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知らずに国民年金を未納していた! 見逃してはいけない通知とは

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月28日 23時0分

知らずに国民年金を未納していた! 見逃してはいけない通知とは

知らずに国民年金が未納になってしまうケースとして、国民年金から厚生年金に切り替わる際、不注意で1ヶ月納付を漏らしてしまうことなどがあります。未納期間をうっかり作らないポイントと、督促の種類について解説します。

未納が生じやすい退職のパターン

会社勤めの方の転職は、転職先の会社が厚生年金加入の手続きを行うので、国民年金(基礎年金)の加入も漏れることはまずありません。
 
退職後に個人事業主などの自営業あるいは当面無職になる場合は、年金関係で手続きが必要です。ただこの場合は、厚生年金保険の資格喪失が明らかなので、何らかの公的年金の手続きが必要という意識があるかもしれません。
 
勘違いしやすいのが、転職までに短期間のブランク(1日~数週間)があった場合です。社会保険料は「資格喪失日が属する月の前月」までが被保険者期間となるため、例えば6月25日に退職した場合、資格喪失日は翌日26日です。
 
つまり、勤務先は5月までの社会保険料までしか徴収しないので、6月26日以降月末まで次の会社に雇用されていなければ、国民年金保険料は6月から納める必要があります(※1)。
 
給料日直後の退職だと、月半ばでも退職月分の保険料が引かれていると思い込んでしまうかもしれません。
 

納めていると勘違いしている?

退職当月分の保険料が徴収されるのは、月末「最終日」に退職する場合です。資格喪失日が翌月1日になるため、その前月(上記の場合6月)の保険料は会社に徴収されるということです。
 
「もう次の会社に勤務しているし、未納の通知が来ているけど行き違いだろう」と考えて気にしないでいると未納状態が続いてしまうのです。
 
月末が休日だと、その前日を退職日に申請しそうですね。また、月末最終日を退職日にすると、会社も社会保険料を払わないといけないので、あえて最終日の前に退職してもらうケースがあるかもしれません。退職日にはよく注意してください。
 
なお、保険料を払うかどうかに関わらず、厚生年金の資格喪失日から14日以内に市区町村窓口で国民年金第一号資格取得の手続きが必要です。これは、国民健康保険についても同様です。
 
また、実家を出て独り暮らしをしながら住民票を移していない場合は、日本年金機構に登録されている住所(実家)に未納を知らせる通知が届きます。長く家に戻らない間に未納通知がたまっていたというケースもあるので、しっかり確認しましょう。
 

納付催促の通知は放置しない

未納月があると、「日本年金機構より国民年金の大切なお知らせです。至急ご確認ください」という赤い圧着はがきが届きます。過去2年間の納付状況が記されており、「※」マークのある月が未納の月です。“忘れていませんか?”という感じのまだ緩いお知らせです。
 
次に、「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」という紫色の圧着はがきが届きます(※2)。ここからは、“納めてください”というトーンが強くなり、電話や戸別訪問による督促も始まります。
 
それでも未納が続く場合は、次のとおり進んでいきます(※3)。
 


(出典:日本年金機構「日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)」から著者作成)
 
督促状までいくと、そこには納付指定期限が記されており、その期限後に納付された場合は本来の納付期日までさかのぼり、納付した前日までの延滞金がかかります。
 
国民年金の納付は法で定められた義務なので、速やかに納付するか、納付できない事情がある時は無視せず年金事務所等に相談し、納付免除手続きをするなど無年金にならないための行動が必要です。
 

近年強化された督促

年金保険料納付の時効は2年です。ただし、上記の催促状が届くことで時効はリセットされるため、基本的に督促はずっと継続します。
 
以前は、未納が確定し年金が少ない方も多かったのですが、最近は保険料徴収の取り組みが強化されており、黙って未納のままでは終わると考えないほうがよいでしょう。支払い能力のある世帯からは徴収を進め、困難な方には免除申請なり年金ゼロにしないようにしています。
 
差し押さえ対象には、家財や給与もあります。法律違反なので強権発動しても徴収するという姿勢を明確にしていますので、催告状のうちに全額払うか、免除手続きをするなり、無視せず何らかのアクションが必要です。
 
「全額免除」であっても、現在は国費で保険料の2分の1を負担しているため、年金の半分は受給できます。未納だとゼロですから、大きいですね。
 

出典

(※1.)日本年金機構 会社を退職した時の国民年金の手続き
(※2.)日本年金機構 国民年金保険料を納付いただいていない期間がある方にお知らせをお送りいたします。
(※3.)日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
 
執筆者:伊藤秀雄
FP事務所ライフブリュー代表
CFP®️認定者、FP技能士1級、証券外務員一種、住宅ローンアドバイザー、終活アドバイザー協会会員
 

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