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実家は「家じまい」すべき? 事前準備と方法について解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月6日 9時40分

実家は「家じまい」すべき? 事前準備と方法について解説

時代の流れとともに実家を子が継ぐ家庭が少なくなり、親が死亡した後は実家が空き家になるケースが増えています。「空き家を相続したとしても放っておけばいい」と思う人も多いかもしれませんが、空き家の管理は意外と大変で、相続人の大きな負担となる可能性が高いのです。   そこで近年、注目が集まっているのが「家じまい」です。実家の行く末について、家族で一度話し合ってみませんか?

「家じまい」とは

家じまいとは、実家の家財道具や建物本体を処分することをいいます。高齢の親自身が終活の一環として行う場合が多いですが、もし介護施設に入った場合は、家族が行うことになるでしょう。
 
家じまいで家を処分すると親の住む家がなくなりますが、身軽な賃貸物件に引っ越す、老人ホームに入る、二世帯住宅を購入するなどの方法で対応します。
 

家じまいをする理由

家じまいをする主な理由は、空き家となった実家を相続する子どもに負担をかけないためです。どんな負担があるかといえば、まず実家は相続財産であるため、相続税の対象になります。利用しない空き家に相続税がかかるというのは腑に落ちませんよね。
 
そして、空き家の管理もタダではありません。毎年の固定資産税、火災保険料、修繕費、清掃費などがかかります。近隣への影響もあることから、空き家だからと放置するわけにはいかないのです。
 
「では相続放棄したら実家を相続しなくていい」と考えるかもしれません。実は、相続放棄をするときに亡くなった人の財産を管理している人は、「相続放棄したとしても財産の管理責任を負う」ことが民法に定められています。
 
つまり、「実家の管理をしていた子どもが相続放棄をしたとしても、実家の管理は続く」ということです。
 

家じまいの事前準備

家じまいを考えたとしても、すぐに売却手続きへ進むのはおすすめしません。実家の所有者が1人であったとしても、処分するとなれば家族それぞれの思いを聞いた方がよいからです。まずは以下の順で事前準備をしましょう。

・家族と話し合う
・家じまいにかかる費用を確認する
・家じまい後に住む場所を探す
・家財の処分業者、不動産会社を探す
・家族ともう一度話し合う

まずは家じまいを実行するか否かについて家族と話し合いましょう。家じまいをすることになったら、もろもろの費用、引っ越し先、不動産会社などを決めます。そして、最終的にどう家じまいを行うのかについて家族で報告会をしましょう。
 

家じまいの方法

家じまいで実家を処分する方法を具体的にみていきましょう。基本的に以下の2パターンです。実家の状況に応じて適した方を選択しましょう。

・家と土地を売却する
・家を取り壊して土地のみ売却する

なお、不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。買い手が見つかるのを待つ必要がないため、すぐに処分することが可能ですが、売却金額は相場より低くなる場合がほとんどです。
 
また、家じまいが増えている今、不動産会社の中には家財道具などそのままの状態で買い取るところもあります。売却金額よりも処分のスピードを重視している場合にはおすすめの方法です。
 

相続した土地を国が引き取る制度もある

家じまいをする前に親が亡くなってしまったため、とりあえず実家を相続した場合には、国が土地を引き取る「相続土地国庫帰属制度」が利用できるかもしれません。
 
2023年4月27日にスタートした新しい制度です。立地が悪いなど、売却できる見込みのない土地については、積極的に検討してみるとよいでしょう。なお、対象となるのは土地である点に注意してください。家は取り壊す必要があります。
 

まとめ

家じまいをしておくと、残される家族の負担を軽減することができます。大切な実家が「負の遺産」と化すことがないように、一度家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
 

出典

国土交通省 空き家等の現状について
法務省 相続土地国庫帰属制度について
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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