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退職金が「2000万円」の場合、一括で受け取るほうが「お得」? 注意点についても解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月24日 10時10分

退職金が「2000万円」の場合、一括で受け取るほうが「お得」? 注意点についても解説

人生100年時代と言われる中、長い老後の生活資金を支える主なものとして、年金と退職金が挙げられます。年金も退職金も、基本的には税金がかかります。とはいえ、退職金は一括で受け取る方が税務的には得になる場合が多いです。   本記事では退職金の意味合いや相場を確認したうえで、退職金を一括で受け取った場合にどれくらいの税金が発生するのか、また注意点についても解説します。

退職金の意味合い

そもそも、企業が退職金を支払うことは法律上の義務ではありません。そのため、会社で退職金制度を設けていなければ、会社としては支給する必要性はありません。しかし、多くの会社では退職金制度を導入しています。
 
退職金の意味合いとしては、「功労報酬」と「賃金後払い」があります。
 
「功労報酬」とは、長年会社のために働いた社員に対するお礼の意味合いです。また、「賃金後払い」は、本来給与や賞与で支払うべき賃金を、社員を会社にとどめ、また社員の退職後の生活資金のために会社が預かっているという意味合いを持ちます。
 

退職金の相場

中央労働委員会の「令和3年賃金事情等総合調査」によると、大企業の平均退職金は、満勤勤続の場合大卒で2230万4000円、高卒で2017万6000円です。
 
一方中小企業ですが、東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情」を参考に見ていきます。こちらは大卒では1091万8000円、高卒では994万円です。
 
退職金については、同規模においては大卒と高卒でそれほど大きな差はないものの、企業の規模によって大きな開きがあることが分かります。
 

退職金は一括で受け取ると大きな控除が受けられる

退職金は一括で受け取るイメージが強いかもしれませんが、企業によっては分割で受け取れる場合もあります。受け取り方によって所得の種類が変わり、一括の場合は退職所得、分割の場合は雑所得です。
 
一括で受け取る退職所得の場合、次のような「退職所得控除」という非課税枠が適用されます。

<退職所得控除>

・勤続年数20年以下 40万円×勤続年数(80万円未満は80万円)
・勤続年数20年超  800万円+(勤続年数-20年)×70万円

例えば、大卒の22歳で入社し、38年間大企業で働き、平均的な退職金である2230万4000円を受け取った場合、退職金にどれくらい税金がかかるのか見ていきましょう。
 
退職所得控除は、800万円+(38年-20年)×70万円で、2060万円です。そのため、課税対象は2230万4000円-2060万円の170万4000円です。課税退職所得が170万円4000円であれば、税率は5%ですので、税金の負担は8万5200円です。
 
もしも退職金を分割で受け取ると、公的年金等の控除額が適用されるものの、控除額はここまで多くなく、他の所得と合わせて課税されます。そのため、基本的には税金のことを考えると、退職金は一括で受け取る方が、税金の負担が少なく得と言えます。
 

退職金を一括で受け取る際には、使い方に注意しよう

退職金を一括で受け取る際に注意すべきことは、大金を一気に使いかねないという点です。一度に数千万円が銀行口座にあると、ついついぜいたくをしてしまうかもしれません。
 
高級車を買ったり、住宅をリフォームしたり、ぜいたくな旅行をしたりなどと使い続けているとあっという間に退職金は無くなってしまいます。そのようなリスクを減らし、今まで通りの生活を送りたいのであれば、税金の負担がトータルで増えたとしても、退職金を分割で受け取った方が良いかもしれません。
 
退職金は老後を支える大切な資金です。老後の働き方や年金などの収入面と、生活費や趣味などの支出面を考慮し、使い方をしっかり考えておきましょう。
 

出典

中央労働委員会 令和3年退職金、年金及び定年制事情調査
東京都産業労働局 令和4年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果の概要
国税庁 退職金と税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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