年金事務所から「赤い封筒」が届いた! 無視するとヤバいって本当!?
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月29日 2時30分
20歳以上60歳未満で日本に住む人は、国民年金保険料の納付が義務とされています。しかし、保険料の未納が続くと年金事務所から「赤い封筒」が自宅に届きます。本記事では、「赤い封筒」の中身と、届いた場合の対処法について解説します。
自営業や無職の人は国民年金保険料を自分で納付する必要がある
日本の公的年金制度には国民年金と厚生年金があり、厚生年金は会社員や公務員などが加入します。国民年金は20歳以上60歳未満のすべての日本に住む人が加入します。自営業や専業主婦(主夫)、学生、無職の場合も加入対象です。
国民年金保険料は1ヶ月あたり1万6520円(2023年度)であり、20歳から60歳までの40年間納付することで1ヶ月あたり6万6250円の老齢基礎年金を受給することができます。
会社員などの場合、給与明細を見ると厚生年金保険料が天引きされているかと思います。厚生年金保険料を支払うことによって国民年金にも加入していることになりますが、自営業などの場合は自分で保険料を納付する必要があります。
なお、配偶者が厚生年金に加入している専業主婦(主夫)は自身での保険料の納付は不要です。
「赤い封筒」の正体は?
国民年金保険料の納付は義務ですが、経済的に苦しい、将来年金はもらえるかわからないから納付したくないなどの理由から、未納としている場合もあるかもしれません。「赤い封筒」は、未納が続く場合に年金事務所から送られてくる最終催告状です。
国民年金保険料が未納だと、年金事務所から「支払ってください」とハガキ(催告状)が届きます。ハガキを無視していると、特別催告状が届くようになります。特別催告状は封筒に入っており、一般的には最初は封筒が青色で、滞納が続くと黄色、赤色(ピンク色)へと深刻度に応じて変化します(図表1)。
図表1
日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)より筆者作成
特別催告状を無視するとどうなる?
特別催告状が届いたにもかかわらず対処しないでいると、「未納状態が続くと、財産が差押えになる可能性がある」という赤い封筒に入った最終催告状が届きます。
次に保険料の最終的な支払日や延滞金、財産の差押えについて記載された督促状が届きます。督促状も無視をしていると、最終的に財産が差し押さえられてしまうため、可能であれば迅速に保険料を支払いましょう。
差押えは本人だけでなく、配偶者や世帯主も対象となる可能性があるため、注意が必要です。また、差押えの日時は通常知らされず、ある日いきなり差押えが行われます。
2022年度の最終催告状送付件数は13万1315件、督促状送付件数は4万232件、差押え件数は866件でした。
特別催告状が届いたときの対処
特別催告状が届くと驚くかもしれませんが、無視はしないで保険料を納付するようにしましょう。すぐに全額納付できない場合は年金事務所に相談してみましょう。明確な基準はありませんが、収入等の状況から分割で納付することも可能なケースもあるようです。
また、「猶予」や「免除」の手続きを行うこともひとつの方法です。「猶予」や「免除」の手続きをすると、保険料を納付できていなくても未納にはなりません。また、老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金の資格期間にも算入されます。
まとめ
本記事では、年金事務所から届く「赤い封筒」についてと、国民年金保険料未納の場合に届く書類の種類、そして対処法について解説しました。
未納でいると将来受給できる年金額が減るだけでなく、最終的に財産を差押えられる可能性もあります。経済的に厳しく納付できない場合は無視をせず、年金事務所や役所に相談するようにしましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:齋藤彩
AFP
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