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年金の最高受給額は「年438万2204円」!? 現役時代の年収はいくら必要なの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月30日 2時30分

年金の最高受給額は「年438万2204円」!? 現役時代の年収はいくら必要なの?

年金は老後の収入源として重要です。年金は国民年金と厚生年金があり、厚生年金は収入と加入期間によって受給できる金額が異なります。年金の最高金額はいくらか、受給できる人はどのような人なのか気になる人もいるのではないでしょうか。本記事では、年金の理論上の最高金額とそれを受給できる人の条件、年金額を増やす方法について解説します。

国民年金の受給額

20歳になると国民年金への加入が義務となります。20歳から60歳までの40年間保険料を納付すると、年間79万5000円、1ヶ月あたり6万6250円の老齢基礎年金を受給できます(令和5年度)。基礎年金は収入等に関係なく、保険料を納付すると受給できる年金額は一律です。
 

厚生年金の受給額

厚生年金は会社員や公務員などが加入します。老後に老齢厚生年金を受給できますが、収入と加入期間によって受給できる年金額が異なります。年金額は図表1の式により算出されます。
 
図表1
 

 
日本年金機構 は行 報酬比例部分を基に筆者作成
 
本記事では、2003年4月以降での計算式で考えます。平均標準報酬額とは、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間で割った額になります。標準報酬月額は65万円(月給63万5000円以上)、標準賞与は1回あたり最大150万円を年3回、合計450万円までが上限になります。
 
これは年収1212万円に相当します。新卒1年目から退職するまで年収1212万円でずっと厚生年金に加入しなければいけないので難しいかもしれませんが、理論上可能です。
 

年金の最高額は438万2204円

年収1212万円の人の年金額を計算してみます。前提として、国民年金には20歳から60歳まで加入しているとします。また、厚生年金は中学卒業後の16歳から加入上限年齢である70歳までの54年間加入するとします。
※厚生年金は2003年3月以降に加入すると仮定
※繰下げ受給は考慮しない
 

基礎年金の受給額

20歳から60歳まで国民年金保険料を納付しているため、老齢基礎年金は年間79万5000円、1ヶ月あたり6万6250円となります。前述の通り、基礎年金はいくら年収が高かろうが、保険料を満額納めている人であれば金額は一律です。
 

厚生年金の受給額

標準報酬月額が65万円、標準賞与150万円が年3回の状態で54年間厚生年金に加入した場合、受給できる老齢厚生年金額は約358万7204円、1ヶ月あたり約29万8933円です。
※小数点以下切り捨て
 
基礎年金と合わせると、年間438万2204円、1ヶ月あたり36万5183円になります。これが年金の理論上の最高金額です。
 

年金の年金額を増やすためにできること

年金の理論上の最高額について解説しましたが、新卒1年目から退職までずっと年収1212万円で厚生年金に加入することは現実的には難しくこの金額を受給できる人はほぼいないでしょう。ここからは年金額を増やす現実的な方法を解説します。
 

転職やスキルアップで収入を増やす

年収の高い会社への転職も1つですが、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。その場合、今いる会社で収入を上げる方法を考えてみましょう。昇進や資格取得等で収入アップができそうであれば狙ってみましょう。
 

厚生年金に長く加入する

老齢厚生年金は長く加入するほど受給できる金額が増えます。厚生年金は70歳まで加入できます。最近は再雇用で長く働ける会社もありますので、受給金額を増やしたい場合は選択肢の1つです。
 

繰下げ受給をする

年金は基本的に65歳から受給開始となりますが、受給するタイミングを遅らせることが可能です。これを繰下げ受給といいます。
 
1ヶ月遅らせると受給金額が0.7%増え、75歳まで繰り下げると84%増やすことができます。一度増額された年金額は一生涯続きます。しかし、繰下げ受給をする場合、受給が開始されるまでの間の生活費等をカバーできる貯蓄が必要となることに注意しましょう。
 

まとめ

本記事では、年金の最高受給金額と受給できるのはどのような人か、また年金額を増やす方法について解説しました。理論上可能な数字とはいえ、年収1212万円以上で54年間働くことは現実的ではありません。
 
可能な範囲で現役時代の収入アップを図る、長く働く、年金の繰下げ受給を検討する等で年金額を増やすことを検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

日本年金機構 は行 報酬比例部分

 
執筆者:齋藤彩
AFP

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