生活が苦しいので「年金生活者支援給付金」を受け取りたいです。金額や受給要件はどんなものですか？

老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給者で、一定の要件を満たす場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れます。では、一定の要件とは具体的にどのようなもので、要件を満たした場合にはどのくらいの給付金が受け取れるのでしょうか。   本記事では、年金生活者支援給付金の要件と、それぞれの基礎年金受給者が受け取れる金額を解説します。

年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の人の生活支援が目的の給付金です。
 
支給対象となるのは、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給者で一定の要件を満たす人で、それぞれの年金に上乗せして支給されます。当給付金を初めて受け取るためには請求が必要です。請求に必要な「年金生活者支援給付金請求書」は、毎年9月ごろに日本年金機構から該当者に郵送されます。
 

年金生活者支援給付金を受け取るための要件

年金生活者支援給付金を受け取るための要件は以下のとおりです。
 

・老齢基礎年金

老齢基礎年金の受給者が年金生活者支援給付金を受け取るためには、（1）65歳以上で老齢基礎年金の受給者である（2）同一世帯員全員が市町村民税非課税である（3）前年の公的年金等の収入金額と、その他の所得との合計額が88万1200円以下であるという、3つの要件を満たす必要があります。
 

・障害基礎年金

障害基礎年金の受給者が年金生活者支援給付金を受け取るためには、（1）障害基礎年金の受給者である（2）前年の所得が472万1000円以下であるという、2つの要件を満たすことが必要です。
 

・遺族基礎年金

遺族基礎年金の受給者が年金生活者支援給付金を受け取るためには、（1）遺族基礎年金の受給者である（2）前年の所得が472万1000円以下であるという、2つの要件を満たす必要があります。
 

年金生活者支援給付金の受給額

年金生活者支援給付金の受給額は以下の通りです。
 

・老齢基礎年金

老齢基礎年金の受給者が受け取れる年金生活者支援給付金の金額は、月額5140円を基準に保険料納付済み期間等に応じて算出されます。
 
計算式は、「5140円×保険料納付済み期間／被保険者月数480月＝保険料納付済み期間に基づく額（月額）」+「1万1041円×保険料免除期間／被保険者月数480月＝保険料免除期間に基づく額（月額）」です。
 

・障害基礎年金

障害基礎年金の受給者が受け取れる年金生活者支援給付金の金額は、障害等級によって異なります。障害等級が2級であれば月額5140円、障害等級が1級なら月額6425円です。
 

・遺族基礎年金

遺族基礎年金の受給者が受け取れる年金生活者支援給付金の金額は、月額5140円です。なお、複数の子どもが遺族基礎年金の受給者である場合は、5140円を子どもの数で割った金額になります。
 

「年金生活者支援給付金請求書」は必要事項を記入して速やかに提出しよう

年金生活者支援給付金は、公的年金の収入金額やその他の所得が一定金額以下の老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給者が対象の給付金です。各基礎年金に設けられている一定の要件を満たしていれば受け取れます。
 
初めて年金生活者支援給付金を受け取る際には申請が必要なため、「年金生活者支援給付金請求書」が届いた場合は、必要事項を記入したうえで速やかに返送しましょう。
 

出典

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について

日本年金機構 簡易な年金生活者支援給付金請求書（はがき型）が届いた方へ

 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー