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「年収400万円」の住民税って高すぎませんか? 所得税の「2倍」もかかっている理由とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月14日 10時40分

「年収400万円」の住民税って高すぎませんか? 所得税の「2倍」もかかっている理由とは?

給与明細を見て「住民税って高すぎ!」と思ったことはないですか? 人によっては所得税の2倍天引きされている人もいるでしょう。同じ税金なのに、どうしてこうも金額が違うのでしょうか。   本記事では、年収400万円をベースに解説していきます。

どうして2つも税金を取られるの?

給与からは所得税と住民税の2種類の税金が引かれています。「どうして2つも取られるのか」と思いませんか? 理由は所得税が国税、住民税は地方税だからです。
 
税金は納付先によって国税と地方税に分かれます。その名称のとおり、国税は国に納める税金、地方税は住んでいる地方自治体に納める税金です。つまり、給与から天引きされている所得税と住民税は別物の税金なのですね。
 

住民税が高い理由

所得税と住民税が別物の税金であるということは、その計算も異なります。年収から給与所得控除と所得控除を差し引いた課税所得に税率を乗じるという基本的な流れは同じなのですが、乗じる税率が異なります。これが住民税の高い理由です。
 

住民税の税率は一律10%

住民税の税率は10%(道府県民税4%、市町村民税6%)です。例えば、課税所得が100万円だった人の住民税は10万円ということになります。
 
住民税はこの他、所得に関係なく定額で課される均等割5000円(道府県民税1500円、市町村民税3500円)がありますが、所得に応じないことと、金額が少額であることから本記事の計算では割愛します。
 

所得税の税率は超過累進税率

税率が一律である住民税に対して所得税は、課税所得に比例して税率も段階的に上がる超過累進税率(図表1)となっています。
 
例えば、課税所得が100万円だった場合の所得税率は5%であることから所得税は5万円、課税所得が500万円であれば所得税率は20%で、所得税は57万2500円(500万円×20%-控除額42万7500円)となります。
 
【図表1】


 
国税庁 No.2260 所得税の税率
 

年収400万円の所得税と住民税

それでは、年収400万円の人の所得税と住民税を計算してみましょう。所得控除は、社会保険料控除60万円、基礎控除48万円(住民税は43万円)のみの108万円(住民税は103万円)とします。
 

【所得税】

年収400万円-給与所得控除124万円-所得控除108万円=課税所得168万円
168万円×所得税率5%=8万4000円

【住民税】

年収400万円-給与所得控除124万円-所得控除103万円=課税所得173万円
173万円×住民税率10%=17万3000円

 
この場合、所得税は8万4000円、住民税は17万3000円となり、住民税は所得税の約2倍となりました。その理由は所得税率5%に対して住民税率は10%だからです。税率が2倍なので、税額も約2倍になるのですね。そして、所得税率が20%以上になると、住民税の方が安くなります。
 

まとめ

年収400万円の所得税率は5%、住民税率は10%であることから、給与から天引きされている住民税は所得税の約2倍となっています。
 
所得税率が20%になる年収700万円程度からは所得税と住民税は逆転し、住民税は所得税の約2分の1になるでしょう。
 

出典

総務省 個人住民税
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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