40代の「平均貯蓄額」はどのくらい？ 1人暮らしで「300万円」は少ない？

40代になると、徐々に老後に備える人が多くなります。資産が平均よりも少なかったらと不安を抱く人も多いようですが、他の家庭の資産状況を把握するのは容易ではありません。   今回は、40代の1人暮らしで貯蓄が300万円のケースを取り上げ、平均と比べて多いのか少ないのかについて解説しますので参考にしてください。また、貯蓄を少しでも増やすためのコツも紹介していきます。

40代の貯蓄額の平均と中央値

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査（令和4年）」の結果をもとに、40代の1人暮らしの人の貯蓄額について整理します。
 

・40代の平均貯蓄額は約650万円

同調査によれば、40代の1人暮らしの預貯金や株式、投資信託などを含めた平均貯蓄額（金融資産保有額）は657万円です。この結果は、金融資産を保有していない世帯も含んでいます。
 
金融資産を保有している世帯に限定すると1045万円と、平均貯蓄額は大幅に増えます。いずれにしても、平均と比較すると300万円の貯蓄額は少ないといえるでしょう。ちなみに、40代の1人暮らしで、貯蓄額が200万円以上300万円未満の人の割合は4.9%、貯蓄額が300万円以上400万円未満の人は6.2%となっています。
 

・貯蓄額の中央値は約50万円

貯蓄額や年収の平均は、上位の人たちに引っ張られる傾向があります。そのため、実態に近い数字の把握には中央値を参考にする必要があるでしょう。同調査によると、40代1人暮らしの貯蓄額の中央値は53万円となっています。平均と比べて600万円以上も少ない結果となりました。
 
金融資産を保有している世帯に限定すると少し上がり374万円ですが、それでもやはり平均と比べると大幅に下がります。中央値と比較すれば、300万円の貯蓄額は決して少なくはありません。
 

・貯蓄額が100万円未満の人は約15%

貯蓄額が100万円に達していない40代の1人暮らしの人は、同調査によれば14.8%となっています。金融資産を保有している世帯に限定すると、23.1%です。そもそも、金融資産を保有していない人は35.8%もいるため、300万円の貯蓄額は少ないどころか、貯蓄への意識が高いといえるでしょう。
 

貯蓄を増やすコツ

人生100年時代ともいわれているため、40代からでも貯蓄を増やすことは十分に可能です。ここでは、貯蓄に関するコツをいくつか紹介します。
 

・収入と支出を把握する

貯蓄の少ない人は、自身の収入と支出を正確に把握していない傾向があるようです。特に、支出に関しては家計簿をつけるなどし、無駄な出費がないかの把握が必要です。収入や支出への意識が高まれば無駄遣いも控えるようになり、結果的に預貯金額が増えていくでしょう。預貯金は貯蓄を増やすための第一歩です。節約により預貯金額を増やすことを心がけましょう。
 

・さまざまな金融商品を知る

金融資産を築くには、預貯金だけではなく、さまざまな金融商品を利用するのが良いでしょう。そのためには、各金融商品の特徴を把握しなければいけません。
 
投資信託への積立のほか、株式や債権なども取り入れ、積極的な資産形成を行いましょう。40代であれば、まだ多少のリスクはとれます。各金融商品のリスクも理解し、中長期的な目線で運用できれば、徐々に貯蓄を増やしていけるでしょう。
 

貯蓄を増やすには節約と勉強が不可欠

40代1人暮らしの貯蓄額の平均は約650万円ですが、中央値は約50万円です。中央値の方が、より実態に近い数字といえるでしょう。そもそも、金融資産を保有していない人は36%ほどもいます。貯蓄額300万円は、決して少なくはありません。
 
今後、貯蓄をさらに増やすためには節約が不可欠です。また、金融商品や資産運用に関する勉強も求められます。努力と行動により、貯蓄を増やすことは十分に可能でしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］（令和4年）

 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー