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60代で「貯蓄100万以下」は恥ずべきこと?意外と貯金してない人って多いの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月29日 6時50分

60代で「貯蓄100万以下」は恥ずべきこと?意外と貯金してない人って多いの?

老後破産という言葉が出てきたように、老後のお金の悩みは一種の社会問題となっているようです。   もし、60代になっても貯金が100万円以下である場合、それは恥ずかしいことなのでしょうか。世間がどのくらい貯蓄をしているのか確認していきます。

60代の単身者の平均貯金額ってどれくらい?

家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)によれば、60代の平均預貯金額は単身者で691万円となっています。貯金を含む金融資産の保有額は平均で1388万円、中央値では300万円(金融資産を保有していない世帯を含む)となっています。
 
しかし、貯金を含む金融資産を一切保有していないという層が28.5%と全体の3割近くが預貯金どころか金融資産を有していない状況です。
 
金融資産の保有額で最も該当者が多いのが非保有者となっており、次いで3000万円以上が16.9%となっていることから、単身者においては貯金やその他の金融資産を十分に有している人とまったく有していない人との二極化となっていることが分かります。
 

60代の2人以上の世帯の平均貯金額ってどれくらい?

一方2人以上の世帯においては、預貯金を有する世帯の平均額は834万円となっています。
 
預貯金を含めた金融資産保有額の中央値では700万円、平均では1819万円(金融資産を保有していない世帯を含む)となっており、単身者に比べて全体的に多く貯金額を有しているようです。
 
しかし、単身者ほどではないものの、2人以上の世帯においては20.8%と2割以上が預貯金含む金融資産をまったく有していないようです。
 
金融資産を保有していない世帯を含めた金融資産保有額の分布においては金融資産非保有世帯が20.8%と最も多く、次いで3000万円以上有している世帯が20.3%となっています。
 
ここから、60代においては単身者であるか、2人以上の世帯であるかを問わず、十分に貯金を有している方とそうではない方との間で二極化が進んでいることがよく分かります。
 

60代で貯金が100万円以下の状況は恥ずべきことでもない

60代の貯金額が二極化していることについては、さまざまな理由が考えられます。例えば病気やけが、家族の介護などにより貯蓄ができなかった、切り崩してしまったといったケースなど、それぞれに事情があるでしょう。
 
しかし、現実問題として、高齢者の入り口ともいえる60代において貯金が100万円以下というのは心もとない状況であるというのもまた事実です。
 
とはいえ、60代であれば、すでに「老後の生活」に入っている方もいらっしゃる年齢です。大きな額の貯金がなくとも、公的年金や個人年金、その他の収入などで生活できるのであれば、貯金額だけを過度に気にする必要もないでしょう。
 
仮に貯金が少なく年金だけでは生活できなくとも、現在は再雇用や定年延長、シルバー人材の増加など60代以降も本人の体力や希望に応じて働くことのできる環境に社会が変化しつつあります。
 
いずれにせよ、60代になっても貯金が少ないからと恥じたり悲観したりすることなく、前向きに自身のライフプランについて考えることが大切でしょう。
 

まとめ

60代ともなれば、これまでの人生でそれなりの貯金を形成してきていると思われるかもしれませんが、意外にもそうではありません。全体の20%から30%程度は貯金が100万円以下であり、貯金ができていない60代も多くいらっしゃいます。
 
60代であれば、貯金額にこだわり過ぎず、どのように自分らしく老後を過ごすかについて考えていくほうが建設的でしょう。
 

出典

知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)
知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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