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年収600万円でタワマンに住みたい30歳経営者に喝! 「破綻しないための5箇条」とは

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月10日 3時0分

年収600万円でタワマンに住みたい30歳経営者に喝! 「破綻しないための5箇条」とは

誰もが一度は憧れる住居といえば、「タワーマンション」ではないだろうか。都内在住のAさん(30歳)もその一人で、年収が過去最高を迎えた今が「タワマンに住む人生最大のチャンス」だという。Aさんの実質年収は600万円程度。失敗事例が取り沙汰されることも多い、タワマンへの引っ越しを失敗しないためのポイントとは?

都心のタワーマンションに住める?

Aさんは、Webコンサルティングを手掛けている。一人会社を設立しており、3期目で年商は約4000万円だ。役員報酬は月50万円に設定しており、約18万円の家賃の自己負担分や社会保険料を差し引いた、現在の手取り額は35万円程度だという。
 
「今年の12月が更新月なのですが、やはり『人生で一回はタワマンに住んでみたい』という気持ちはありますね。できれば新宿や港区、豊洲あたりがベストでしょうか。正直、自営業をしているかぎり、タワーマンションに一生は住める気がしないので賃貸一択です」
 
ちなみに、不動産メディア「幸せおうち計画」を運営する、株式会社AZWAYの「『タワーマンションに住んだ経験の有無』についてアンケート調査」(2023年4月、男女500名対象)によると、タワマンに住んだことがある人の年収は500〜700万円が最も多く、年収1000万円を超える人のうち約30%が「住みたい」と回答している。上記の内容を踏まえると、Aさんはタワマンに住めるだろうと思えるが、本人にはもう一歩踏み込めないポイントもあるらしい。
 
「正直言うと、私の仕事はかなり『水物』で不安定なんですよね。だからこそ、役員報酬も設立当初は20万円だったのを30万円、50万円とコツコツと上げてきました。ただ、実は貯金は10万円以下で、NISAなども一切していません。それだけならまだしも、高級時計を買った際に2026年までのローンを2つも組んでしまっているんですよね……。冷静に振り返ると、このまま『憧れ』だけで賃貸とはいえタワマンに住むと、『調子に乗って没落するコース』に突入してしまう気がしていて……」
 

タワマンに引っ越す前に確認したい「破綻しないための5箇条」とは?

結論から言うと貯金がほぼゼロ、NISAなど将来的な積み立てもないのはかなり痛い。さらに高級時計のローンが2つと、家計的には綱渡りの状態といえるだろう。Aさん自身が危惧するように、憧れだけでタワマンへの引っ越しを強行すると、経済的破綻の始まりとなりかねない。
 
では、どうすれば年収600万円で経済的に安定しつつ、タワマンへの引っ越しが可能になるのか。タワマン暮らしで「破綻しないための5箇条」を紹介しつつ、失敗しないタワマンへの引っ越しを考えてみたい。
 

1. 賃貸を選ぶ

まず、Aさんも賃貸一択というように、十分な頭金が用意できていないなら、年収600万円でのタワマン生活は、賃貸がベストだろう。賃貸は購入に比べ、初期費用が大きく違うだけでなく、メンテナンス費用や修繕積立金がかからない。また今後、結婚など生活の変化による住み替えにも対応できる。
 

2. 収支を明確化する

タワマンの家賃は、高額になることが多い。そもそもAさんの仕事は、『水物』で収入が不安定だという。その場合はまず、家賃のほかに食費や光熱費、交際費、ローンの返済など、支出金額を把握しておく必要がある。
 
毎月の生活費や経費はいくら必要なのか、収入の波があってもいくらまでなら家賃を支払っていけるのか、事前にシミュレーションしておきたい。はじめから予算ギリギリでは、破綻の可能性は格段に高くなる。まずは、自分が何にいくら使っているのかを知ることから始め、どんぶり勘定から抜け出し、計画的な予算管理を行いたい。
 

3. 住みたいエリア、広さを考える

一般的にタワーマンションとよばれるのは、20階建て以上、60メートル以上の超高層マンションのことを言うが、同じ東京都内でもエリアによって予算がだいぶ変わってくる。
 
某大手不動産検索サイトで調べてみると、港区で人気と思われるタワマンの家賃は、ワンルーム(25平方メートル)33階建ての7階で11万円からとなっている。一人でもゆとりの感じられる広さ(60〜80平方メートル)がある部屋になると、安いもので22万円からが相場となる。
 
次にアクセスも便利で人気の高い新宿などの中心部では、同じく単身用ワンルームであれば、11万から見つかる。ゆとりのある60〜80平方メートルクラスでは、21万円から探せるが、60階建てなどの超高層タワマンを希望の場合、27万円前後が相場となる。
 
また、湾岸エリアは豊洲、東雲、有明などが代表とされる。銀座やお台場にも近く、街並みは整備され美しいが、港区や新宿区などに比べ、湾岸エリアのある江東区は家賃も低めとなる。60〜80平方メートルクラスでは、16万円台からウオーターフロントの部屋が借りられる。ワンルームであれば8万円台から、40階建ての超高層タワマンでも12万円台から部屋がある。
 
Aさんは「できれば新宿や港区、豊洲とかがベスト」とのことだが、現在の手取り額を約37万5000~42万5000円(役員報酬月額50万円×税抜き後の75~85%相当で計算)と仮定すると、実際には手取りの3分の1である12万5000~14万円が適正な家賃となる。
 
無理をしないで家賃を優先するなら、お手頃感もある湾岸エリアに部屋を借りるのがベストだが、ワンルームならば、物件数も多い港区や新宿区でも無理なく部屋を探せるのではないだろうか。エリアにこだわるのか、高層階で夜景が見たいのか、または広い部屋に住みたいのか、自分なりの譲れないポイントを絞って、無理のない予算で探したい。
 
また更新時期は12月いっぱいとのことだが、引っ越しには数社で相見積もりを早めにとっておきたい。荷物の量や引っ越し日、引っ越しにかかるドライバーの人数で金額は変わってくるが、はじめの見積もりから大きく値段が下がることも多い。面倒がらず、引っ越し会社の営業に流されることなく、準備を進めよう。
 

4. 支出の見直しをする

タワマンに住むために、生活費や必要経費を把握したら、思ったより生活に余裕がないことや、無駄な出費が多いことに気づいたのではないだろうか。それでもタワマンへの引っ越しを優先したいなら、無駄な部分の節約や、趣味・娯楽費などの見直しが必要かもしれない。
 
外食がほとんどであれば、夕飯は自炊する、使っていないサブスクを解約する、携帯電話のプランの見直しをするなど、身近なところから見直しすることで、日々の無駄を削減できるようになる。まずは意識を変えるところから始めたい。
 

5. 緊急時の備えを考える

最後に、Aさんは自分の必要経費や生活費を把握し、支出を見直してタワマンに住んだとしても、このままでは突発的な出費や緊急事態に備えることができない。万が一、病気やけがによる入院や、事業の不振などで収入が減ったり途絶えたりする事態になったとき、経済的に破綻しかねない状況にあるのだ。
 
Aさんの場合、一人社長として、社会保険の加入をしていると思うが、病気やけがなどで収入が途絶えた場合、収入の3分の2程度の傷病手当金が支払われる。しかし、今の貯金がない状態では、ローンの支払いや入院費が払えないかもしれない。
 
少しでもいい。今すぐ積み立てを始めよう。無理のない預金額は手取りの10%と言われている。はじめはきつくても、3万~4万を自動引き落としで預金しておきたい。
 
あわせて、経営者としてリタイア後のための小規模企業共済や、NISAの積み立てを始めてみよう。少額からでも積み立てを始めることで、安心してタワマン生活を楽しめるようになるだろう。この機会にこれからの仕事や生活、人生のライフプランを考えたい。
 

まとめ

ここまで、年収600万円で経済的に安心してタワマンに住むための5箇条を紹介した。あらためて自分の経済状況を考えて厳しさを感じたかもしれない。
 
しかし、がんばって働き、収入を上げてきた証しに、タワマンに引っ越したいと思うのは、次への原動力にもなるだろう。まずはリスクと現実を把握しつつ、タワマンに引っ越せると判断できるなら、タワマン生活を試してみるのも悪くはない。
 
憧れだけで安易に動かず、金銭の管理とコントロールをすることで、夢のタワマン生活を実現したい。
 

出典

株式会社AZWAY 幸せおうち計画「タワーマンションに住んだ経験の有無」についてアンケート調査

中小機構 小規模企業共済

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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