2024年から新制度! 2023年までの「つみたてNISA」はどうなるの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年7月28日 22時30分
2024年から新しいNISA制度がスタートすることを知り「すでに保有しているつみたてNISAはどうなるの?」「今つみたてNISAを始めてもすぐに制度が終わるから意味がない?」と疑問を感じている人も多いでしょう。 本記事では、新制度がスタートすると現行のつみたてNISAの運用はどう変わるのかや、新制度と現行制度の変更点、2023年中につみたてNISA口座を新規開設する是非についてまとめました。
旧制度のつみたてNISAは2024年以降新たに商品を購入できない
2024年になって新制度のNISAがスタートしても、それまで保有していた旧制度(現行制度)のつみたてNISAは非課税保有期間が終了するまでそのまま保有し、運用を継続できます。例えば、2023年中に新たな商品を買い付けると、2042年までは非課税で保有可能です。ただし、以下の2点に注意しましょう。
●2024年以降は新たな買い付けができない
●新制度のNISAへの移行はできない
旧制度のつみたてNISAについて、新制度のスタート後は新しく商品を購入できなくなります。また、旧制度のつみたてNISAで保有している資産は、新制度の口座にそのまま移動できません。移動したい場合は、一度売却してから新制度の口座で購入し直す必要があります。
2つの制度は完全に分離したものとして扱われ、非課税枠もそれぞれ別枠となります。現行のつみたてNISAを保有していても、新制度の非課税枠が減ることはありません。
2024年からのつみたてNISAの変更点をチェック
2023年までのつみたてNISAは、2024年以降の新しいNISAでは「つみたて投資枠」という名称になります。両者の主な違いは、図表1のとおりです。
【図表1】
2023年までのつみたてNISA | 2024年からのNISAのつみたて投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 |
非課税保有期間 | 購入から20年間 | 無期限 |
NISA(成長投資枠)との併用 | 併用不可 | 併用可能 |
非課税保有限度額 | 800万円(枠の再利用不可) | 成長投資枠と合わせて1800万円(枠の再利用可能) |
出典:金融庁「新しいNISA」
新制度では年間の投資枠が40万円から120万円に拡大されるほか、無期限で保有・運用ができるようになります。非課税保有限度額も現行制度から大幅に増え、より多くの資金が非課税で運用可能です。
また、現行制度では一般NISAとつみたてNISAのいずれかを選択しなければなりませんが、新制度では併用ができる点も大きな変更ポイントです。これにより、つみたて投資枠で投資信託を運用しながら、成長投資枠で株式を購入するといった使い方が可能になります。
現在すでにつみたてNISAのほかに課税口座で株式を購入しているような人にとっては、成長投資枠を利用して非課税で株式投資も行えるようになり、より効率的な運用が可能となるでしょう。
つみたてNISAの新規口座開設は2024年まで待つほうがよいの?
NISA口座の新規開設を考えている人のなかには、2024年まで待ってから口座を開くべきか迷っている人もいるでしょう。手元資金に余裕があるなら、現行のつみたてNISAと新しいNISAを併用するのも一つの方法です。
両者の非課税保有限度額は完全に別枠となるため、併用すると新しいNISAの1800万円に加えて、現行制度の年間投資枠40万円分、非課税保有枠が増えることになります。2024年になると現行制度の口座で新規の買い付けはできなくなりますが、非課税で運用できる資産を少しでも増やしたいと考えるなら、2023年中に現行のつみたてNISAを始めるメリットは十分にあるでしょう。
なお、現行のNISA口座を2023年中に開設しておくと、2024年に新制度がスタートする際には、同じ金融機関に自動的に新制度のNISA口座が設定されるため、口座開設手続きが2度必要になることもありません。
2024年以降も現行のつみたてNISAは継続して非課税で保有できる
2024年に新しいNISA制度がスタートしても、2023年までのつみたてNISAは購入から20年が経過するまで非課税で保有可能です。ただし、2024年以降は新規の購入ができないこと、新制度の口座へ資産の移動はできないことには注意しましょう。
現行制度と新制度は併用できるため、2023年中に現行のつみたてNISA口座を開設し運用を始めておくと、その分非課税で保有できる金額が増やせます。多くの資産を非課税で運用したいと考えるなら、新旧制度の併用を検討するのもよいでしょう。
出典
金融庁 新しいNISA
金融庁 つみたてNISAの概要
金融庁 新しいNISA Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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