新NISA制度導入の準備 まずは現行制度との違いを知りましょう!
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月22日 2時30分
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2024年1月から新NISA制度がスタートすることは、多くの方が周知のことと思います。また、現在既に一般NISAやつみたてNISAで運用している方も多いと思います。新NISA制度が始まることで、現在運用している資産はどうなるのか、新NISAに移管できるのか、などと疑問に思っている方もいると思います。 ここでは、新NISA制度と現行制度との違いを中心に、復習を兼ねて再確認します。
新NISA制度のポイント
まずは、新NISA制度の主なポイントを復習してみましょう。
(1)非課税保有期間の無期限化
一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間であった非課税保有期間が、新NISAでは無期限化されます。
(2)口座開設期間の恒久化
現行NISAで2023年末までであった口座開設期間が、新NISAでは恒久化されます。
(3)つみたて投資枠と成長投資枠が設定され、両者を併用可能
現行のつみたてNISAと一般NISAは、いずれか一方のみを選択して利用していましたが、新NISAでは「つみたて投資枠(現行のつみたてNISA)」と「成長投資枠(現行の一般NISA)」 の、2つの投資枠を併用することができます。
(4)年間投資枠の拡大
つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年240万円と、合計して年間最大360万円まで投資が可能となります。
(5)非課税保有限度額も拡大
新NISA制度全体で、1800万円が非課税保有限度額となります(そのうち、成長投資枠の上限は1200万円)。
押さえておきたい現行制度との違い
現行の一般NISAやつみたてNISAで資産運用をしている方が、特に押さえておきたい現行制度との主な違いは、以下のとおりです。
(1)非課税保有限度額のカウントの違い
現行制度の非課税保有限度額は、一般NISAで最大600万円(120万円×5年)、つみたてNISAで最大800万円(40万円×20年)となっていました。この金額のカウントは、いわゆる買付額ベースでの管理であったため、商品を売却した場合でも枠の再利用はできませんでした。
これに対して、新NISAでは限度額が買付け残高(簿価残高)でカウントされることとなるため、商品を売却した分の残高が非課税投資枠として再利用できるようになります。
なお、利用者ごとの非課税限度額は、国税庁で一括管理するとのことです。
(2)つみたて投資枠と成長投資枠の使い方
新NISA制度のもとでは、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円までと定められた年間投資枠を基本として、非課税保有限度額1800万円を使うことができます。例えば、つみたて投資枠だけで1800万円を全て使い切ることも可能です。また、つみたて投資枠を使わずに成長投資枠だけを利用することも可能ですが、この場合の非課税保有限度額は1200万円までとなります。
(3)現行の一般NISAやつみたてNISAの資産を、移管(ロールオーバー)することはできない
現行制度の資産はすぐに売却しなくてはならないわけではなく、これまでどおり一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間、非課税で保有することができます。もちろん、売却することも自由ですが、新NISA口座にロールオーバーすることはできません。
(4)現行NISA口座を保有している場合は、新NISA口座が自動設定される
既にNISA口座を保有し、運用している方の場合は、手続きが煩雑にならないよう、新NISAの口座(つみたて投資枠と成長投資枠)が自動で設定されます。
(5)成長投資枠の対象商品が一部制限される
新NISAのつみたて投資枠の対象商品は、現行のつみたてNISAと同様となります。
成長投資枠については、一部除外する商品として、①整理・監理銘柄、②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等が挙げられています。そのため、これまで該当する毎月分配型などの投資信託に投資していた場合には、継続して同じ商品を購入できないケースもあります。
まとめ
2023年の年末に近づくにつれて、新NISA制度スタートの話題や、証券会社等による勧誘や宣伝も、活発化してくることと思われます。
現行NISAと新NISAとでは、大きく仕組みが変更されており、ある意味では別々の非課税枠を持った2つの制度といえます。つまり、現行制度を利用しているか否かにかかわることなく、新制度で新たに最大1800万円の非課税投資枠を利用できるということです。
慌てて、現在の資産を全て売却して移管する必要はありません。じっくりと知識を整理して、見極めながら運用していきましょう。
出典
金融庁 新しいNISA
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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