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令和の「子育て」に必要な金額のトータルはいくらか、概算してみた!大学まで行かせるには3000万必要…?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月28日 11時30分

令和の「子育て」に必要な金額のトータルはいくらか、概算してみた!大学まで行かせるには3000万必要…?

子育てにあたり、養育や進学に必要な費用など、どれくらい見込んでおけばいいのか悩んでしまう親は少なくないようです。そこで、子育てに必要とされる費用について、子どもを大学まで進学させたと仮定して概算してみます。

子育てにかかるお金は総額3000万円程度?

内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」によれば、生活費と保育費・学費、医療費など、子育てにかかる費用を合わせると、誕生から小学校に入学するまでの間に平均で736万4460円、小学校入学から卒業までで695万9594円、中学校入学から卒業までで467万1196円かかるという結果となっています。
 
この調査以降に始まった自治体による子ども医療費無料化、幼児教育・保育の無償化などは反映されていないものの、昨今の物価高騰などを考えれば、大きく負担は変わっていないといえるでしょう。義務教育を卒業するまでで約1900万円は子育てにかかるとみておくほうがよさそうです。
 
また、高校生以降は公立だったり私立だったりと、多くの世帯において通う学校の選択肢がより広がります。文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査の結果」の学費と、前述の中学生3年時の生活費をあてはめて概算すると、公立高校なら3年間で441万6675円、私立高校なら602万9960円ほどかかるようです。
 
そして、独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査」によれば、国立大学なら4年間で572万7200円、私立の場合は4年間で771万4400円かかるようです(図表1)。

図表1

就学前 736万4460円
小学校6年間 695万9594円
中学校3年間 467万1196円
公立高校3年間 441万6675円
私立高校3年間 602万9960円
私立大学4年間 771万4400円
国立大学4年間 572万7200円

※筆者作成
 
子育てを大学卒業までと考えると、高校は公立、大学は国立と学費が比較的安い進学先となったとしてもトータルで3000万円ほどかかることになりそうです(図表2)。
 
図表2

就学前 736万4460円
小学校6年間 695万9594円
中学校3年間 467万1196円
公立高校3年間 441万6675円
国立大学4年間 572万7200円
合計 2913万9125円

※筆者作成
 
仮に高校・大学ともに私立と、学費が高額になる場合、子育てに必要なお金は3300万円近くかかるようです(図表3)。
 
図表3

就学前 736万4460円
小学6年分 695万9594円
中学3年分 467万1196円
私立高校 602万9960円
私立大学 771万4400円
合計 3273万9610円

※筆者作成
 
この結果から、子育てを大学卒業までと考えると3000万円程度は必要だと考えておいたほうがよいでしょう。
 
なお、上記の試算には大学入学初年度にかかる入学料は含んでいないため、実際には進学先の学校ごとに定められている入学料相当額も用意しておく必要があります。
 
以上はあくまでも子育て費用に関する調査の結果から概算したもので、学校までの交通費などご家庭により異なるため、参考としてお考えください。
 

子育て費用を工面する方法は?

子育て費用の総額は非常に大きなものとなりますが、一括で3000万円以上の金額が必要というものではありません。子どもが生まれてからコツコツと準備をしていけば不可能ではないのです。
 
その際は、貯蓄だけではなくつみたてNISAによって非課税での資産運用も行うのがおすすめです。例えば、子どもが生まれてから毎月2万7000円、年利3%で積み立て投資していれば、おおよそ772万円となり、私立大学に進学する場合の費用相当を確保することができます。
 
短期で見ると元本割れリスクもありますが、優良な投資信託で運用することで長期的に見れば、世界経済の成長に応じて資産を増やしていくことができます。
 
銀行預金で貯蓄していても、超低金利時代の今は総額583万2000円に対しての利息はごくわずか。子育て費用の準備において積み立て投資の有効性がよく分かります。
 
それが難しい場合でも、金融機関の教育ローンを利用したり奨学金を利用したりすれば、子どもを大学まで進学させることも不可能ではありません。
 

安易に学資保険で学費を用意するのは避けるべき

子育て費用における大きな存在として、学費があります。その学費について学資保険を使って準備される方も少なくないでしょう。
 
しかし、学資保険は選ぶ商品によっては、つみたて投資で資産形成した場合と比べて受け取れるお金が低かったり、受け取れる金額が決まっていたりすることから、インフレに弱いなどのデメリットがあるため、注意が必要です。
 
また、学資保険は支払った保険料を超える、いわゆる利益部分については課税対象となり、思ったほど大きな金額を受け取ることができないこともあります。
 
また、つみたてNISAや投資信託を利用した資産運用であれば、いつでも現金化することができるのに対し、学資保険はお金が必要であっても満期前までお金を手にすることができず、資産の柔軟性も低いです。
 
学資保険で学費を用意する際は、想定していた額が用意できない、満期前に必要となっても使えない、あるいは途中で保険料の支払いが苦しくなる可能性もあるなど、十分にそのデメリットを理解した上で検討しましょう。
 

諸制度の存在も忘れずに

家庭の所得や子どもの進学先などにもよりますが、次のような制度の対象であれば子育て費用の負担を軽減させることができます。
 
図表4

制度例 概要
幼児教育・保育の無償化 幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもたちの利用料が無償化
児童手当 中学校卒業までの間、毎月最大1万5000円支給
高校無償化 公立・私立高校の授業料が実質無償化

※筆者作成
 
また、地域によっては上記以外にも独自の支援制度が存在している場合もあります。しかし、これら諸制度は所得制限の変更などによって受けられない世帯も出てくるなど、子育て中に制度自体が変わってしまうこともあります。
 
子育てにまつわる諸制度の利用を想定していても、場合によっては利用できなくなることも考えておくべきです。
 

子育て費用は計画的に準備を進めるべき

子育て費用は大学卒業までの総額でおおよそ3000万円前後となり、日々の生活にかかるお金だけでなく、学校区分ごとに多額の学費が必要となります。
 
しかし、できる限り無理のない範囲でコツコツ準備をし、必要に応じて奨学金や教育ローンなどを利用することで、大学卒業までの子育て費用を用意していくことが可能です。子育て費用が不安なら、子どもの将来を見据え少しでも早くから準備を始めるようにしてください。
 

出典

内閣府 平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版 調査結果の概要
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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