「年100万円」までなら贈与税がかからないって本当ですか? 父から「相続税対策」で毎年100万円もらえるかもしれません…
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月24日 10時20分
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父から子に年100万円を贈与する場合、基本的に贈与税は発生しません。なぜなら、贈与税を計算する際、贈与財産から基礎控除額として110万円が差し引かれるからです。これを暦年課税(暦年贈与)といい、相続税対策としても知られる方法です。 ただし、制度の内容を正しく理解していないと税金が課されることもあるため、注意しましょう。ここでは、暦年課税の概要や注意点について解説します。
暦年課税は毎年110万円まで非課税で贈与できる制度
暦年課税とは、1年間に贈与した金額が110万円以下なら贈与税がかからない制度のことで、暦年贈与ともいわれます。たとえば、親が3人の子どもに毎年100万円ずつ贈与したとしましょう。
それぞれの子が受け取る金額が年間110万円以下のため、贈与税は発生しません。親は300万円の資産を非課税で移動できたことになります。生前に財産を減らすことで、将来発生する相続税を軽減する対策としても有効です。贈与額が110万円以下であれば、贈与税の申告も要りません。
ただし、複数人から贈与を受け合算して110万を超える場合は、超過金額が課税対象となるので注意しましょう。たとえば、父から100万円・祖父から50万円の贈与を受けた場合、150万円となり、110万円を超えた40万円に対して課税されます。
贈与者が亡くなった場合、推定相続人への贈与に対しては3年前までさかのぼって相続税の課税対象となることも知っておきましょう。たとえば、父親が亡くなるまで毎年100万円ずつ受け取っていた場合、300万円が相続税の課税対象です。また、2023年に税制が改正され、2024年1月1日以降は3年間が7年間に延長されることが決定しています。
暦年課税は定期贈与とみなされない対策をとるのがおすすめ
税務署によって暦年課税が定期贈与とみなされることもあるので、注意しましょう。定期贈与とは定期的に決まった金額をわたす贈与のことで、課税対象です。たとえば、父が子に「500万円を毎年100万円ずつ5回に分けて譲る」と約束したとしましょう。
この場合、子が「5年間にわたり100万円ずつ受け取る権利」の贈与を受けたと解釈され、贈与税が発生します。暦年課税する場合は、定期贈与とみなされないように対策したほうがよいでしょう。
たとえば、以下のような対応が考えられます。
・毎年贈与契約書を作成する
・贈与の金額は一定にせず、年によって変える
・毎年、贈与のタイミングをずらす
「約束に基づいて定期的に一定額を贈与しているわけではない」と税務署に証明できるように準備しておくことが大切です。
暦年課税と相続時精算課税制度の併用は不可
贈与税の課税方法には、暦年課税のほかに「相続時精算課税」があります。両者は併用できません。相続時精算課税制度とは、2500万円までなら贈与税がかからず財産が受け取れる制度です。
贈与者が60歳以上の祖父母や両親、受贈者が18歳以上の子や孫の場合に適用されます。2500万円を子1人に非課税でわたそうとすると、暦年課税の場合は23年かかるでしょう。相続時精算課税制度を利用すれば、多額の財産を贈与税なしですぐに移動できます。
ただし、贈与者が亡くなった際は、相続財産に贈与された財産を足して相続税を算出する必要があります。とはいえ、相続税の基礎控除額の範囲内であれば課税されません。相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人数」で計算します。また、贈与された財産は受け取ったときの価額を用いて算出します。
一度相続時精算制度を選ぶと、その後は暦年課税与が利用できなくなるため、どちらがよりお得になるかよく検討して決めましょう。
暦年課税は年間の贈与が110万円までなら非課税となる制度
暦年課税は毎年の贈与額が110万円以下であれば課税されない制度のことです。税務署が定期贈与とみなすと課税対象になるため、「毎回贈与契約を結ぶ」「毎年の贈与の時期や金額を変える」といった対策をとるとよいでしょう。暦年課税と相続時精算課税制度は併用できないため、贈与時にはどちらを利用するかよく検討して選ぶことも大切です。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
国税庁 令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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