現役時代の年収が「350万円」だった会社員は、老後いくらの年金を受け取れる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月22日 10時20分
![現役時代の年収が「350万円」だった会社員は、老後いくらの年金を受け取れる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_221660_0-small.jpg)
会社員が将来受け取る年金は、現役時代の年収によって異なります。それゆえ、多くの会社員は「自分は将来いくら年金を受け取れるのだろう」と気にしているようです。 今回は現役時代の年収が350万円だった方が、将来受け取るであろう年金の見込み額について考えてみます。
現役時代の年収が350万円の会社員が受け取る年金は?
厚生労働省の「公的年金シミュレーター」によると、現役時代の年収が350万円の会社員(1981年5月1日生まれの方が、23歳から65歳まで働くと仮定)が、65歳から受け取る年金額は、年間160万円となります。毎月13万3000円程度の年金を受け取れることになります。
ただし、この数値は現役時代の「平均年収」が350万円だった場合です。「最高年収」が350万円だったという場合は、この金額よりさらに小さくなります。
例えば、23歳から35歳までは年収250万円、36歳から50歳までは300万円、51歳から56歳までは350万円、57歳から65歳は320万円というような場合、年金額は151万円にまで減少します。
会社員が将来受け取る厚生年金は、基本的に加入期間の長さや、その間の平均年収によって変動するため、このように年収による差がつくのです。
毎月13万3000円の年金って、ほかの人と比べてどうなの? それだけで生活できる?
厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、令和3年度末時点で厚生年金の平均受給月額は、およそ14万6000円となっているようです。それを考えると、月々およそ13万3000円という年金額は、平均よりもやや少ない金額となりそうです。
また、この金額での老後の生活は、人によってはやや厳しいものになりそうです。総務省の「家計調査報告(家計収支編)」によれば、65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の支出は15万5495円です。単身者であっても、約13万3000円の年金では、2万2000円以上不足する計算となります。
図表1
出典:総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
これが夫婦となると、1ヶ月の支出が26万8508円となります。
図表2
出典:総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
配偶者の年金額がいくらかにもよりますが、少なくとも自分自身と同程度なければ、年金だけで一般的な高齢夫婦の生活を送ることは難しいでしょう。
とはいえ、老後に年金だけで生活することは、一般的ではないようです。単身世帯および夫婦ともに、年金などを含めた社会保障給付だけでは不足する部分が生じています。不足分については就労したり、それまで築いてきた老後資産の切り崩しなどで対応したりしていることが想定されます。
今、年収350万円の会社員は老後に向けてどうするべき?
将来の年金が13万円しかもらえないからと、今から慌てる必要はありません。落ち着いて、今できることを一つずつ、将来のために行っていけばよいのです。例えば有効な対策の一例として、iDeCoやつみたてNISAを実施して、老後資産を形成していくという方法があります。
もし、iDeCoやつみたてNISAを始めることが難しい場合や、既に老後が差し迫っているというような状況であれば、老後もできるだけ働き収入を得るようにしたり、年金の受給開始時期を遅らせることを検討したりするのも有効です。
特に、年金の繰り下げは有効です。年金は65歳以降、受け取り時期を1ヶ月繰り下げることによって、年金の受給額を0.7%増加させられます。繰り下げは75歳まで行えるため、最大で84%増額させることができます。もし75歳まで繰り下げた場合、1ヶ月当たり13万3000円程度だった年金額は、24万5000円程度となります。
現役時代の平均年収が350万円の会社員が将来受け取る年金額は、13万3000円程度
現役時代の平均年収が350万円の会社員が将来受け取る厚生年金額は年間160万円程度、月額換算で13万3000円程度と想定されます。これだけでは、老後も生活していくのには心もとない金額です。ただ現実問題、多くの方が年金だけに頼らず、就労して収入を得たり、資産を切り崩したりして生活していることが想定されます。
それを踏まえ、もし「将来は年金だけで生活できないだろう」と感じたときは、今からでも資産形成をするなど、できることから老後への備えを行っていくようにしてください。
出典
厚生労働省 公的年金シミュレーター
厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:柘植輝
行政書士
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
30歳会社員です。老後の生活費に「2000万円」不足すると聞きました。今から「貯金」するなら、月いくら必要でしょうか? 年金は妻と2人で「月23万円」の見込みです
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月23日 10時0分
-
63歳、夫婦で「2000万円」貯めました。年金額は2人で「月23万円」ですが、これで100歳まで問題なく生きていけるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月10日 10時0分
-
現在48歳で「年収600万円」です。退職金は「1500万円」ほどもらえるのですが、定年までにいくら貯蓄があれば専業主婦の妻と2人で生涯暮らしていけますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月9日 3時0分
-
老後「年金だけで暮らせる」40代の割合は? 必要な金額とあわせて解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月6日 3時0分
-
定年後は最低でも「月15万円」の年金がほしいです。40歳で「年収300万円」ですが、それだけ受け取るために収入をいくら増やす必要がありますか? 今後も独身の予定です
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 4時40分
ランキング
-
1RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
-
2だからファミリー客が次々と来店している…快進撃を続ける「丸源ラーメン」と競合チェーンの決定的違い
プレジデントオンライン / 2024年7月25日 10時15分
-
3日経平均は7日続落し1200円超安、今年最大の下げ 米株安・円高進行で
ロイター / 2024年7月25日 15時38分
-
4日経平均は続落で寄り付く、一時1000円超安 米株安と円高嫌気
ロイター / 2024年7月25日 9時36分
-
5昨年度の郵便事業896億円の営業赤字、前年度の4倍超…封書やはがき減収・集配や運送委託費増
読売新聞 / 2024年7月25日 18時13分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)