「ねんきん定期便」の見込額に衝撃! 少なかったときにやるべきこと
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月1日 10時30分
![「ねんきん定期便」の見込額に衝撃! 少なかったときにやるべきこと](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_217342_0-small.jpg)
毎年の誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の内容を確認した際に、年金見込み額の少なさに、衝撃を受けた人もいるのではないでしょうか。ねんきん定期便の見込み額は、あくまでも見込みであって、年金の受け取り開始時期までに、年金額を増やすことは可能です。 本記事では、ねんきん定期便の通知内容をはじめ、年金額を増やすための対処法も解説します。
ねんきん定期便とは?
ねんきん定期便とは、日本年金機構から、毎年の誕生月に送られてくる、個人の年金記録に関する通知です。年金制度への理解を深めることを目的に送付しており、これまでに納付した保険料や加入期間、将来もらえる年金の見込み額などが記載されています。
年金は、老後生活を支えるための重要な資金です。ねんきん定期便の見込み額を確認して、早い段階から、老後資金の計画を立てておくとよいでしょう。
年齢区分によって送付形式や通知内容が異なる
ねんきん定期便は、表1のとおり、送付される年齢区分によって、送付形式や通知内容が異なります。
【表1】
年齢区分 | 送付形式 | 通知内容 | |
---|---|---|---|
50歳未満 | 35歳・45歳以外 | はがき | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・直近13ヶ月の月別状況 ・加入実績に応じた年金額 |
35歳・45歳 | 封書 | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・年金加入履歴 ・全期間の月別状況 ・加入実績に応じた年金額 |
|
50歳以上 | 59歳以外 | はがき | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・直近13ヶ月の月別状況 ・年金の種類と見込見込み額 |
59歳 | 封書 | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・年金加入履歴 ・全期間の月別状況 ・年金の種類と見込み額 |
※日本年金機構〔大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています〕をもとに筆者作成
年金の見込み額が少ないときはどうする? 年金額を増やすための対処法
ねんきん定期便に記載された、年金見込み額が少ない場合は、以下の対処法で、年金額を増やすことを検討してください。
・年金の受け取り開始時期を繰り下げる
・60歳以降も働いて、厚生年金を納付する
・iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する
・国民年金に任意加入する
・付加年金に加入する
どの対処法でも、将来的に受け取る年金を増やすことが可能です。内容を解説しますので、チェックしていきましょう。
年金の受け取り開始時期を繰り下げる
年金額を増やしたいのであれば、繰下げ受給の手続きを行うことも、対処法の一つです。繰下げ受給では、原則として65歳から受け取れる年金を、66歳以降、75歳までの間に繰り下げて、増額した年金を受け取ります。
1ヶ月あたりの増減率は0.7%となり、年金の受け取り開始時期を、70歳0ヶ月にすると、42.0%、75歳0ヶ月までにすると、84.0%までアップします。
60歳以降も働いて厚生年金を納付する
定年退職の延長や再雇用によって、60歳以降も厚生年金に加入すれば、受け取れる年金額を増やせます。老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間と、毎月の給与に基づく「平均標準報酬月額」と、賞与も含めた「平均標準報酬額」によって決まるからです。
老齢厚生年金額は、
〔(平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数)+(平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)〕
に、経過的な調整を乗じて算出します。
iDeCoに加入する
iDeCoは、公的年金に上乗せが可能な、私的年金制度です。掛け金の全額が所得控除になったり、運用中の運用益が非課税になったりするなどの、税制優遇を受けられます。
20歳以上、65歳以下の国民年金被保険者であれば、原則として、どなたでも加入できます。加入の申し込みや掛け金の拠出・運用を自分で行い、掛け金と運用益の合計額を給付として受け取れる仕組みです。
国民年金に任意加入する
「60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない」「国民年金の納付済み期間が40年に達しておらず、満額を受け取れない」という人は、国民年金の任意加入を検討しましょう。以下に該当する人ならば、60歳以降も国民年金に任意加入して、納付済み期間を増やせるからです。
・60歳以上、65歳未満の日本国内に住所を有する人
・老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない
・厚生年金保険・共済組合などに加入していない
・20歳以上60歳未満までの保険料納付月数が40年(480ヶ月)未満
付加年金に加入する
国民年金第1号被保険者・任意加入被保険者が、定額保険料に月額400円(付加保険料)を上乗せして納付すると、老齢基礎年金に加えて、「200円×付加保険料納付月数分」が年額として受け取れます。
申し込み手続きは、居住地のある市区町村役所で行います。納付期限は、翌月末日(休祝日の場合は翌営業日)で、納付期限から2年間は、付加保険料の納付が可能です。
年金の見込み額が少ない場合は適した対策を講じよう
ねんきん定期便にて、年金見込み額を確認したところ「想像した以上に受け取れる年金額が少ない」「この年金額では老後の生活資金が足りない」と、気付く人もいることでしょう。
公的年金を増やす以外にも、税制優遇を受けられる、iDeCoに加入するといった方法もあります。老後の生活資金が足りなくなって困らないためには、早いうちから、年金額を増やすための対策を講じてください。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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