38歳手取り17万円、生活苦でカードローンが「150万円」に! 自己破産すべき?
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月28日 10時40分
カードローンは、月々の返済額を少額で設定できるものが多いために気軽に利用する人もいるでしょう。しかしその分、知らないうちに利息が膨らみがちです。利用限度額内であれば何度でも借り入れが可能なので、気づいたときは債務が増えていることもあります。 本記事では、手取り額に対してカードローンの利用額が増えてしまった場合の適切な対処や考え方について解説します。
収入に見合った借入額と返済率
今回の場合、カードローンの利用なので「貸金業法」で考えてみましょう。貸金業法では、貸し付け可能な限度額を年収の3分の1までとしています。これは、一般的に総量規制と呼ばれるもので、消費者を守るために設けられたルールです。手取り17万円であれば、単純に計算すると年間で204万円ほどの収入になります。
この場合の借り入れ上限は、68万円ほどです。すでに債務が150万円ということは、本来の上限を大幅に超えています。住宅ローンの場合でいえば、手取り額に対して20~25%ほどが理想的な返済比率です。手取り17万円なら月々3万4000円~4万2500円といったところでしょう。1人暮らしなら4万円以上は返済にあてて早めに完済するのが賢明です。
自己破産とは? メリットや想定されるリスク
自己破産とは、個人の申し立てで行われる破産手続きのことです。裁判所を通して免責される制度のことで、許可されれば税金や罰金などを除く債務のすべてが免除されます。
処分可能な財産は返済にあて、それでも返済できない部分は免責されるのが基本的な流れです。申立者に財産がなく、免責不許可事由もない場合は破産手続きと同時に免責許可の手続きが行われます。これを同時廃止といいます。
自己破産のメリットは、返済のすべてが免除されることです。今回の場合のように、債務が150万円あっても返済する必要はありません。月々の返済がなくなることで、生活に余裕が生まれます。
一方、自己破産をすればその事実が信用情報機関に一定期間記録されます。リスクとしては、記録されている間は新たにローンを組んだりクレジットカードなどを契約したりできないことです。
お金に関する一切の信用を失うため、スマートフォンなどの端末を分割で購入することも難しくなるでしょう。また、賃貸物件を借りる際の保証会社の利用にも影響が出る場合があります。すべてが利用できないわけではないものの、制限されることは多くなります。これらのことから、自己破産を安易に選ばないという判断が必要です。
返済が難しいと感じたときの対処
債務が適正な借入額を大きく超えているなら、早急に債務整理をすることが求められます。カードローンの場合は、利息の部分が多いのも早めに対策したほうがよい理由です。自己破産ではなく、任意整理をするという選択もあります。任意整理とは、分かりやすくいえば利息部分をカットしてもらうことにより、大幅に返済額を抑える方法です。
自己破産の場合とは異なり、免責を受けることはできませんが、その分リスクを抑えられます。ただし、返済額を抑えるにはカードローン会社との交渉が必要です。個人で行うのは難しいので、弁護士に相談しましょう。無料相談や立て替え制度を設けている機関を利用すれば、自己資金がなくても弁護士に委任することは可能です。
自己破産は最終手段として適切に解決しよう
収入に対して債務が大きく膨らんだときは、早めに債務整理に踏み切ることが大切です。しかし、だからといって安易に自己破産を選ぶのは賢明とはいえません。
債務を放棄できるメリットがある分、さまざまなリスクをともないます。それよりも任意整理をするなど、できるだけリスクの少ない方法での解決を考えてみましょう。まずは弁護士に相談することです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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