65歳以上の人の介護保険料は住む場所で約3.3倍も違う!なぜ?

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月5日 10時30分

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65歳以上の人の介護保険料は全国一律ではありません。住む場所で約3.3倍の差があります。   また、同じ地域でも所得によって介護保険料は異なります。介護保険料の決まる仕組みを知り、介護保険料節約のヒントにしてください。  

保険料基準額は全国平均月5869円

65歳以上の人の介護保険料は3年ごとに改定になります。いままでの介護保険料(月額・全国加重平均)の推移を見てみると、平成12~14年度は2911円、平成15~17年度は3293円、平成18~20年度は4090円、平成21~23年度は4160円、平成24~26年度は4972円、平成27年~29年度は5514円、そして平成30~32年度は5869円となっています。
団塊世代が75歳以上になる2025年には、介護保険料は約8200円になると推計されています。年金暮らしの高齢者にとっては大きな負担です。実際、年金者を中心に未納、滞納が増えているようです。
さらに、細かく市区町村別に見てみると、最も保険料が低いのが北海道音威子府村の3000円、最も高いのは福島県葛尾村の9800円と、約3.3倍の差があります。
 

65歳以上の人の介護保険料の決まり方

市区町村によって、なぜこんなに介護保険料が異なるのか、介護保険料が決まる仕組みを見てみましょう。
介護保険の総費用は半分を公費(国、都道府県、市区町村)、半分を保険料で賄っています。保険料は、40~64歳の人(第2号被保険者)が支払う保険料と65歳以上の人(第1号被保険者)が支払う保険料からなっています。
第1号被保険者と第2号被保険者の保険料負担割合は、その人口比率に応じて全国一律に設定されています。平成27~29年度は第1号被保険者22%、第2号被保険者28%でした。平成30~32年度においては、高齢者の増加に伴い第1号被保険者23%、第2号被保険者27%となりました。
各市区町村では、必要となる介護保険サービスの見込み総額を算出し、この金額に65歳以上の人の負担分23%を掛けて、これを市区町村の65歳以上の金額で割り、基準保険料が決まります。
この基準保険料に所得段階(標準9段階)に応じた乗率を掛けてそれぞれの人の保険料が決まります。つまり、同じ市区町村内の人でも所得が低ければ保険料の負担は少なくて済みます。逆に所得が大きいと保険料の負担が大きくなります。
例えば、ある市区町村では所得段階が15段階に分かれており、基準額は6470円で、最も保険料が安い第1段階では2590円、最も保険料が高い15段階では2万2650円となっています。
 

介護保険料算出に使われるの「合計所得金額」とは

介護保険料の所得段階の判定に「合計所得金額」が用いられます。「合計所得金額」とは、総合課税分(年金や給与、配当、譲渡など)と申告分離課税分(株式の譲渡所得、土地建物等の譲渡所得など)等の所得の合計金額で、扶養控除や医療費控除などの所得控除を引く前の金額を指します。
「合計所得金額」は、土地建物等の譲渡所得がある場合には特別控除前の金額、繰越損失がある場合は繰越控除前の金額を指しますが、平成30年度から保険料の算出に使われる「合計所得金額」は、短期・長期譲渡所得に係る特別控除の金額を差し引いた額となりました。
さらに、第1段階から第5段階の判定においては、当該合計所得金額から、公的年金等に係る雑所得を除いて計算することになりました。
 

介護保険料が安い地域に移住したほうが良い?

介護保険料が安い地域は、元気な高齢者が多く介護保険サービスをあまり使わない、介護サービス自体がその市区町村に少なく、利用したくても利用できないといったケースも考えられます。
逆に介護保険料が高いケースでは、介護サービスを提供する環境が十分整っていて、自分に合った介護サービスを利用できる機会に恵まれているのかもしれません。
つまり、介護保険料だけではどこに住むのが得かは一概にいえません。介護保険料の安さだけではなく、介護環境も考慮することが大切です。
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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