え、、どうして?私達が『長生きを望まない』ワケ
ファイナンシャルフィールド / 2018年8月16日 22時30分
頻繁に耳にするようになった「人生100年時代」という言葉。 今後、日本国民の平均寿命は100年を超えると言われています。 厚生労働省によると、平成29年度の平均寿命は男性が81.09歳。女性が87.26歳でした。 100年前はおよそ40年であったことを考えると、着実に平均寿命が延びていることがわかります。 一般的に「長生きは良いこと」と言われますが、望んでいる人はどのぐらいいるのでしょうか。そして、望まない人は、なぜ長生きを望まないのか。 今を生きる現代人が、「人生100年時代」をどう考えているか調べてみました。
100歳まで生きたいと望んでいるのは全体の2割??
アクサ生命保険株式会社が、20~60代の男女1000名を対象に、「人生100年時代に関する意識調査」を行いました。「人生100年時代において、あなたは100歳まで生きたいと思いますか?」と聞いたところ、
「あまりそう思わない」が41.9%、
「まったくそう思わない」が36.9%。
全体の約8割が「100歳まで生きることを望んでいない」という結果になりました。
また、その理由として
「健康で自分の事は自分で出来るのであれば長生きしたい。 無理な治療費や介護が必要であればそうは思わない。(20代女性)」
「長生きしても生活に余裕がないのではないかと思うから。(30代男性)」
などが挙げられました。
続いて、「長生きすることは、リスクになると思いますか?」という質問では、4人に3人が「そう思う」と回答。
中でも「身体能力の低下」「収入の減少(賃金不安)」「年金制度の破たん」が長生きの三大リスクとして挙げられました。
こうしたリスクに対して、漠然とした不安を感じている人は程度の差こそあれ、8割以上を占めています。しかし、実際に十分な備えができているという人はわずか16.0%にとどまりました。
以上のことから、多くの人が人生100年時代を望んでおらず、長生きに不安を感じている、ということがわかりました。
その理由は、主に「健康」や「老後資金」などのリスクです。
中でも「老後資金」の比重は重く、病気やけがの際も、十分な老後資金さえあれば解決するケースもあります。老後資金のひとつに、「国民年金」があります。日本国民は一律で年金を納めていますが、「支払った金額以下しかもらえない」などの声も少なくありません。
果たして、人生100年時代において、私たちは年金制度のみを当てにしても問題ないのでしょうか?
私たちは気づいている?年金だけでは難しいということを
実際に年金制度をどのぐらい重要視しているのでしょうか。
株式会社インテージリサーチが、16~79歳の男女1万1217人を対象に、「老後の生活資金に関する意識調査」を行いました。
自身が60歳代になった際に想定する生活資金源について、
「働いて稼いでいる収入」と回答した人が47.5%、
次に「公的年金」が47.0%、「60歳までの間の貯金」が37.4%と続きました。
60歳代の生活資金源として、「公的年金」よりも「自分が働いて稼ぐ収入」を想定している人がわずかながら多いという結果になりました。
また、老後に備えて行っている資産運用に関しては、
「興味はあるが行っているものはない」という回答が33.7%と最多。
「興味がなく行っているものはない」(25.0%)と合わせると、約6割が資産運用を行っていないという結果に。
公的年金以外の資金源としては、働いて稼ぐお金、貯蓄などがありますが、資産運用を行っている人は少ない傾向です。
ただ、3人に1人が「興味はあるが行っているものはない」という回答をしていることから、資産運用の手続き自体のわかりにくさによる敬遠や、そのわかりにくさから来る資産運用に対する恐怖心があるのではないでしょうか。
このように、「老後資金」においては、公的年金のみでは不十分だと考える人が多く、老後の資金源として「働いて稼ぐ収入」を想定している人の割合が、公的年金と同等になりました。
しかし、老後働いて稼ぐとしても、そのとき健康でいられるかわかりませんし、働ける状態であっても十分な賃金を得られるかもわかりません。
こういった将来への不安が、人々に人生100年時代を望ませないのかもしれません。
人生100年時代に向けて
「人生100年時代を望まない人」は全体の約8割を占め、長生きによる「身体能力の低下」「収入の減少(賃金不安)」「年金制度の破たん」などのリスクが理由として挙げられました。
楽しく充実した日々を送れるのであれば、人生100年時代も悪くはないでしょう。そのためには、今のうちから老後の不安要素を解消する必要があります。
不安を解消するには、「自分の身は自分で守る」という意識を持たなくてはいけません。長い老後だからこそ、準備をした人、していない人の違いが大きく表れるでしょう。
今からでも自分のライフプランを見直し、老後への準備を始める必要があるのではないでしょうか。
出典
厚生労働省「平成29年簡易生命表の概況」
PRTIMES 「アクサ生命株式会社 人生100年時代に関する意識調査」
PRTIMES 「株式会社インテージホールディングス 老後の生活資金に関する意識調査」
Text:FINANCIAL FIELD編集部
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