の高騰に、追い打ちをかけるように、感染拡大した鳥インフルエンザ。
現在は、徐々に鳥インフルエンザは収束に向かっているようですが、大きく空いた生産体制の穴埋めには、半年から1年の時間を要します。一日も早い物価の回復を、願うばかりです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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