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お金持ちは「孫を養子にする」って本当? 理由は「相続税対策になる」から!?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月11日 10時30分

お金持ちは「孫を養子にする」って本当? 理由は「相続税対策になる」から!?

「お金持ちは孫を養子にする」という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。このようにいわれる理由として、孫を養子にすることで相続税対策になることが考えられます。   孫を養子にして法定相続人が増えると、相続税の基礎控除額などが増えて相続税が少なくなることがあるからです。本記事では、孫を養子にすることが相続税対策になる理由や注意点について解説します。

相続税の算出方法

まずは相続税の算出方法について知っておきましょう。やや複雑ですが、相続税は以下の流れで計算します。
 

(1)不動産や現金などのプラスの財産から「債務」「葬式費用」「非課税財産」を差し引き、あれば相続開始前3年以内の贈与財産を足して正味の遺産額を決定
(2)正味の遺産額から「基礎控除額」を差し引いて課税遺産総額を算出
(3)課税遺産総額を法定相続分どおりに分けたと仮定し、所定の税率をかけて相続人ごとの相続税額を算出
(4)相続人別の税額を合算して、総額を計算
(5)各相続人が実際に取得した割合に応じて相続税総額を按分し、各種税額控除を差し引いて実際の納税額を決定

 
(1)の「非課税財産」には、仏壇の代金や国などへの寄付金のほか、生命保険金・死亡退職金が含まれます。生命保険金・死亡退職金の非課税額と基礎控除額は以下の計算式で決まります。
 

●基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
●生命保険金・死亡退職金の非課税額=500万円×法定相続人の数

 
どちらも法定相続人の人数によって金額が異なる点がポイントです。法定相続人が増えるほど遺産総額から差し引ける金額が増えて課税遺産総額が減るため、納税額が少なくなります。
 

孫を養子にすることによる相続税対策上の効果

孫を養子にすることで法定相続人の数が増えます。すると、生命保険金・死亡退職金の非課税額と基礎控除額が増えて課税対象となる遺産総額が少なくなるため、納税額が減らせます。
 
また、相続回数を1回飛ばせる点もメリットです。例えば、通常であれば親→子→孫へと2回の相続が発生するところ、孫を養子にすれば親→子・孫の1回の相続ですみます。相続税の発生機会が1回減ることで、結果的に納める税額も減ります。
 

相続税対策として孫と養子縁組する際の注意点

相続税対策として孫と養子縁組する場合は、いくつか注意すべきポイントがあります。まず、養子が多ければ多いほど税負担が減るわけではない点です。相続税の計算上、相続人としてカウントできる数は以下のように決まっています。
 

●被相続人に実子がいる場合は、養子のうち1人を法定相続人とする
●被相続人に実子がいない場合は、養子のうち2人までを法定相続人とする

 
また、「被相続人の配偶者、父母、子ども」以外が相続人になった場合は、相続税額に20%が加算される点にも注意しましょう。これは、養子にした孫も適用対象です。
 
さらに、税務署が相続税対策のために養子縁組をしたと判断した場合、法定相続人に含めることを拒否することがあります。税務調査の際、税務署の職員から養子縁組をした理由を問われたら、節税目的以外の理由を説明できるようにしておくことが必要です。
 

孫との養子縁組が相続税対策として有効かどうかはケースによる

孫と養子縁組すると法定相続人が増え、遺産総額から引ける非課税財産や基礎控除額も増えるため、課税遺産総額が少なくなります。結果的に、納税額を減らすことが可能です。とはいえ、法定相続人に含められる養子の数には制限があります。
 
また、孫が相続人になった場合は税額に20%加算される、法定相続人として認められないことがあるといったリスクも存在します。孫との養子縁組は、必ずしも相続税対策として有効ではない場合もあることを理解しておきましょう。
 

出典

国税庁 財産を相続したとき

国税庁 No.4152 相続税の計算

国税庁 No.4170 相続人の中に養子がいるとき

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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