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クラウドクレジット株式会社代表取締役・杉山智行さんに聞く 第2回:ドラム缶で焼き鳥を焼いても儲かる国がある

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月28日 3時0分

クラウドクレジット株式会社代表取締役・杉山智行さんに聞く 第2回:ドラム缶で焼き鳥を焼いても儲かる国がある

人生100年時代と言われるようになりましたが、果たして私たちはビジョンを持って「人生100年」を受け止めているでしょうか?   この対談企画では、様々な分野の方にお話しをお聞きし人生100年時代のビジョンを読者のみなさんと作り上げていきたいと考えています。   引き続きクラウドクレジット社長杉山様にお話しを伺います。その2回目は、リスクよりも成長性にお金を回していくという力強いお話です。  

社会が成熟するに従ってローリスク・ローリターンの社会に

山中:クラウドクレジットを通じて投資家のお金が新興国に貸付される訳ですが、いったいどんな方たちがそのお金を使っているのでしょうか?
杉山:日本って何でもあるので、市中で文房具屋さんとか八百屋さんをやって、たくさん収益が出るかというとそうはならないですよね。文具屋さんの隣にはコンビニエンスストアがあり八百屋さんの隣には大きなスーパーマーケットがあるので、日本でそういう事業を行ってROAが100%でるということは考えにくい。
一方で、経済の発展段階が若い国ほど、市中に普通の八百屋さんや文房具屋さんをつくるだけで、真面目に営業するとですが、先進国の尺度で計るととんでもない水準の収益率になります。例えばザンビアという国の焼き鳥屋さんは、ドラム缶の上で焼き鳥焼いて路上で売る、その事業収益を計算したら、これは完全に個人的な推計ですがだいたい1000%くらいなんです。
650%くらいの金利でお金を借りて事業を行うと若干返済負担がきついと。そこに対して300%くらいの金利でお金貸してあげると、元利金の返済があっても生活が非常に楽になり助かると。
借りたお金を返すという約束を守るカルチャーがあるかというと日本よりはるかに弱いんですが、それに見合うリターンの期待値があれば非常に面白い投資機会になります。
世の中うまくできていて、社会が成熟して約束を守るというカルチャーができるにつれて、一方でコンビニとか大手のショッピングモールみたいなところができて競争も激しくなって、事業の収益率はどんどん下がっていってローリスク・ローリターンに社会が変わっていくんですね。
山中:なるほど。
杉山:ゼロ金利の世界だけで活動するのではなく経済が成長していく国で投資活動をしていくことで、よりハイリスク・ハイリターンの投資機会をご提供できるかと思っています。
山中:世界中と連携をとっていかないとできない仕事ですよね。
杉山:貸付を行うに際しては審査、管理、回収という3つの大事な機能があり、開業当初は全部これらの機能を外注するところから始めました。
やはり日本人、日本の会社が突然フィンランド、カメルーンに乗り込んでいって、それら全てをやるというのは現実的ではないと考え、現地で金融パートナーを探して提携をするというモデルで事業を開始することにしました。
ただ、だいたい3年経つか経たないかくらいのところで自分達でやった方が早いんじゃないかというケースが増えてき、審査と管理に関しては、現在は9割程度は自前でやっています。
山中:そうなんですか。
杉山:マイクロファイナンス機関やノンバンク等の比較的安定している企業に貸すことが増えてきており、そういうセグメントに関してはまだデフォルトは起きていません。
ただやはり起きた場合はインターナショナルな債権回収業者に委託をすることを予定しています。やはり回収となると地場の企業でないと難しいので、そこだけは委託することを考えています。
 

審査を通るのはわずか5%程度

山中:杉山さんの経営するクラウドクレジットの事業に興味を持っている方も多いと思うのですが、たくさんのファンドがあって、どのプロジェクトを選んで良いのか迷ってしまうんですが、選択基準とかありますか?
杉山:審査を通るのはわずか5%程度ということもあり、自信を持ってご提供している案件ではありますので、全案件に分散をして投資していただきたいというのが当社の答えです。
そうは言っても全部の案件への投資となると面倒になってしまうということもありますので、今後はそれを容易にする機能の導入も行っていきたいと思っています。
山中:なるほど。容易に全案件に再投資を行えるような機能があると、プロジェクトに投資をして返済された際にまたどこかに投資をするという手間が必要なくなり投資を継続させることが出来るんですね。
杉山:そうですね。そういうスタイルでもお金はきちんと行くべきところに届きますので、ぜひ新しい機能ができた際にはご活用をいただければと思っています。
山中:私も、色々見ていて、じゃあ、どこを選ぼうかなというのが難しくて、読み込んでいるとすごく面白くなるんですけれども、その反面、決められない感じです。
杉山:最近で言うと、ジョージアの力士が優勝した時はジョージアにお金が届く案件がすごい人気だったりしました。応援したいと思ったところにお金をお預けいただくのがいいのかなという気はしています。
山中:新しい仕組みだからこそ、お金の管理責任が問われるかと思いますが、そのあたりはどういうふうにお考えですか?
杉山:貸付型ファンドというのはまだまだ投資信託などと比べて若い仕組みではありますので、ご心配は当然のことだと思っています。
そのため、当社は会社を設立した時から態勢の整備をきちんとやっていくことが使命だと考えていて、現在運営メンバー50人くらいいるなかで、法務コンプライアンス担当が4名、業務部が3名、経理や海外ガバナンスをみるチームも5人体制になっています。
山中:相当の人数ですね。
杉山:いわゆるシステムインフラを作るエンジニアも10人近くいます。オートメーションの時代とはいわれていますが、それでもやはり必要な人員が揃っているという状態を作るための積極的な採用は行うようにしています。
アカウンタビリティ、リスクマネジメントと態勢整備はこのビジネスモデルにおいては相当大事だと考えています。
(第2回終了)
interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

Photo:新美 勝(にいみ まさる)

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