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閉店後、レジのお金が合わず退勤できませんでした。「残業代」は支払われますか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年7月25日 2時20分

閉店後、レジのお金が合わず退勤できませんでした。「残業代」は支払われますか?

現金を扱うお店では、釣り銭ミスなどが起こりやすいものです。レジを締めたときにお金が合わないと、なかなか帰れなくなることもあるでしょう。原因を調べていて退勤が遅れると、残業することになります。レジのお金が合わないのは責任を感じやすい問題です。   本記事では、自分に落ち度があった場合でも残業代は請求できるのかどうか、解説します。

レジのお金が合わないときの残業代は?

結論からいえば、レジのお金が合わないことを理由に雇用側は残業代の支払いを拒むことはできません。仕事をしていれば、誰しもミスによって業務に遅れが出ることはあります。ミスといっても内容や大きさはさまざまです。会社に大きな損害が出るほどの重大なミスもあれば、日常的に起こり得る些細なミスもあるでしょう。レジのお金が合わないのは後者に入ります。
 
釣り銭の渡し間違いなどは、現金を扱っていれば日常的に起こりやすいミスです。想定の範囲内と考えることができますし、残業代を支払わないほうが問題になります。
 
もしも、お金が合わないことを理由に残業代を支払わないことがあれば、会社は行政指導を受けるでしょう。会社にとって指導を受けるほうが損失です。現金と売り上げが合わないために退勤が遅れても、残業代を諦める必要はありません。
 
レジのお金が合わないために無償残業を強いられたときは、管轄の労働基準監督署に相談する必要があります。終業時間で一旦タイムカードに打刻するよう指示される場合も同様です。レジのお金が合わないのは、お店全体の責任になります。レジを締める人だけが責任を問われ、残業代をもらえないのはおかしいと考えるのが一般的です。
 

レジの現金が不足しているときは、自腹で負担しなければいけない?

レジのお金が合わないとき、差額をスタッフが負担するのも問題です。実際には、状況によって負担するかどうかは変わってきます。
 
釣り銭をわざと多めに渡すなど、故意にレジのお金が合わないよう操作したのであれば、店に対して損害賠償責任が発生します。その場合は、差額分を負担する形で賠償するのが原則です。店のルールに従わないために発生したお金の相違も、基本的には負担すると考えたほうがいいでしょう。
 
例えば、釣り銭を渡す前に客から受け取ったお金をレジに入れてしまうなどの行為です。実際は5000円受け取っていたのに1万円預かったつもりで釣り銭を渡してしまえば、お金が合うはずはありません。
 
こうしたトラブルを防ぐために、現金の受け渡しについてルールを設けている店は多いものです。ルールを無視していて現金の不足が起こったときは、責任を問われても仕方ないでしょう。しかし、ルールにしたがっていながら起こった過失については、賠償責任は負わないのが一般的です。
 

レジのお金が合わずに残業したときも残業代の請求はできる

レジを締めて売り上げと現金が合っていないと、自分に責任があるように感じる人もいるでしょう。または、従業員に責任を求める雇用者もいます。
 
しかし、レジの現金で過不足が出るのは、業務上起こり得るトラブルの1つです。レジの誤差で残業をしたときは、残業代をもらう権利があります。たとえ明確に自分が起こしたミスでも、残業代は請求できます。
 

出典

日本労働組合総連合会 労働相談Q&A 9.業務上のミスに対する損害賠償責任
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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