債券投資について (その1) 「債券投資」とは? アメリカ国債への投資について
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月13日 23時0分
この記事では2回にわたり、「債券投資」、特に外国政府の発行する国債への投資について説明したいと思います。(その1)では、「債券投資」の特徴や位置づけとアメリカ国債への投資、続く(その2)では、発展途上国の国債への投資について説明します。
債券投資とは何か? 債券投資の位置づけ
「債券投資」とは、企業や政府などが、資金調達のために発行する債権を投資家が購入することで、債券発行者から利息収入を得る投資方法です。
債券は、発行時に借入金利として設定された利率で利息を支払うこと、および一定期間後(満期)に元本を返済することを約束する証券です。「債券投資」は、比較的、安定した収益を期待できる投資手段の1つとされています。
「債券投資」のリターンは、利息収入と債券価格変動の両方から得られます。
債券価格は、市場金利の変化によって変動します。一般的には、市場金利が上昇すると債券の価格は下落し、逆に市場金利が下がると債券の価格は上昇します。このため、「債券投資」においても市場環境によって、リターンは変動することになります。
「債券投資」には、社債や国債などの種類があります。社債は企業が発行する債券で、企業の信用力に応じて利回りが決定されます。また、国債は国や地方自治体が発行する債券で、償還能力が政府の信用力に依存します。
「債券投資」は、株式投資と比較して、リスクが低いとされています。しかし、債券発行元の信用力や債券価格変動リスクによっては、損失を被ることもあるため、投資家は充分な調査とリスク管理を行う必要があります。
また、債券投資は長期的な投資戦略に適しており、短期的な取引には向いていないとされています。
「債券投資」の利点としては前述のとおり、安定した収益を得られることや、株式投資との補完的なリスク分散効果があることが挙げられます。また、国債などの信用力の高い債券を選択することで、比較的安定した投資収益を得ることができます。
国債と社債を比べると、一般的には国債のほうが信用が高いので金利が低く、社債は国債より信用が低いので、金利が高く設定されています。
アメリカの国債への投資
アメリカの国債は、アメリカ政府が発行する債券であり、信用力が非常に高いため、安定した収益を期待できる安全な投資先と考えられます。また、アメリカ国債はドル建ての債券であり、ドルは世界的に広く流通しているので、流動性が高く、換金リスクが低いとされています。
アメリカ国債への投資のメリット
1. 信用力が高い
アメリカは世界最大の経済大国であり、世界的に信用力が高いため、アメリカ国債に対する信用度も非常に高くなります。
2. 安定した収益を期待できる
アメリカ国債は、発行時の金利が固定されているため、債券満期までの間、安定した収益が期待できます。
3. 市場リスクが低い
アメリカ国債はドル建ての債券であり、ドルが世界的に流通し、信用力もあるため、ドルの価値が大きく下がる可能性も低く、価格変動や為替変動などの市場リスクも低いとされています。
4. ポートフォリオの分散効果
アメリカ国債は、株式投資と比較して価格変動リスクが低く、株式とは異なった動きをするのでポートフォリオのリスク分散に効果的です。
アメリカ国債への投資での注意点
1. インフレリスク
インフレが発生した場合、満期までの利率が固定されているため、実質的な利回りが低下する可能性があります。この点については、どこの国の国債への投資でも同じことがいえます。
2.為替リスク
アメリカ国債はドル建ての債券ですが、投資家がドル以外の通貨で購入した場合、為替リスクがあります。ただし、これはすべての外貨建ての国債を購入する場合にいえることです。
総じていえるのは、アメリカ国債は比較的安全で、安定した収益を期待できる投資先ということです。
次回(その2)では、発展途上国の国債への投資のリスクを分析し、アメリカの国債に投資した場合と比べてきたいと思います。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
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