定年後の生活費が爆上がり? 節約ダメダメ夫に物申す! 「ラテマネー」にもほどがある
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月19日 3時0分
定年後、夫がずっと家にいる状態になると、見えてくることがたくさんあります。お金の使い方もそのひとつです。これまでは見て見ぬふりをしてやり過ごしてきたことも、もう黙っていられません。 本記事は筆者の実体験をもとに、夫の定年後の生活について考えてみます。
夫の定年後に生活費が爆上がりの危険
食料品などの値上げが相次ぎ、家計の負担が増えています。こんなときこそ、無駄を省いて値上げに対抗する措置を講じる必要があります。
さて、今回の本題である節約ダメダメ夫の定年後です。これは実は、筆者の夫のことで、昨年定年を迎えました。現役時代は時間や手間の節約が必要だと、効率を考えてタクシーを利用することもありますし、割高だと分かっていても自販機や近所のコンビニで飲み物を買うこともありました。
この生活が身についている夫の行動は、何軒かのスーパーを使い分けて買い物をしている筆者には理解できない、というよりも我慢できないことが多々あります。
一緒に買い物に行く機会が増えて、出費がかさんでいます。行き先はデパートではなくスーパー、つまり日々の買い物です。荷物持ちをしてもらえることには感謝していますが、このままでは問題と感じています。夫の言い分は「自宅での食事の回数を考えると増えて当然じゃない?」ですが、肌感覚的には使い方に問題アリと思い、原因を観察することにしました。
その結果、問題行動として下記の3つを挙げてみました。
(1) 毎日買い物に行く ~行くと無駄遣いの誘惑が増える〜
時間に余裕ができたことで、散歩の帰りなどに2人で買い物に行くことが多くなりました。今日の献立は今日の気分で決めるため、結果的に毎日買い物に行くことがルーティンになってしまっています。
(2) レジかごをカートにのせて買い物 ~必要以上に買ってしまいロスにつながる危険〜
1人で買い物に行く場合は、持てる量を調整するので「次回にしよう」というブレーキが働きますが、カートにのせると入れやすさも手伝って購入量が増える傾向にあります。
(3) 店内をウロウロする時間が長くなる ~買い置きと称して嗜好品の買う量が増える〜
上記すべての行動に共通することは、無駄遣いにつながるということです。買い物は、NEEDとWANTに分類することができます。NEEDは必需品です。さらに他のモノで代用するなどの工夫で削ることも可能ですが、今回ここは言及しないでWANTに絞ります。
これは欲求消費で、スーパーの買い物では、アルコールやお菓子などの嗜好品が代表例です。「安かったから」「ついでに」「買い置き」という枕ことばのもとに買ってしまうと無駄遣いにつながります。
定年夫と一緒に買い物に行くという方は、これらに思い当たる節があるのではないでしょうか。わが家と同様に、改善に目覚めることをお勧めします。改善の参考に、無駄のない買い物トライアングルと筆者が考える一例は、図表1のとおりになります。
図表1
筆者作成
1杯のコーヒーが老後資金350万円に匹敵!?
「ラテマネー」とは、アメリカの資産アドバイザーが著書のなかで使用した言葉です。コーヒーショップで、コーヒー(ラテ)を購入する場面を想定してください。1杯のラテは少額ですし、「ちょっとひと休み」の息抜きには最適かもしれませんが、家計にとっては打撃になる可能性があります。
例えばコーヒー1杯300円として、この購入が毎日の積み重ねになれば、1ヶ月で300円×30日=9000円、1年では300円×365日=10万9500円です。さらにたまにはサイズを大きくしたりグレードアップさせたりしたいと、もう少し高い値段のものを購入するかもしれません。少額でもバカにならない消費額になってしまうという意味を示しています。
定年後は、公的年金で不足する生活費などを、これまでに準備した老後資金を取り崩して補うことが基本となります。先のラテマネーの例では、年間約11万円です。これに25年間で計算したら、11万×25年=275万円です。「老後に必要な資金は2000万円」という数字がありましたが、この275万円を計算すると1杯300円のコーヒー代が、いかに大きな支出につながるかが分かります。
ちょっとした消費を削減するための、ちょっとした提案
在宅では麦茶を作って冷蔵庫に入れているので、ペットボトルのお茶を飲むことはありません。ところが夫は、500ミリリットルサイズのペットボトルのお茶をスーパーで買っており、「ここで買うとコンビニより安いでしょ」と、節約に貢献しているアピールをしています。“夜中に起きたときに飲みやすい”という理由らしいのですが、この執筆中にマイボトルへの切り替えを提案しました。
スーパーのお菓子売り場で、母親が子どもに「お菓子はひとつよ」と選ばせている光景を見かけます。お菓子などの嗜好品は、生活習慣病の根源にもなります。「節約のため」ではなく、「ダイエットを始めよう!」からアプローチするつもりです。「お菓子は1週間に3つ」の提案から始めてみようかと思っています。
筆者の家庭では、「これらの改善策でどれだけの無駄遣いが減らせるのか」おもしろい実験になりそうです。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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