8割が「還暦の実感なし」という60歳、どれくらい貯めている?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月18日 9時20分
生きていれば、誰もが年をとるのは当然のこと。いずれは還暦を迎えます。総務省統計局によると、2023年に還暦となる人は、157万人となっています。 還暦を迎えると意識せざるを得ないものには定年退職が挙げられるでしょう。自営業者も含め、多くの人は老後の生活を送るようになります。 今回は、2023年が還暦の年となる人の意識や、資産の状況などについてみていきます。
2023年が還暦の年となる人の精神年齢と肉体年齢の実感
PGF生命は、2023年が還暦の年となる人を対象として「2023年の還暦人に関する調査」を実施しました。
同調査で、「還暦を迎えるという実感がわかない」にあてはまるかどうかを尋ねたところ、43.0%の人が「非常にあてはまる」と回答しています。34.9%が「ややあてはまる」と回答しており、あわせると8割近くもの人が還暦の実感が湧いていないことがうかがえます。
同調査では、自身の精神や肉体が何歳くらいであると感じているかについても尋ねています。精神年齢は「50〜54歳相当」と回答した人が29.3%で最多でした。つづいて「40〜44歳相当」で17.5%となっており、実年齢より20歳近くも精神的な若々しさを実感している人もいるようです。
肉体年齢に関しても、「50〜54歳相当」が30.0%と、最多となっています。肉体年齢は「55〜59歳相当」と回答した人の割合が25.2%と2番目に多く、3番目は20.3%で「60〜64歳相当」という結果でした。精神年齢に比べ、肉体年齢の方が、より実年齢に近い実感を持つ人が多いようです。
2023年が還暦の年となる人の貯蓄額は?
2023年が還暦の年となる人に貯蓄額を尋ねたところ、平均貯蓄額は3454万円でした。平均の数字だけをみると多額の金融資産を持つ人が多い印象を受けますが、もっとも多い回答は25.2%で「100万円未満」です。2000万円以上の貯蓄額を保有する人が全体の33.0%おり、そのうち1億円以上を保有する人も9.7%いるため、そのような人たちが平均貯蓄額を押し上げているのです。
貯蓄額が「100〜300万円未満」と回答した人も13.0%おり、100万円未満の人とあわせると、38.2%が300万円未満の資産額となります。人や世帯により状況はさまざまですが、こうした調査結果から、2023年が還暦の年となる人の金融資産額には大きな格差が生じているといえるでしょう。
生活費に必要な金額も増加傾向
還暦を迎えたあとの人生において、「生活費として最低限必要だと思う金額」を尋ねたところ、平均金額は1カ月あたり19万181円という結果でした。また、「ゆとりのある生活を送るために必要だと思う金額」の平均は、1カ月あたり27万8929円となっています。
過去の調査結果をみると、いずれも2022年までは2〜3年連続で減少傾向にありましたが、2022年の調査結果からは上昇しています。物価上昇による影響が大きいようです。
還暦を迎える頃には貯蓄額の格差が顕著に
2023年が還暦の年となる人は、精神年齢も肉体年齢も実年齢と比べて若いと感じる人が多いようです。そのためか、還暦を迎える実感が湧かない人が8割ほどいます。
還暦を迎える頃には、貯蓄額の格差が顕著になる傾向もみられます。平均貯蓄額は3000万円を超えていますが、300万円未満の人も4割弱と、決して少なくありません。
還暦以降の生活も見据え、収入源の確保や資産防衛の手段を検討する必要がありそうです。
出典
総務省統計局 1 卯(う)年生まれの人口は997万人
PGF生命 2023年の還暦人に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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