お金の知識は低収入な人ほど必要!? 最低限知っておくべき金融リテラシーとは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月5日 23時0分
近年は「金融リテラシー」という言葉を、見聞きする機会が増えました。金融リテラシーは、私たちが社会のなかで経済的に自立し、安定した生活を送るために欠かせない知識です。 金融庁では「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を公表しており、高校の家庭科の授業でも2022年4月から金融経済教育が始まるなど、国としても金融リテラシーの重要性に注目していることが分かります。 本記事では、金融リテラシーとその重要性を解説したうえで、誰もが最低限身に付けておきたい金融リテラシーについて紹介します。お金に関する知識に不安がある方、金融リテラシーを身に付けたい方は参考にしてみてください。
金融リテラシーとは? 金融資産額との関係性は?
金融リテラシーとは「お金やお金の流れに関する知識や判断力」のことです。「金融」と聞くと、投資・資産運用やローンをイメージする方も多いと思いますが、それだけではなく、家計管理やライフプラン設計、税金や社会保険料などお金にまつわる知識全般のことをいいます。
金融リテラシーの向上は、長期的な資産形成に有利に働くと考えられており、金融庁や金融機関などでその重要性が注目されています。
株式会社MILIZE(東京都港区)が実施した「金融リテラシーと意識・行動の実態調査」(2023年4月、18~60歳の男女2000名対象)によると、世代や職種にかかわらず、「金融リテラシーが高い人ほど金融資産額が多い」という結果が出ています。
また金融資産額が多い人ほど、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度をうまく活用しているという結果もあります。
金融資産が多いと投資にまわせるお金も多いため、投資に関する情報を得る機会が豊富で、金融商品の選択肢も広がることが金融リテラシーの高さに影響していると考えられます。
また、金融資産額が多い方は収入も高いケースも多く、その分税負担も重いため節税意識が高いことも想定されます。逆に金融資産額が少ない方は投資にまわせるお金が限られていたり、収入が少ない方は税負担も少なかったりするケースが多いことが、金融リテラシーの低さに影響していそうです。
最低限身に付けておきたい金融リテラシーとは?
金融リテラシーは、金融資産や収入の多い方が身に付けるべきということではありません。むしろ、金融資産や収入がそれほど多くない方や、投資にお金をまわす余裕がない方こそ、最低限の金融リテラシーを身に付けておくべきでしょう。
金融庁では「最低限身に付けるべき金融リテラシー」として、以下の4つの分野を挙げています。
1. 家計管理
2. 生活設計
3. 金融知識および金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
4. 外部の知見の適切な活用
このなかでも特に、「1.家計管理」と「2.生活設計」は収入や金融資産額にかかわらず、身に付けておきたい最低限の知識といえます。家計管理とは、ご家庭の収入・支出、貯蓄・負債を把握し、そのバランスをとりながら日々の生活をやりくりすることです。
例えば家計が赤字の状態であれば、どこに無駄があるのかを見える化することで対策がとりやすくなります。適切な家計管理により黒字化できれば、投資にまわすお金を増やせるかもしれません。
生活設計はライフプランを明確にし、それに必要な資金計画を立てることで、ライフプランニングともいいます。人生には就職・転職、結婚、出産・育児、住宅購入などさまざまなライフイベントがあり、そのイベントごとに費用が発生します。
毎月の収入では賄えない金額の費用となることも多いので、生活設計を立てて、「いつまでにどのくらいのお金が必要なのか」を明確にしておくことが大切です。将来に向けてなんとなく貯蓄するより、目標に向けて計画的にお金を準備できますし、無駄な支出を抑えるモチベーションにもつながるでしょう。
まとめ
金融経済や金融商品の知識も、大切な金融リテラシーの一つですが、家計の現状を知り、希望するライフプランを明確にすることで、これらの知識はより有効活用されます。
近年、投資信託などの金融商品や、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度の情報を目にする機会が増えてきましたが、「家計管理」と「生活設計」も欠かせない知識なのです。
「投資にお金をまわす余裕がない」という方こそ、最低限の金融リテラシーを身に付けて、将来の資産形成のための準備を始めませんか。
出典
金融庁 高校向け 金融経済教育指導教材の公表について
株式会社MILIZE 金融リテラシーと意識・行動の実態調査
金融庁 最低限身に付けるべき金融リテラシー
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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