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亡くなった親に「1000万円」の借金が発覚! 相続しないとダメですか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月18日 10時30分

亡くなった親に「1000万円」の借金が発覚! 相続しないとダメですか?

親が亡くなったとき、相続する財産は預金や不動産といった「プラスの財産」だけとは限りません。借金のような「マイナスの財産」が見つかることもあります。例えば亡くなった親が1000万円といった高額な借金をしていたことが分かったら、その借金も相続しなくてはならないのでしょうか。

「相続放棄」で相続の権利や義務を放棄することも可能

結論から言うと、亡くなった親に1000万円の借金があったことが発覚した場合、「相続放棄」することでその借金を放棄することもできます。相続放棄とは、相続の権利や義務を放棄する相続人の権利です。
 
ただし相続放棄を選んだ場合、マイナスの財産だけでなく預金や不動産などプラスの財産も相続できません。プラス・マイナスに関わらず、被相続人(財産を残して亡くなった人)の財産を一切合切相続しないというのが、相続放棄のルールなのです。「借金はあるけど、不動産だけは相続したい」というような、都合のいい選択はできません。
 
なお、相続放棄は、他の相続人がいても単独で選べます。また相続放棄をしても、死亡保険金や死亡退職金、遺族年金を受け取ることは可能です。
 

相続人全員の同意が必要だが「限定承認」という方法もある

何か相続したい財産があり、相続放棄をしたくないときは「限定承認」を選ぶ方法もあります。限定承認とはプラスの相続遺産で支払える範囲で、借金などマイナスの財産を引き継ぐ相続の方法です。
 
例えばプラスの財産が2000万円ある場合、負債が2500万円あることが発覚しても、2000万円まで返済すればよいことになります。今回の例で親の死後に1000万円の借金があることが分かっても、その他の財産が2000万円あれば、2000万円-1000万円で1000万円がプラスになるわけです。
 
限定承認を選べば、相続放棄と違い借金の相続を一切しないでよいわけではないものの、相続する財産がマイナスになることはありません。ただし限定承認は、単独で選べる相続放棄と異なり、相続人全員の同意が必要となります。
 
限定承認は、プラス・マイナスの財産がどのくらいあるか分からない場合や、相続したいプラスの財産があるときに適した選択肢です。
 

相続放棄・限定承認に関する注意点

相続放棄・限定承認ともに、相続が開始されたこと(親が亡くなったこと)を知ってから、3ヶ月以内に手続きをする必要があります。
 
また、例えば貴金属など高価な遺産を持ち帰るなど、遺産を処分した場合は相続放棄の権利を失う点も注意してください。相続遺産を使って、葬儀を行うことは問題ありませんが、不自然なほど豪華な葬儀を行った場合は、遺産を処分したとして相続放棄の権利は失われます。
 
相続放棄や限定承認を行う場合は、家庭裁判所に申述書を提出して受理される必要があります。
 

まとめ

親の相続遺産に高額な借金があったら、相続を放棄することができます。放棄したい場合は、なるべく早めに相続放棄や限定承認の検討をしましょう。何もせずにいて、相続の開始を知ってから3ヶ月を経過すると、相続放棄・限定承認の権利が失われ、借金も引き継がないといけなくなってしまいます。
 
執筆者:小泉健太郎
FP2級

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