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結局、「児童手当拡充」はいつから?「年収1000万円」でも受け取れる? 増額分はどう使うべき?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月18日 10時10分

結局、「児童手当拡充」はいつから?「年収1000万円」でも受け取れる? 増額分はどう使うべき?

2023年6月13日に「こども未来戦略方針」が閣議決定され、「異次元の少子化対策」として、児童手当の拡充などが発表されました。   具体的には、所得制限を撤廃、高校生年代まで支給期間を延長、多子世帯への増額(第3子以降3万円)が拡充の内容となります。特に、所得制限の撤廃や多子世帯への増額は、1ヶ月に数万円程度の収入増になるので、歓迎している人も多いはずです。   しかし、結局、児童手当はいつから拡充されるのでしょうか? また、拡充による増額分をどのように活用していけばよいのでしょうか? 本記事では、これらについて解説します。

児童手当の拡充はいつから実施される?

児童手当の拡充は、現時点では、2024年10月分から実施する予定とされています。児童手当は、原則として、毎年6月、10月、2月にそれぞれ前月分までの手当が支給されます。
 
つまり、児童手当の拡充による増額分が実際に手元に届くのは2025年2月が最初ということになります。まだ随分先のことだとがっかりされた人もいるかもしれません。政府では今後、必要な法改正、システム改修等を迅速に行っていくとされています。
 

年収1000万円でも児童手当がもらえる?

今回の児童手当の拡充により、所得制限が撤廃されることはとても意義深いです。今まで所得制限にかかっていた人は、「年収1000万円の自分でも、本当に児童手当を満額もらえるようになるのだろうか」とうれしく感じている人もいるのではないでしょうか。
 

所得制限の撤廃

そもそも、現在設けられている所得制限とはどのようなものなのでしょうか? 現在の制度では、主たる生計者の年収が960万円以上1200万円未満の場合、月額5000円の支給へと減額され、年収1200万円以上の場合、児童手当自体が支給対象外となってしまいます(例:子ども2人と年収103万円以下の配偶者のパターン)。
 
いわゆる「高所得者」に該当していたとしても、必ずしも子育てにじゅうぶんお金をかけられているとは限りません。今回、所得制限が撤廃されることで、すべての子どもへ平等に支援が行き届くことになると考えられます。
 

高校生年代への支給期間延長には注意が必要

ただし、1つ注意が必要です。高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある人)への児童手当の延長です。延長自体は喜ぶべきことなのですが、延長にともない、その児童を扶養している人が受けている税制上の扶養控除が見直される可能性があります。
 
年収の高い人にとっては、児童手当を受け取れたとしても、扶養控除が受けられなくなることにともなう所得税や住民税の税負担のほうが大きく、かえって負担増になってしまう可能性があります。
 

増額分はどのように活用する?

児童手当の拡充により、多くの人は増額分を受け取ることになります。そして、この増額分をどうするべきかと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。「投資したほうがよいのか」と考える人も多いかもしれません。
 
確かに、NISA制度などを利用して投資を行い、大学進学時の出費に備えるというのも1つの活用法です。ただし、無理に投資に回そうとせず、習い事など今必要な出費の支払いに活用しても問題ありません。
 
中学生くらいになるとお金のことも理解できるので、増額分の使い道を子どもと一緒に考えてみるというのもおもしろい活用法です。
 
今回、児童手当の増額があったことを子どもに伝え、何に使うべきかを一緒に考えてみましょう。社会制度を知るきっかけになりますし、習い事に使うか貯蓄するか、自分である程度のお金の使い道を決めるという経験は、将来役に立つことでしょう。
 

出典

内閣官房こども未来戦略会議 「こども未来戦略方針」 ~ 次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて ~
 
執筆者:柳沢俊宏
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、ワイゼットFPオフィス代表

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