契約や領収証で使う収入印紙。そもそもどこに貼るものなの? パスポートの申請時は?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月27日 22時0分
![契約や領収証で使う収入印紙。そもそもどこに貼るものなの? パスポートの申請時は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_222951_0-small.jpg)
個人事業主やフリーランスの方は、例えば契約書を交わした時や、高額の商品を買った時の領収証などに、収入印紙を貼り付けることがあります。そもそも収入印紙はどのような場合に貼るのか、貼る金額はどうやって決まるのか、貼るべき書類に貼らないとどうなるのか、印紙税も含めてみていきましょう。
そもそも収入印紙とは
収入印紙とは、租税や手数料、その他の収納金徴収のために政府が発行している証票です。額面1円から10万円までの31種類があります。購入は法務局や郵便局、コンビニ等で購入できます。ただし、法務局と郵便局以外には200円の収入印紙しか置いていないことが多いので、それ以外の価格の収入印紙を購入したい場合は注意が必要です。
どのような場合に使うものなの?
収入印紙が使われるケースは、多くの場合、金銭的な契約取引に伴って作成される契約書や領収証などの「課税」文書に貼付し、それを「消印」することによって印紙税を納付した証明とする時です。課税文書に該当するかどうかの判断は、その契約書の記載内容に基づいて判断します。
例えば、契約書の題名が「業務委託契約書」となっていても、契約書の内容が“請負”についての記載になっていれば、それは「業務委託契約書(非課税文書)」ではなく「請負契約書(課税文書)」ということになってしまいますので注意が必要です。
どのような文書に課税されるの?
課税文書となるのは以下の文書です。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2023/07/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-33.jpg)
収入印紙を貼っていなければどうなるの? 誰の負担になるの?
収入印紙が必要となるのは納税をしなければならない内容の契約書を作った場合のみですが、そうしたケースを想定し、納税義務に関する規定にあたる「印紙税法第三条」では、以下のような旨が記載されています。
・印紙税を課さないものとされる文書以外の課税文書の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある。
・上記課税文書を複数が共同で作成した場合には、当該者はその作成した課税文書につき、連帯して印紙税を納める義務がある。
契約書は契約の当事者それぞれが保管しますので、基本的には当事者分の契約書を作成します。それらにサイン・捺印がなされていればすべてが「契約書原本」ということになりますので、契約書の数が増えればそれだけ収入印紙の数(印紙税額)も増えます。自身の契約書の収入印紙は各自で負担をすることが一般的です。
似たような名前に「収入証紙」がある
収入印紙と似た名前で、「収入証紙」というものがあります。最大の違いは、収入印紙は国が発行しますが、収入証紙は各地方自治体が発行しているということです。収入証紙は、各都道府県に納入する使用料や手数料等として、申請書等に貼付する証紙のことです。一般の方は、パスポートを申請する際に収入証紙も使用するでしょう。
ちなみに、収入証紙は契約書や領収書には利用できません。この2つは見た目もよく似ているので注意が必要です(収入証紙を廃止している自治体もあります)。
必要なのか不要なのかわからないときは
収入印紙が必要な文書か否かの判断が難しい場合も当然出てきます。そのような場合は、税理士や税務署に問い合わせて、印紙の貼り漏れがないように注意しましょう。また、印紙が不要な文書だった場合や、払い過ぎた場合は税務署へ所定の手続きを行うことで還付が受けられます。
出典
国税庁 印紙税額
e-GOV 法令検索 昭和四十二年法律第二十三号 印紙税法
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表
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