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サービス付き高齢者向け住宅とは?特徴や老人ホームとの違いを解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月14日 6時29分

サービス付き高齢者向け住宅とは?特徴や老人ホームとの違いを解説

この記事を読んでいる方は、サービス付き高齢者向け住宅に興味を持っている方だと思います。皆さんご自身やご家族が入居を検討されているかもしれません。なかには、サービス付き高齢者向け住宅に関する知識が少なく、不安を抱えている方もいるでしょう。   この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や有料老人ホームとの違い、入居までの流れ等を解説します。最後まで読み終えると、サービス付き高齢者向け住宅の正しい知識が身に付きます。そして、ご自身やご家族に合うサービス付き高齢者向け住宅を探すことができ、快適な生活を送れるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認や生活相談等のサービスが提供される高齢者向けの住居です。バリアフリーに対応しています。安否確認と生活相談の提供は義務付けられていますが、食事の提供や家事補助と言った生活支援サービスの提供有無は施設によって異なります。一般的に、介護度が低く自立した生活を送れる高齢者向けの施設です。
 
高齢化に伴う需要拡大の影響により、サービス付き高齢者向け住宅事業に参入する企業が増加しています。医療系や介護系企業だけではなく、最近では不動産系企業もサービス付き高齢者向け住宅事業を行っています。
 

サービス付き高齢者向け住宅の種類

サービス付き高齢者住宅には、大きく分けて2つの種類があります。対照的な各施設の違いをしっかりと抑えましょう。
 

一般型

1つ目は一般型の施設です。一般型の施設は原則として自立して生活できる方が入居する施設であり、安否確認と生活相談が主要なサービスです。医療・介護ケアが必要な場合は、入居者個人が外部の業者と個別契約する必要があります。
 
なお、介護度が重くなった場合、退去を要請される可能性もあります。ちなみに、サービス付き高齢者向け住宅の多くが一般型の施設です。
 

介護型

2つ目は介護型の施設です。名前の通り、様々な介護が必要な方も入居可能です。外部の業者ではなく、施設スタッフによる介護サービスが提供されます。入居者は介護度に応じた費用を施設へ払う必要があるため、入居費用は一般型の施設よりも高額な傾向があります。
 

サービス付き高齢者向け住宅のサービス

次は、サービス付き高齢者向け住宅で提供されるサービスを確認しましょう。前述のとおり、提供が必須のサービスは安否確認と生活相談のみです。その他のサービスは、施設によって提供の有無が異なります。各サービスを詳しく解説します。
 

安否確認

1つ目は安否確認です。施設スタッフが定期的に入居者の安否確認を実施し、緊急時には病院へ連絡します。安否確認としては、スタッフが入居者の居室へ訪問する方法が一般的です。居室訪問以外にも、外出実施のチェック生活リズムセンサーの活用を取り入れている施設もあります。
 
生活リズムセンサーは玄関やトイレの扉等に取り付けられるセンサーで、入居者に一定の間動きがない場合、施設スタッフに通報する働きがあります。多くの施設において、生活リズムセンサーや緊急通報ボタンが設置されており、「もしもの時」に備えた対策が実施されています。そのため、入居者と離れて生活する家族も安心して生活できます。
 

生活相談

2つ目は生活相談です。入居者は施設スタッフに日常生活の相談ができます。日常生活の相談だけではなく、入居者に必要な医療・介護ケアの相談もできます。なお、一般型の施設において医療・介護ケアが必要になった場合は、入居者個人が特定のサービス事業者と契約する必要があります。
 
ちなみに、具体的な生活相談の方法としては入居者と定期面談や、気になる入居者への声掛け等がメインとなっています。もちろん、入居者から施設スタッフへ適宜相談することも可能です。
 

生活支援

3つ目は、食事提供や家事の補助といった生活支援サービスです。サービス付き高齢者向け住宅において、生活支援サービスの提供は義務ではないため、あくまでもオプションとして用意している施設が多いです。また、看取りサービスを導入する施設も増加傾向にあります。
 

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は、高齢者住まい法により「60歳以上の高齢者または、60歳未満の要介護認定を受けた方」と定められています。その他、施設によって以下のような入居条件が定められているケースがあります。
 

・自立的な生活が可能
・重度の認知症ではない
・重介護ではない

 
入居予定の施設が一般型か介護型かによっても、入居条件は大きく異なります。皆さんの入居希望の施設に直接確認しましょう。
 

サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームとの違い

ここでは、サービス付き高齢向け住宅と有料老人ホームの違いを説明します。いずれも高齢者が入居する施設ため、混同されやすい傾向があります。しかし、今から解説するとおり、両施設には多くの違いがあります。
 
有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅の違いを理解することによって、サービス付き高齢者向け住宅への理解さらに深めましょう。
 

サービス内容

1つ目の違いはサービス内容です。多くのサービス付き高齢者向け住宅では、施設スタッフによる入居者の安否確認と生活相談が主要なサービスです。なお、食事提供をはじめとする生活支援サービスは、選択可能なオプションとして用意されている施設が多いです。
 
つまり、サービス付き高齢者向け住宅においては、原則として自立可能な高齢者を入居対象としていて、入居者のサポートが主要なサービスとなります。その一方、有料老人ホームでは一般的に介護や医療ケア、食事提供が一般的なサービスになっている傾向があります。
 

生活様式

2つ目は生活様式の違いです。サービス付き高齢者向け住宅においては、原則として自立した高齢者が入居しています。各部屋に浴室やトイレ、キッチンが用意されているケースが多いため、自由度の高い生活を送っているでしょう。一有料老人ホームのような他入居者との交流を促すレクリエーションは、一般的に用意されていない場合が多いです。
 
したがって、有料老人ホームと比較すると、他の入居者と交流する機会は少なく、より自由な生活様式になっています。また、外出や外泊を自由に認めている施設が多い点も、サービス付き高齢者向け住宅の特徴です。通常の自宅同様、入居者は自分の好きなように生活できます。
 
その反面、有料老人ホームの場合、1日のスケジュールは施設によってあらかじめ決められています。入居者は施設のスケジュールやルールに従いながら、規律正しい生活を送ります。また、有料老人ホームはレクリエーションやサークル活動が活発な施設も多く、他の入居者と交流しやすい傾向にあります。
 

入居条件

3つ目は入居条件の違いです。サービス付き高齢者向け住宅は、原則として自立可能な高齢者を入居条件としています。前述の通り、介護が必要な方や認知症を患っている方も入居できる介護型の施設もありますが、一般型の施設数と比較すると少数です。
 
その一方、有料老人ホームは施設によって入居条件が大きく異なります。自立~要介護者5に該当する方まで入居可能な施設があるため、入居予定者は自身の健康状態に合ったサービスを受けられる施設を選択できます。
 

居住面積

4つ目は、登録基準として定められている居住面積の違いです。サービス付き高齢者向け住宅は、原則として25㎡の居住面積が必要です。ただし、共用部分の面積が充分な広さを有する場合の居住面積は18㎡以上とされています。原則として、有料老人ホームよりも広い居住面積が必要とされています。
 
ちなみに、有料老人ホームでは居住面積13㎡以上が義務づけられています。
 

契約形態

5つ目は契約形態の違いです。サービス付高齢者住宅では、建物賃借方式の契約が一般的です。建物賃借方式とは通常の賃貸契約と同様、賃料の支払いによって部屋を借りる契約形態です。原則として介護サービス等の料金は含まれていないため、必要な場合は入居者個人が業者と契約する必要があります。
 
有料老人ホームでは、利用権方式と呼ばれる契約形態が一般的です。利用権方式とは、入居一時金を支払う代わりに、施設を利用する権利やサービスを受ける権利を得ます。
 
その一方、サービス付高齢者住宅では建物賃借方式が一般的です。通常の賃借契約と同様に月々の賃料を支払い、部屋を借りる契約形態です。介護サービス等の料金は含まれていないため、必要であれば別途契約が必要になります。
 

サービス付き高齢者向け住宅に入居するまでの流れ

ここでは、サービス付き高齢者向け住宅に入居するまでの一般的な流れを紹介します。施設によって入居までの流れは異なりますので、入居手続きを進める際は施設の指示に従いましょう。一般的に、有料老人ホームに入居する流れと同一です。
 

問い合わせ

1つ目のステップは、問い合わせです。電話やホームページを使用して、入居希望の施設へ問い合わせます。問い合わせる前に、あらかじめホームページに掲載されている内容を確認しておきましょう。ホームページを確認しても分からない点を積極的に確認すると良いでしょう。
 
最近では、オンライン相談会を開催している施設もありますので、興味がある方は参加しましょう。
 

見学

2つ目のステップは、入居を希望するホームの見学です。見学の日時をあらかじめ決定したうえで、入居希望の施設を訪問します。見学の際には施設スタッフから設備・サービス内容の紹介を受けられるでしょう。皆さんご自身やご家族が長く生活する施設になる可能性もあるため、見学は必ず行いましょう。
 
また、施設によっては一定期間の体験入居が可能です。体験入居は、施設でのリアルな生活を知る貴重な機会であるため、可能な限り利用しましょう。短期間でも実際の生活を体験することで、正式に入居した後のギャップを最小限にできるでしょう。
 

申込み

3つ目のステップは施設への申込みです。見学や体験入居後も入居の意思が変わらなければ、申し込みを行いましょう。申し込み後に施設は部屋の確保を行います。
 

入居審査

4つ目のステップは施設による入居審査です。入居予定者が入居条件に合致するか等を施設が吟味し、審査の合否を決定します。仮に審査不合格となった場合は、不合格の理由を確認し、今後の施設選びに活かしましょう。
 

面談

4つ目のステップは、施設スタッフとの面談です。施設スタッフが入居予定者の自宅や入院中の病院を訪問し、健康状態のヒアリングを実施します。入居後に必要なケアを伝えるため、些細な点でも施設スタッフに報告しましょう。なお、入院中の病院で面談を行う場合、入居予定者の健康状態を良く把握している主治医や看護師に同席して貰うのも良いでしょう。
 

契約

5つ目のステップは契約です。不安な点や懸念点がある場合は、必ず契約前に確認しましょう。契約時に、施設スタッフより重要事項の説明を受けます。
 

入居

6つ目のステップは施設への入居です。あらかじめ施設と決定した入居日に入居します。入居者が持ち込む必要のある生活雑貨や日用品は、施設によって異なります。準備が必要なものをあらかじめ確認し、入居日までに購入しておきましょう。
 

サービス付き高齢者向け住宅の費用

サービス付き高齢者向け住宅の費用は、有料老人ホームと同様に施設によって大きく異なります。したがって、詳細な金額は入居希望の施設に確認しましょう。一般的には月額料金が数十万円、入居一時金が数百万の施設が多いです。また、地方よりも都市部の施設の方が費用が高額な傾向があります。
 

サービス付き高齢者向け住宅に入居する前に知っておきたいポイント

ここでは、サービス付き高齢者向け住宅に入居する前に知っておきたいポイントを6つ紹介します。入居後に「こんなはずじゃなかった」と思わないよう、しっかりと以下の内容を抑えておきましょう。また、実際のサービス内容は各施設によって異なるため、入居希望の施設に必ず確認しましょう。
 

夫婦で入居可能?

1つ目のポイントは夫婦で入居可能な施設もある点です。多くのサービス付き高齢者向け住宅において、2人入居可能な部屋を用意しています。施設によっては、配偶者以外の家族と入居可能なケースもあります。
 

緊急時の備えは?

2つ目のポイントは、体調不良をはじめとする緊急時の備えです。具体的な取り組みは施設によって異なりますが、入居者の部屋に緊急通報ボタンを設置しているケースが多いです。
 
入居者が緊急通報すると、施設スタッフや警備会社スタッフが部屋まで駆けつけます。また前述の通り、生活リズムセンサーを部屋に設置している施設もあり、24時間体制で入居者を見守っています。
 

ペットは飼育可能?

3つ目のポイントは、ペットの飼育可否です。サービス付き高齢者向け住宅は集合住宅のため、ペットの飼育を禁じている施設もあります。なかには、他入居者に迷惑をかけないペットであれば、飼育を許可している施設もあります。
 

外出・外泊は可能?

4つ目のポイントは、入居後の外出・外泊の可否です。サービス付き高齢者向け住宅では、原則として外出・外泊を認めているケースが一般的です。また、あくまでも入居者の「自宅」としてみなされるため、家族や友人の来訪も可能なケースが多いです。
 

家具の持ち込みは可能?

5つ目のポイントは、家具の持ち込み可否です。基本的には通常の引っ越しと同様、好きな家具や日用品を持ち込めます。施設見学の際、自分の家具を設置できる充分なスペースがあるか確認しましょう。また、施設によっては家具の貸与も実施している場合もありますので、入居予定の施設に聞いてみましょう。
 

食事は提供される?

6つ目のポイントは食事提供の有無です。一般型のサービス付き高齢者向け住宅の場合、食事提供はオプション形式となっている施設が多いです。つまり、一般型の施設においては基本的には入居者が自炊することを前提としている傾向があります。
 
その一方、介護型のサービス付き高齢者向け住宅の場合は、食事提供がサービスに含まれているケースが一般的です。
 

まとめ

この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や入居までの流れ、有料老人ホームとの違い等を紹介してきました。最後に要点をおさらいしましょう。
 
サービス付き高齢者向け住宅は、原則として自立可能な生活を送れる高齢者が安心して生活を営むための住居です。全てのサービス付き高齢者向け住宅において、安否確認と生活相談のサービスの提供が義務づけられています。
 
その他の、食事提供や家事の補助等のサービスは、オプションとして用意されているケースが多いです。部屋に水回りの設備が設置されている施設が多く、有料老人ホームと比較して自由度が高い生活が送れます。
 
また、サービス付き高齢者向け住宅の中でも、要介護度が高い人が入居可能な介護型と呼ばれる施設もあります。しかし、自立可能な方が生活する自立型の施設と比較すると、数は少ないです。また、一般型の施設に入居している方が介護サービスを必要になった場合、入居者個人が外部の業者と個別契約する必要があります。
 
最後までこの記事を読み終えた皆さんは、サービス付き高齢者向け住宅に関する最低限の知識が身についているはずです。皆さんご自身やご家族にとって、最適な施設を探しましょう。そして、皆さんに合った施設で快適な生活を送りましょう。
 

出典

厚生労働省 サービス付き高齢者住宅の概要
厚生労働省 サービス付き高齢者向け住宅について
国土交通省 サービス付き高齢者向け住宅
国土交通省 サービス付き高齢者向け住宅に関する現状
一般社団法人 高齢者住宅協会 サービス付き高齢者向け住宅 運営事業部会
野村不動産ソリューションズ株式会社 生活リズムセンサー
ジーコム株式会社 生活リズムセンサー・臨床センサー
ニチイケアパレス株式会社 ニチイのサービス付き高齢者向け住宅 アイリスガーデン
株式会社学研ココファン サービス付き高齢者住宅の学研ココファン
国土交通省 高齢者の居住の安定確保に関する法律
厚生労働省 有料老人ホームの概要
厚生労働省 社会福祉住居施設の設備基準 居室面積基準等
一般社団法人 高齢者住宅協会 サービス付き高齢者向け住宅 情報提供システム
一般社団法人 高齢者住宅協会 サービス付き高齢者向け住宅(事業者用パンフレット)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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