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就業規則を読んでみよう!(8)雇用する側と雇用される側の新しい考え方とライフプラン。

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月16日 9時0分

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就業規則には「労働時間」や「賃金」「退職」「福利厚生」などの規定が盛り込まれているため、ライフプラニングにおいて必要不可欠です。   就業規則は事業主と労働者が守らなければならないルールです。これについて、ライフプランと絡めながらシリーズでお伝えしています。   今回は、厚労省の「モデル就業規則」第10章「職業訓練」以降について、見ていきたいと思います。  

会社の指示で「教育訓練」を受講する際は、国から給付金を受け取れる

まずは「職業訓練」ですが、この規定は相対的必要記載事項のため、職業訓練の制度を社内に設けていない場合は記載する必要がありません。
職業訓練というと、まず考えられるのは雇用保険から給付される「教育訓練給付金」です。これは、労働保険のうち雇用保険により支給されるものです。
よくキャリア形成と言いますが、これは労働者が仕事を通じて何か資格を取ったり、技術を身につけたりといった能力開発を指します。国はそれに対して、給付金を支払うなどのサポートをしています。
例えば、資格のために講座などを受けた場合、「一般教育訓練給付金」によって、教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給されます。他にも「専門実践教育訓練給付金」を活用すると、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が支給されるようになっています。
キャリア形成は収入を増やすうえでとても重要なポイントです。そのため、お勤めの会社で積極的に人材育成をしているかどうかで、ライフプランの形成にも少なからず影響を与えます。
この制度を活用するには、雇用保険の加入者(被保険者)であることが必要なため、自分が雇用保険に加入しているかどうかを給与明細などで確認してみましょう。
 

長く働いた契約社員は正社員へ。新しい項目「無期労働契約への転換」

次は第11章「表彰及び制裁」です。
ここでは、労働者に対するご褒美と罰を細かく規定しています。表彰・制裁については、ライフプラン上、それほど重要とは言えませんが、制裁については「懲戒規定」という意味でチェックしておくのも良いかもしれません。特に、セクハラ・妊娠・出産・育休・介護休業については、新しい項目であるため注意が必要です。
そして、第12章「無期労働契約への転換」ですが、こちらは働き方改革の中で新しくできた項目です。
期間の定めのある労働契約を「有期労働契約」と言い、1年ごとに契約が更新される契約社員などが該当します。
「無期労働契約への転換」に記載されていることを要約すると、平成25年4月1日以降、有期労働契約が同一の使用者との間で通算5年を超えて更新された場合、労働者本人が希望すれば無期労働契約(期間の定めのない労働契約)に転換しなければならない、といった内容です。つまり、上記に該当した場合、有期労働者を正社員として登用しなければならないということになります。
派遣労働者の高年齢化が指摘されていますが、こちらの制度が適用されれば収入の安定を図りやすくなるため、派遣されている側としては安心かもしれません。しかし、問題点も指摘されているようですので、自分がどのように働きたいかも含めしっかりと考えていく必要があります。
第13章「公益通報者保護」の規定も比較的新しい項目です。いわゆる「内部告発」の規定ですが、ライフプランとは関連性が薄いため割愛します。
 

賛否両論ある「副業制度」。収入増加のメリットも

いよいよ最後ですが、就業規則第14章「副業・兼業」です。よく「パラレルキャリア」と呼ばれますが、本業以外でのキャリア形成も認めますという規定です。
これについては、依然として発展途上の段階ですが、メリットは「労働者の能力開発につながる可能性がある」「労働者の家計収入の安定につながる可能性がある」「異業種とのコラボレーションにより、新たなビジネスが生まれる可能性がある」などです。
しかし、「労働者の健康を害する恐れがある」「労働者の本業に支障をきたす恐れがある」「労働者が企業秘密を漏らす恐れがある」などのネガティブな見方もあります。
就業規則でこの規定を盛り込んでいるから良い会社だとは言えませんが、事業主・労働者の双方において制度の自由度が確保されるなら、ライフプラン上では収入の増加やキャリアの積み増しにつながる良い制度になりえるかもしれません。
 

人生設計は「事実」と向き合うこと。そのうえで就業規則は最適な材料

さて、8回にわたり、厚労省の「モデル就業規則」を見ながら、それぞれの項目がどのように私たちのライフプランと関わっているかを紐解いてきました。
その趣旨は、雇用システムが変わってきていることを十分理解したうえで、私たちの賃金、つまり収入がどのように変化していくかを考えることです。そして、未来にわたり、自分で想定できる力を身につけることにあります。
ライフプランは「人生設計」と訳されます。人生設計は、「お金」についてよく考えましょうということではありません。人生設計は「事実」と向き合うことで成り立っていきます。
それは、国際情勢の中で日本が世界とどのように関わろうとしているかに始まり、世界情勢や国内外の経済状況、国の施策・制度が勤め先にどのような影響を与え、それらが巡り巡って私たちの家計とどのように関わってくるかということです。
わかりにくいことを考えようとする努力や工夫が個々人の考える力を育てます。
その点で、就業規則は労働者にとって「情報のるつぼ」であり、特に働き方やキャリア教育、ライフプランを考えるうえで最適な材料とも言えます。
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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