「70代」の平均年収はどのくらい? 老後も働く人の割合は?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月7日 2時20分
![「70代」の平均年収はどのくらい? 老後も働く人の割合は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_218079_0-small.jpg)
老後も働き続ければ年金以外の収入があることになるため、生活にゆとりを持てる可能性が高まります。健康に問題がなければ、老後も働くことは収入を得たり、体力を維持したりする意味で有効といえるでしょう。 では、実際に老後(65歳以降)も働いている人の割合はどの程度で、年収はどれくらいあるのでしょうか。本記事では、70代に焦点をあてて働く人の割合や平均年収について解説します。
70代以降の平均年収は約286万円
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」を見ると、70歳以降の平均月収は23万8100円でした。男女別では、男性が24万5900円、女性が21万7800円となっています。単純計算で、平均年収は285万7200円(男性295万800円、女性261万3600円)です。
また、70歳以降の平均年収について、正社員と正社員以外に分けて単純計算してみたのが以下です。
・正社員の平均年収は約327万円
平均月収は27万2900円(年収327万4800円)、男性が月収27万7600円(年収333万1200円)、女性が月収25万9800円(年収311万7600円)です。
・正社員以外の平均年収240万円
平均月収は20万円(年収240万円)、男性が月収20万9500円(年収251万4000円)、女性が月収17万7300円(年収212万7600円)でした。
・産業別で最も年収が高いのは教育・学習支援業
産業別の年収では、最も高いのが「教育・学習支援業」で月収36万6800円(年収440万1600円)、続いて「学術研究、専門・技術サービス業」の月収33万9200円(年収407万400円)、「医療・福祉業」の月収32万800円(年収384万9600円)です。
男女別では、男性で最も高い年収を得ているのが「医療・福祉業」の月収44万5800円(年収534万9600円)、女性が「教育・学習支援業」の月収37万円(年収444万円)となっています。
1ヶ月間の支出額は約23万円
厚生労働省の「全国家計構造調査」の家計収支に関する調査の結果、70代の1ヶ月当たりの支出額は平均22万5799円です。
・支出の内訳
1ヶ月の主な支出の内訳は、具体的に次のとおりです。
食費:6万6670円
電気代:9081円
ガス代:都市ガス1866円、プロパンガス1531円
上下水道費:1ヶ月当たり2334円(2ヶ月4668円)
・平均年金受給額
厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70代の平均厚生年金受給額は月額14万6331.1円、国民年金は月額5万6616.7円でした。70~79歳それぞれの年齢による受給月額から、厚生年金は年齢があがるにつれて高くなるのに対し、国民年金は減っていることがわかります。
例えば、厚生年金は70歳で14万1026円、79歳で15万1874円です。一方、国民年金は70歳で5万7405円、79歳で5万5609円と2000円近く減っています。
70歳以上の就業率は年々増加
高齢者の就業率について総務省が2022年に調査した結果、70歳以上の就業率は18.1%(2021年)でした。
70歳以上の就業率の推移を見ると、2017年以降右肩上がりになっています。10年前の2011年は13.1%であり、就業率が5%アップしている状態です。男女別の就業率では、男性が25.6%、女性が12.6%となっており、圧倒的に男性の就業率が高いことがわかります。
前述したように、1ヶ月当たりの支出額より年金受給額が少なく、貯金額などにもよりますが、年金受給のみで生活するのは非常に厳しいといえるでしょう。結果的に、老後においても働き続ける割合が増えていると考えられます。
・雇用形態はパートやアルバイトが最も多い
高齢者(65歳~)は役員を除く雇用者が517万人(57.6%)であり、そのうち、パートやアルバイトとして雇用されている割合が270万人(52.2%)です。ただ、正規職員・従業員の割合も124万人(24.1%)と2番目に多い割合となっています。
パートやアルバイトで働く選択をした理由として「自分の都合のよい時間に働きたい」という理由が最多でした。また、男性では専門的技術などをいかすため、女性では家計の助けにするためといった理由が2番目に多い理由となっています。
70歳以上の約18%が働いている状態
年金受給額は厚生年金であれば年齢があがるにつれて増えますが、国民年金の場合は減ってしまいます。そういった背景もあり、70代の就業率は年々増加傾向で、2021年で18.1%でした。
また、多くがパートやアルバイトとして働き、平均年収は約286万円です。特に男性の就業率が高く、専門的技術を活用して働いている人が少なくありません。老後に備えて、手に職をつけておくのもひとつの方法といえるでしょう。
出典
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 2.高齢者の就業
厚生労働省 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 世帯主の年齢階級 70~79歳
厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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