2024年は子育て世代に優しい国になる!?「こども未来戦略方針」の内容とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月11日 1時30分
少子高齢化の問題が深刻化しており、日本の経済や社会への影響が懸念されています。 公益財団法人1more Baby応援団が実施した「夫婦の出産意識調査2023」によると、日本は、子どもを育てやすい国に「近づいていない」と答えた人は、75.8%にも及ぶことが分かりました。 少子化問題に対して、政府では、さまざまな対策を検討・実施していますが、厚生労働省によると、依然、出生数は減少傾向にあるとのことです。 この問題を受けて、政府は「こども未来戦略方針」を掲げ、子育て世帯の支援に力を入れると発表しました。 そこで今回は、日本の少子化問題の現状や、政府が検討している少子化対策などを、ご紹介します。
日本の少子化問題の現状とは?
日本の少子化高齢化問題は深刻化しており、総務省統計局によると、2023年1月1日の総人口は1億2475万2000人であり、前年同月と比較して、55万7000人減少しています。今後は、高齢化率がさらに上昇して、2065年には、65歳以上の高齢者1人を、現役世代1.3人で支える比率になることが、推測されています。
また、厚生労働省より、2022年の出生数は77万747人であり、前年よりも4万875人減少していることが発表されました。
少子化の原因は、晩婚化による未婚率の上昇、出生率の低下が挙げられます。その背景としては、家事・育児への負担が大きく、子育てと仕事の両立が難しいことや、子育てにかかる費用が高いことなどが考えられています。
実際、若者からは「自分がこれから先、こどもの生活を保障できるほどお金を稼げる自信がない」「結婚、子育てにメリットを感じない」などの声が聞かれているそうです。
「こども未来戦略方針」の三つの基本理念
深刻化する少子化問題を受けて、政府では「こども未来戦略方針」の実施が検討されています。この政策における基本理念は、以下の三つです。
●若い世代の所得を増やす
●社会全体の構造・意識を変える
●全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する
この理念に基づき、児童手当の拡充や、働き方改革の推進、社会保険料の活用法などが検討されています。
例えば児童手当であれば、所得制限を撤廃して、受給対象を高校生まで拡大するというものです。ほかにも、子どもが3歳になるまでの期間の短時間勤務やテレワーク、男性の育児休業取得の推進などが検討されています。
しかし、現時点では具体策は決まっておらず、考案が発表されている段階にとどまっています。
今後政府による「子育てしやすい環境づくり」への期待が高まる
深刻化した少子化問題を前に、政府では、今までに数多くの取り組みが実施されてきましたが、依然、出生数は減少傾向にあることが分かりました。
現在、政府では、少子化対策を強化すべく「こども未来戦略会議」を立ち上げて、子育てしやすい環境を目指した取り組みを検討しています。
これらの対策が決定されて、実施されれば、子育て世代に優しい日本が実現するかもしれません。
出典
厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
総務省統計局「人口推計 2023年(令和5年)1月1日現在(確定値)」
内閣府 「令和2年版高齢社会白書」第1章 高齢化の状況(第1節 1)
公益財団法人 1more Baby応援団「夫婦の出産意識調査2023」
内閣官房 こども未来戦略会議 「こども未来戦略方針」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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