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扶養を外れてパート就労したけれど3ヶ月で退職。「扶養に戻る」手続きはどうすれば良いの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月11日 7時0分

扶養を外れてパート就労したけれど3ヶ月で退職。「扶養に戻る」手続きはどうすれば良いの?

一度扶養から外れても扶養に戻ることは可能です。ただし、扶養に戻るためには収入などの加入条件がありますので、その条件を満たすことが必要になります。   今回は、パート主婦が夫の扶養に戻れる(入れる)条件と加入するときの手続きについて解説します。

そもそも扶養ってどんなものがあるの?

扶養制度には、次の3つがあります。それぞれ単独のものですので、分けて考える必要があります。
 

(1)社会保険の扶養

社会保険には、公的年金、健康保険、介護保険があり、妻が夫の社会保険の被扶養者になると、妻の社会保険料が0円になります。
 
ただし、夫が自営業で国民年金・国民健康保険に加入している場合だと、社会保険の扶養には入れませんので、今回の解説は、夫が会社員である妻の場合を想定して解説します。
 

(2)税制上の扶養

税制上の扶養とは、所得税法上の扶養制度です。具体的には、控除対象の扶養親族となる人がいる場合には、一定金額の所得控除を享受できます。いわゆる配偶者控除や配偶者特別控除といわれるものです。
 

(3)扶養手当制度の扶養

夫が勤務する会社にある扶養制度です。これは、企業の福利厚生制度のひとつで、家族手当や扶養手当といったものが該当しますが、法律で決められたものではないので、手当の有無・支給要件・支給額は企業が独自に決めます。
 

扶養に戻れる(入れる)条件とは?

では、3つの扶養制度で扶養になる条件を確認してみましょう。
 

(1)社会保険の扶養

社会保険の扶養に入れる条件は、次の2つです。

1. 労働時間・勤務日数が正社員の4分の3未満
2. 1年間の見込み年収130万円未満(交通費・残業代・賞与含む)(ただし、60歳以上の場合などの条件に該当すれば年収180万円未満)

これがいわゆる「130万円の壁」といわれるものです。
 
ただし、上記2つの条件を満たしていても、勤め先の従業員数が101人以上(2024年10月からは51人以上)の勤め先に勤務している人は次の4つの条件に該当する場合は、パート先で社会保険に加入する(扶養から外れる)必要があります。

1. 週の所定労働時間が20時間以上
2. 月額賃金が8.8万円以上(年額106万円相当以上)
3. 2ヶ月を超える雇用の見込みがある 
4. 学生でない。ただし、休学中や夜間学生は加入対象

これがいわゆる「106万円の壁」といわれるものです。
 

(2)税制上の扶養

配偶者控除と配偶者特別控除額は、下表のようになります。
 
配偶者控除額は、パートの収入(年収)が103万円を境に変わってきます。これがいわゆる「103万円の壁」といわれるものです。また、配偶者特別控除は、150万円と201万円を境に変わってきます。「150万円の壁」「201万円の壁」といわれるものです。


 

(3)扶養手当制度の扶養

この制度は、先に解説のとおり、手当の有無・支給要件・支給額は企業が独自に決める制度ですので、勤め先の担当部署に確認をしましょう。
 

扶養になるための手続きは?

 

(1)社会保険の扶養

夫の勤務先の健康保険組合に申請をします。社会保険に関しては、見込みの年収額で扶養判断がされますので、パートを辞めた段階で、勤め先の担当部署に相談をすると良いでしょう。
 

(2)税制上の扶養

夫の勤務先の年末調整のタイミングで、「給与所得者の配偶者控除等申告書」を会社に提出をすれば手続きが完了します。社会保険とは違って、見込みの所得ではなく、妻の1~12月の所得に応じて扶養に入るか入らないかが決まってきます。
 

(3)扶養手当制度の扶養

夫の勤め先の担当部署に確認し、勤め先に応じた必要な申請を行います。
 
夫の扶養に戻るためには、状況によって手続きの方法が変わります。しっかり確認しましょう。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用ガイドブック
国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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