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金より高い「香木」って? ゴミだと思って捨てる前に確かめよう!

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月6日 9時50分

金より高い「香木」って? ゴミだと思って捨てる前に確かめよう!

祖父母宅などで、仏壇前や応接室に奇妙な木材が置かれているのを見たことはないでしょうか? ただの木片としか思えませんが、これは「香木」という樹木から採れる香料である可能性が高いです。   昔は一般的に流通していましたが、時代の流れや戦争によって資源が枯渇し、現在では高値で取引されており、場合によっては金より高値がつくものもあります。   そこで今回は、この香木の種類や買取価格について詳しく見てみましょう。

香木の種類

有名な香木は3種類存在しますが、その中でも比較的手に入りやすいのが「白檀(びゃくだん)」です。古くから数珠や扇子、仏像に用いられ、お香として最もポピュラーな香りのひとつです。アロマオイルにはサンダルウッドの名で精油が使われています。
 
原産地はインド・インドネシア・オーストラリア・トンガなどで、特にインド南部のマイソール地方で産出される「老山白檀」は、香りが強く最高級の白檀とされています。
 
2つ目の「沈香(じんこう)」は樹木の名前ではありません。ベトナムやカンボジア・インドネシア・ミャンマーなど、東南アジアの熱帯地域にあるジンチョウゲ科アキラリア属の木がもとになった香木を指します。
 
木に何らかの原因で傷ができると(傷害木)、傷の修復のために樹液が分泌され、これが長い歳月をかけて固まり樹脂へと変化します。樹脂はバクテリアや胞子の影響で変質していき、特有の芳香を放つようになったものが沈香です。
 
沈香となるまでには50年もかかり、さらに高品質の沈香となるには150年以上の歳月がかかるといわれています。また品種は100種類以上で、香木それぞれに特有の香りがあり、品質と値段に大きく影響します。
 
3つ目の「伽羅(きゃら)」は、沈香の最高級品を指し、ベトナムの限定された地域でしか採取されない非常に希少な香木です。
 
香りは、沈香の香りである五味(甘・酸・辛・苦・鹹)のバランスが大変良いとされています。歴史的にも、天皇や将軍といった最高権力者たちに愛されてきた最高峰の香木でした。ただ乱獲が続き、現在はワシントン条約の希少品目第二種に指定されて、輸入する際には許可証が必要です。
 

香木の買取相場

白檀の買取は、香木の素材価値よりも、数珠や木像などの「美術品」や「作家名」としての価値で判断されやすいです。そのため鑑定がむずかしく、骨董品や美術品に精通している専門の買取業者を選ぶことが重要です。買取価格の相場は、例えば松本明慶の仏像彫刻が20~25万円、鳩居堂の扇子は9000~2万円、老山白檀600gが5~8万円です。
 
沈香の場合は、「樹脂の量」「産地」「香り高さ」といった香木としての価値が買取価格に反映されます。サイズの大きい彫刻や原木は、高額で買い取ってもらえる可能性が高いです。例えば、1550gの原木で3~10万円、香道用の沈香12gで8000~15000円、数珠3~10万円などが平均的な相場です。
 
伽羅は、本物であればまず高値で買い取ってもらえます。素材の価値と希少性からグラム単位での相場があり、「重さ」と「グレード(質)」によって値段が決まります。例えば、お香の老舗「松栄堂」の原木はたったの13gで15~20万の買取相場がつけられています。ただし、白太という香らない部分が多いと、大きな原木であっても価値は高くなりません。
 

買取は目利きの専門業者に頼もう

価値のある香木か否かは、素人では判断できません。香木の鑑定は複雑で、知識のある専門家でなければ正しい判断は不可能です。種類や質、業者によるそれぞれの鑑定基準でも買取価格が変わり、さらに偽物や贋作も流通しているため真贋判定も経験豊富なプロでなければ難しい状況です。
 
ただの木片と思って捨ててしまうことがないように、「香木かも?」と思われる品があれば、まずは複数の骨董品買取業者に鑑定・見積もりを依頼しましょう。そこから買取相場を把握し、1番高い業者を選ぶのがおすすめの方法です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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