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為替リスクをマネージしよう! ー 外貨建投資のキーポイント その2

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月7日 8時30分

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前回の「米国国債に投資してみよう! ー外貨建投資のキーポイント その1」では、米国国債への投資が金利的には魅力的な投資で、残る問題は為替リスクのマネージだけだと申し上げました。   では、今回は為替リスクのマネージの仕方について説明したいと思います。  

為替リスクのマネージの仕方

前提:米国国債割引債(ゼロクーポン債またはストリップス債ともいう)の税引き前利回り(年利)は2.66%*(複利)で、現在の円建て銀行定期預金の金利よりかなり良い。

* 2023年11月15日満期の米国国債の2018年7月1日時点における利回り
為替リスクのマネージの仕方は次の通りです。
1. 円高の時点で米ドルを買い付け、外貨建てMMFで保有する。
2. 米国国債の利回りを確認しながら、利回りが上昇した時点で、外貨建てMMFのドル資金から、米国国債の買い付けを行う。
3. 償還前でも円安になり、利が乗れば売却する。
4. 為替が円安に振れない場合は、償還時まで待つ。 
(1)その時点で円安なら、円転して売却する。
(2)円安にならないときは、米ドルで受け取り、別の米国国債に再投資し、金利を稼ぎながら円安になるのを待つ。
このやり方のポイントは次の2点です。
1. 円高のときに米ドルを買い、円安の時点で売る。満期になっても円高であれば、ドルのまま引き続き保有し、円安になるのを待つ。
2. 外貨建て債券は、利回りがある程度あれば、その利率と償還時までの時間に応じた「円高耐性力」をもつ。「円高耐性力」については、次項で説明します。
 

金利の高い債券に投資をすれば、将来円高になっても、損をしにくくなる。

米国国債に投資すると、例えば年率2.66%の複利ベース利回りでドル資金が回ります。
ということは、円が年率2.66%で上昇しても、円換算ベースでは損をしないということになります。
それを示したのが、以下の表です。


現在の為替レートを110円とすると、年率2.66%でドル資金が回れば、
1年後に107.15円/ドル、
5年後に96.47円/ドル、
10年後に84.60円/ドル
になっても、円換算ベースでは、はじめに投資した110万円が確保できます。
これを「円高耐性力」と呼びます。すなわち、日米の金利差がある以上、外貨投資の面では悪い方=円高に転んでも損をする可能性は小さいということです。
一方、円安になった場合はどうでしょうか?
先ほど5年5カ月で償還される米国国債を例にとったので、5年5カ月後に円安になった場合の利回りを比較してみましょう。
購入時110円/ドルだった為替が、
115円/ドルになると投資元本の1.16倍 複利ベース利回り(税引後)2.85%
120円/ドルになると投資元本の1.21倍 複利ベース利回り(税引後)3.52%
125円/ドルになると投資元本の1.25倍 複利ベース利回り(税引後)4.17%
となります。

償還前に円安になったときに売却しても似たような結果が得られます。
為替リスクはある程度マネージ可能ということがおわかりいただけたと思います。
ここで紹介した為替リスクのマネージの仕方は、米国国債だけでなく、ある程度の金利差があれば、ユーロ建て債券、豪ドル建て債券等他の通貨にも当てはまります。
でも、最初にやるなら、皆さんに最もなじみがあり情報量も多い基軸通貨である米ドル建て債券をお勧めします。
米国国債への投資を一度検討してみてはいかがでしょうか?
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
CFP ファイナンシャルプランナー

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