資産形成で「レバレッジ」ってかけるべき?リスクとはどう向き合えばいい?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月28日 9時50分
![資産形成で「レバレッジ」ってかけるべき?リスクとはどう向き合えばいい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_223086_0-small.jpg)
レバレッジをかけられる投資商品は、短期間で大きなリターンを得られるため、資産形成においても有効だと思われる方も多いでしょう。 この記事では、資産形成におけるレバレッジ投資との向き合い方について解説します。この記事を読むことで、レバレッジ投資信託の特徴が理解できます。
レバレッジとはなにか
レバレッジとは「てこの原理」のことです。金融業界では、元手の運用資金に対し、それ以上の金額の取り引きができることを指します。
レバレッジ投資の特徴と、レバレッジ投資信託について解説します。
レバレッジ投資の特徴
レバレッジ投資は、少ない資金で大きなリターンが期待できます。その一方で、自己資金を失うリスクも高くなる特徴があるため、注意しなければいけません。
例えば、レバレッジ3倍の投資商品に100万円投資したとします。レバレッジ3倍の投資商品は、ベンチマークとする指標が10%変動すれば、30%の値動きがある投資商品です。3倍のリターンが期待できる一方で、リスクも3倍なので、一気に資産を失う可能性もあります。
レバレッジ投資は、短期間で高いリターンが見込める一方で、資産を失うリスクも大きいことを理解しておきましょう。
レバレッジ投資信託とは
レバレッジ投資信託とは、特定の指標に対して騰落率が2倍以上となるよう計算された投資信託です。日本証券業協会の自主規制用語では、レバレッジ2倍以上の投資信託をレバレッジ投資信託としています。
レバレッジ投資信託には「ブル型」と「ベア型」という2種類の商品があります。ブル型ファンドとは、ベンチマークの変動に対して、そのまま倍率をかけた変動をするものです。一方で、ベア型ファンドは、ベンチマークの変動に対して逆の倍率をかけた変動をします。
例えば、ベンチマークとする指標の株価が5%上昇した場合、2倍ブル型ファンドでは10%値上がりします。一方で、2倍ベア型ファンドは10%値下がりします。レバレッジ投資信託を選ぶ際には、「ブルとベア」にも注意して選びましょう。
レバレッジ投資信託はおすすめしない
レバレッジ投資信託には、短期的に高いリターンを得られるメリットがあります。しかし、運用コストが高く、値動きが激しい点に注意しなければいけません。
レバレッジ投資信託をおすすめしない理由について解説します。
レバレッジ投資信託のメリット
レバレッジ投資信託のメリットとして、高いリターンが期待できる点が挙げられます。投資信託は、株式投資などと比較して、全体的に利益率が低い投資商品です。投資信託へ投資して、短期間で大きなリターンを得たい方は、レバレッジ投資信託へ投資するのもよいでしょう。
レバレッジ投資信託のデメリット
レバレッジ投資信託は、信託報酬などの運用コストが高くなります。運用コストが高ければ高いほど、長期的なパフォーマンスが落ちる原因になるため、長期投資に向いていません。また、短期的な下落幅も大きくなる点にも注意しましょう。
レバレッジ投資信託をおすすめしない理由
一般社団法人 投資信託協会が約2万人に実施した「2022年度投資信託に関するアンケート調査」によると、投資信託の購入目的は「老後の生活資金」が全体の54.6%で、最も高い結果でした。また、投資信託購入時の重視点として、保有経験層では「値下がりの不安が少ない」と回答した割合が25.5%ということも報告されています。
この結果から、投資信託は老後の生活資金として活用され、投資信託を購入した経験のある方からは「値下がりしにくいファンド」が選ばれる傾向があるといえます。投資信託は、長期投資に向いている投資商品です。「安定して運用できる」という投資信託の魅力と逆行する特徴を持ったレバレッジ投資信託は、あまりおすすめできません。
まとめ
この記事では、資産形成におけるレバレッジ投資の特徴と、リスクとの向き合い方について解説しました。
レバレッジ投資とは、自己資金以上の取引によって高いリターンを狙う投資方法です。資産形成をする場合、時間をかけた長期投資によってリスクを抑え、資産を増やすことが大切です。
レバレッジ投資は、長期投資による資産形成で利用しづらい投資方法なので、あまりおすすめできません。より良い投資についての参考にしてください。
出典
日本証券業協会 レバレッジ投資信託
一般社団法人 投資信託協会 2022年度投資信託に関するアンケート調査報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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