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「奨学金の返済」が不安で借りられない…。奨学金は本当に優れた制度なの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月24日 10時20分

「奨学金の返済」が不安で借りられない…。奨学金は本当に優れた制度なの?

「大学進学にあたり奨学金を利用したいが、返済が不安」。そんな高校生やその保護者からの相談をよく受けます。その中で、判断のために奨学金の良い点を知りたいと言われることも少なくありません。そこで、日本学生支援機構の奨学金を例に、奨学金が優れた制度であるといえる点を解説します。

奨学金は大学進学のハードルを下げることができる

大学進学における大きなハードルに、学費の存在があります。4年間通うと学費だけで国立でも数百万円、私立なら400万円以上かかるということも珍しくありません。遠方の大学に一人暮らしをして通うとなれば、家賃などでその倍のお金が以上かかることもあります。
 
それに伴う家計への負担は、かなり大きなものです。世帯によっては、やむなく進学を諦めたり進学先を変更したりということもあるほどです。
 
そんなとき奨学金を利用すれば、家計から学費を捻出することが難しくとも希望に沿った進学が実現できる可能性もあるのです。将来的な返済の負担はあれど、大学進学が現実的なものになるというメリットは非常に大きなものになります。
 
参考までに、無利子の第一種奨学金なら、基本的に毎月最大6万4000円、有利子の第二種奨学金なら毎月最大12万円借り受けることができます。返済不要の給付型なら、最大で7万5800円の給付を受け取ることが可能です(私立大学の医・歯・薬・獣医学の課程の場合、さらに月額が加算される場合があります)。
 

返済の負担が極力軽減されるよう図られている

奨学金は返済が必要でも、第一種奨学金であれば無利子であり、利子について気にすることなくじっくり返済していくことができます。有利子の第二種奨学金でも、利率は0.5%から3%と非常に小さく、返済時の軽減が図られています。
 
例えば大学4年間、毎月8万円を借り受けた場合の毎月の返済額を見てみると、1万6855円から2万1531円となっています。また、経済的に余裕があれば、繰り上げ返済も可能です。それによって第二種奨学金における利息を減らすことができます。
 
それだけではなく、失業や収入減少、災害、傷病などで経済的に厳しい状況のときは返済期限について猶予を受けたり、返済額を減額したりすることもできます。このように、奨学金は返済が過度な負担とならないよう条件が設定されています。返済を気にすることは大切ですが、かといって必要以上に返済について気にするのもあまりよくないでしょう。
 

奨学金の利用は将来の幅を広げることができる

学歴が高ければ必ず成功するわけではありませんが、統計上学歴が高いほうが収入も高い傾向にあります。参考までに厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、高卒の平均年収はおよそ434万5500円、大卒は587万1900円と、140万円以上の差がついています。
 
また、求人でも募集要項に学歴が大卒以上とされているものも少なくありません。
 
大学生活をどう過ごすかは本人次第ではありますが、奨学金を利用して大学進学することは、将来の幅を広げるチャンスになり得ます。
 

奨学金について過度に抵抗を感じる必要はない

奨学金は原則返済が必要な制度ですが、返済不要な給付型奨学金のほか、無利子の第一種奨学金もあります。返済についても負担になることがないよう、状況に応じて返済額の減額や返済の猶予なども可能となっています。
 
返済のことまで想定して奨学金を借りることは大切なことですが、意識しすぎて消極的になりすぎるのももったいないことです。
 
奨学金は、うまく利用することで、将来の可能性を大きく広げられる制度です。奨学金の返済について不安になったときは、奨学金制度の優れた点についても目を向け、広い視点から考えてみてください。
 

出典

e-Stat 令和4年賃金構造基本統計調査

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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