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なぜ「4~6月は働きすぎちゃダメ」だったの?標準報酬月額の仕組みとは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月11日 10時30分

なぜ「4~6月は働きすぎちゃダメ」だったの?標準報酬月額の仕組みとは?

会社員などが支払う社会保険料の金額は、標準報酬月額に基づいて算出されます。原則、4〜6月の給与や手当を基にして標準報酬月額が改定されるため、この期間に働きすぎて給与が上がると、9月から翌年8月までの社会保険料も高くなってしまいます。これが「4〜6月は働きすぎるな」といわれる理由です。   では、標準報酬月額は、どのように設定されているのでしょうか。その仕組みを、分かりやすく解説します。

社会保険とは何か?

標準報酬月額を知る前に、まずは、社会保険の概要をみておきましょう。
 

・社会保険とは

条件を満たした事業所に勤務する人が加入する、健康保険や厚生年金保険、介護保険などを、社会保険と呼びます。
 
社会保険は、「常時1人以上の従業員を雇用する株式会社などの法人の事業所」や、「適用業種を営む常時5人以上の従業員を雇用する個人の事業所」は強制適用事業所となり、社会保険加入が義務となります。
 

・社会保険のメリット

社会保険に加入する主なメリットは、
 

(1)保険料が事業所と折半できること、
(2)老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金が受給できること、
(3)障害基礎年金に加えて、障害厚生年金や障害手当金が受給できること
(4)遺族基礎年金に加えて、遺族厚生年金が受給できること
(5)傷病手当金や出産手当金が受給できること

 
という5点です。
 

標準報酬月額決定の仕組み

社会保険料は、標準報酬月額によって決まりますが、その仕組みはどうなっているのでしょうか。
 

・標準報酬月額とは

勤務先から受け取る給与(基本給)に、各種手当を加えた1ヶ月の総額を、報酬月額といいます。報酬月額を、健康保険は1〜50、厚生年金保険は1〜32の等級に区分したうえで、その等級を、区切りのいい金額で表したものが標準報酬月額です。
 
なお、都道府県によって異なる標準報酬月額は、全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページで検索できます。
 

・標準報酬月額は毎年改定される

給与の総額は、昇給や残業時間などによって変わるため、実際の報酬月額と標準報酬月額の間には、大きな開きが生じる可能性があります。その開きを調整するために実施されるのが、定時決定と呼ばれる、年1回の改定です。
 
定時決定に当たって事業主は、7月1日時点で雇用している、すべての被保険者の4〜6月分の報酬月額を記入した「算定基礎届」を、厚生労働大臣に届け出る必要があります。厚生労働大臣は、この届け出内容に基づいて、新たな標準報酬月額を決定します。なお、定時決定された標準報酬月額が適用されるのは、9月から翌年の8月までです。
 

「4〜6月は働きすぎるな!」といわれる理由

前項で解説しましたように、社会保険料額の基になる標準報酬月額は、年に1回改定されます。改定の基になるのは、事業主から厚生労働大臣に提出された、4〜6月分の給与や各種手当の報酬月額です。この3ヶ月間に、昇給したり残業が多かったりして、報酬が多くなると、その分だけ、標準報酬月額の等級が上がってしまう可能性があります。これが、「4〜6月は働きすぎるな」といわれている理由です。
 

調整可能なら4〜6月は働きすぎないようにしよう

条件を満たした事業所に勤務する従業員は、社会保険に加入します。社会保険料額の基になるのは、給与や各種手当から算出された標準報酬月額です。標準報酬月額は、4〜6月の報酬月額を基に、毎年改定されています。そのため、もし調整可能であれば、この3ヶ月間は、必要以上に働きすぎないほうが得策かもしれません。
 

出典

全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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