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金融機関が破たんしたときに、自分の生命保険、投資信託、預金などの金融商品は大丈夫?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月4日 7時20分

金融機関が破たんしたときに、自分の生命保険、投資信託、預金などの金融商品は大丈夫?

米国シリコンバレー銀行の破綻や、無価値となったスイス金融大手クレディ・スイス・グループの永久劣後債(AT1債)の報道を見て、不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、金融機関が破たんした場合のセーフティーネットについてポイントを解説します。

銀行が破たんした場合

銀行の破綻時には「預金保険制度」に基づき、預金者等の保護が図られます。
 
具体的には、当座預金や利息の付かない普通預金等(決済用預金)は、全額保護されます。
 
一方、定期預金や利息の付く普通預金等(一般預金等)は、預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算(名寄せ)され、元本1000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。なお、外貨預金や譲渡性預金、無記名預金、他人・架空名義預金等は預金保険の対象となりませんので注意しましょう。
 
個人型確定拠出年金(イデコ)や企業型DCの運用商品として定期預金を選択している方は、どこの銀行で定期預金か把握していますか?同じ銀行で、たとえば、定期預金と確定拠出年金の定期預金の合計が1000万円を超える場合、確定拠出年金の定期預金の優先順位が低くなり、超えた分は保護されません。
 
このような状況にある方は金融機関を分散しましょう。
 

証券会社が破たんした場合

株式や投資信託を購入する場合、銀行や証券会社を通じて購入する人がほとんどでしょう。たとえば、投資信託を販売会社である証券会社で購入した場合、運用会社、管理会社(信託銀行)が関わります。
 
投資信託を管理している信託銀行が破たんしても、信託銀行自身の財産とは分別管理されていますので、たとえ証券会社や運用会社が破たんしたとしても、基本的に投資家の資産に影響はありません。また、万が一、分別管理がされていなかった場合でも、日本投資者保護基金から1顧客当たり1000万円を限度として補償されます。
 
このように、証券会社に預けている資産は、「分別管理」と「投資者保護基金」による補償の二重の制度によって保護されています。
 
なお、金融機関などの適格機関投資家や国、地方公共団体など、いわゆる「プロの投資家」は基金の補償の対象外です。
 
また、有価証券店頭デリバティブ取引や外国為替証拠金取引(FX取引)、東京金融取引所の「くりっく365」取引なども投資者保護基金の補償の対象外です。
 

生命保険会社が破たんした場合

生命保険契約者保護機構(保護機構)は、 万が一生命保険会社が破たんした際、破綻した生命保険会社の契約を引き継ぐ「救済保険会社」への資金援助を行います。
 
「救済保険会社」が現われない場合には、保護機構の子会社として設立される「承継保険会社」への保険契約を受け継ぐ、または「保護機構」自身が契約を引き受けることにより、保険の契約を継続させることで契約者の保護を図っています
 
いずれのケースにおいても、保護機構により、破綻時点において補償対象契約の責任準備金等の90%まで補償されます。ただし、保険金・年金等の90%が補償されるわけではありませんので留意してください。
 
破綻した時点から過去5年の間において、予定利率が常に基準利率(現在は3%)を超えていた契約(高予定利率契約)については、責任準備金等の補償限度が以下のとおりです。
 
高予定利率契約の補償率 = 90%-{(過去5年間における各年の予定利率-基準利率)の総和÷2}
 
保険契約移転の際には、責任準備金を削減すること以外に、例えば予定利率を引き上げるなど、契約条件が変更になる可能性がありますので留意しましょう。
 
上記のような契約条件の変更が行われた場合、定期保険や医療保険などの保障性の高い保険は保険金等の削減幅は小さく、終身保険や個人年金保険などの貯蓄性が高い保険は削減幅が大きくなります。
 
また、仮に予定利率が高い時期に契約を行った保険についても、削減幅が大きくなります。
 
損害保険会社も破たんした場合、損害保険契約者保護機構が契約者の保護を図っています。詳しくは、損害保険契約者保護機構のホームページでご確認ください。
 
少額短期保険業社が破綻した場合、契約者は保護されるのでしょうか。少額短期保険業は生命保険会社でも損害保険会社でもないので保険契約者保護機構による契約者の保護は受けられません。
 
ただし、業務開始時に、営業保証金して「前事業年度の年間収受保険料×5%+1000万円」を供託することが義務づけられています。
 
ご自身が利用する銀行や証券会社、保険会社が万が一破綻した際にどのような保護が受けられるのか、契約前に確認しておくことをお勧めします。
 

出典

金融庁 預金保険制度
日本証券業協会 ホームページ
日本投資者保護基金 ホームページ
生命保険契約者保護機構 ホームページ
損害保険契約者保護機構 ホームページ
一般社団法人 日本少額短期保険協会 ホームページ
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
 

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