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「走行距離課税」の負担は自動車を持っている人だけじゃない!?「送料」や「運賃」が高騰する可能性もあるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月5日 2時20分

「走行距離課税」の負担は自動車を持っている人だけじゃない!?「送料」や「運賃」が高騰する可能性もあるって本当?

増税の話題が昨今絶えません。2022年10月20日、鈴木俊一財務大臣が参議院予算委員会で走行距離課税(以下、走行税)の導入の可能性について触れたことも注目を集めています。議論はいまだに続いており、詳細は不透明なままです。   物価上昇が続き、増税が次々と実施される中、走行税が導入されたら自動車を所有する市民の生活はさらに苦しくなる可能性があります。さらに、自動車を所有していなくても、家計に影響が出る可能性があるのです。 本記事では、走行税について、自動車を所有していない人にも焦点をあてて解説します。

走行距離課税とは

走行税とは、車の走行距離に応じた課税のことです。ハイブリッド車や電気自動車(EV)などのエコカーの普及や、カーシェアリングの増加により、ガソリンの消費量や自動車の保有台数が減り、ガソリン税など従来の課税収入が減少する問題に対応するため、政府が検討している新たな税制です。導入されると、車種やエコカーかどうかにかかわらず、走行距離に基づいて一律に課税される可能性があります。
 
自動車関連の税収入減少が続けば、道路整備やメンテナンス費用の財源が不足する恐れがあります。走行税は、これらの課題を解決し、公平な課税を実現する代替策として検討されています。しかし、長距離を移動しなければならない人々には重い負担になる可能性もあり、公平性についての意見は分かれているのが実情です。
 

走行距離課税は車を所有していない人にも影響をおよぼす可能性がある

走行税は、自動車の運転者だけでなく、自動車を所有していない全国民に影響をおよぼす可能性があります。走行税が導入されると、特に運送業界や物流業界、公共交通機関は大きな影響を受けるでしょう。
 
例えば、運送業者はトラックの長距離運行が日常的な業務です。走行税が導入されると、運送業界や物流業界全体にとって深刻な経営負担となります。
私たちが日常的に購入する食料品や生活必需品の多くは、運送業界のトラックによって運ばれているため、運送業界のコスト負担増は消費者へと転嫁され、物価全体の上昇につながる可能性が考えられるでしょう。
 
また、自身で自動車を所持せずに公共交通機関を利用する人たちも、走行税の導入から影響を受ける可能性があります。バス運行業界のコスト増につながり、乗車料金の上昇を引き起こしてしまうかもしれません。
 
つまり、走行距離課税は運転者だけでなく、多くの市民生活に直接的、間接的な影響をおよぼす可能性があるといえるでしょう。
 

燃料税と走行距離課税の両方がかかる可能性もある

海外では燃料税と走行税の両方を導入しているところもあります。例えば、アメリカのオレゴン州では走行税「OReGO」が導入され、燃料税と走行税の両方が加算されています。OReGO参加者は、オレゴン州の道路を走行すると1マイルごとに1.9セントを支払い、燃料は1ガロンあたり38セントを別途支払う必要があります。
 

●1マイル=約1.6キロメートル
●1ガロン=約3.8リットル
●1セント=約1.4円
(2023年7月3日現在)

 
日本でも同様の形式が採用される可能性もゼロではないといえるでしょう。仮にこの形式が採用されてしまった場合には、国民の負担がさらに増加してしまう可能性もあります。
 

まとめ

走行税が導入されるのか、導入された場合はどのような制度になるかはまだ明確ではありません。しかし、走行税が導入されると、現在自動車を所有していない人にも、金銭的な負担がのしかかる可能性があります。
 
また海外の事例をみると、走行税と燃料税の両方を税金として支払わなくてはならない可能性もゼロではないと言えます。
もちろん、道路整備やメンテナンスは必要なことですが、近年の増税状況を考慮すると、市民の負担がさらに増えないことを願いたいものです。
 

出典

石油連盟 自動車用燃料・エネルギーに対する課税の公平性確保に関する調査結果について

和歌山県議会 走行距離課税の導入反対に関する意見書(案)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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