50歳で貯金ゼロ、教育費で使い切りました。老後資金の準備は今からでも間に合いますか?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月8日 7時10分
「子どもの教育費負担が大きくて老後資金の貯蓄まで手が回らず、気がつけば貯金がないまま50代……」、そんな嘆きを人ごとに感じられない人も多いでしょう。しかし、50歳の時点で貯金がゼロでも、貯蓄の方法次第で老後資金の準備は間に合います。 本記事では、50歳からの老後資金準備について、必要な貯金額の考え方や、今からできる対策を紹介します。
老後を迎えるまでに貯めたい金額を試算しよう
老後資金の準備が間に合うかどうかを知るには、老後を迎えるまでにいくら貯める必要があるかを把握する必要があります。現在の生活費や老後にやりたいことなどを書き出して、必要な生活費を見積もってみて、老齢年金や退職金など入ってくるお金の見込み額と比較して必要な額を試算しましょう。
例えば、日本年金機構が発表している、令和5年度の夫婦2人の標準的な老齢年金額は、月額22万4482円です。一方、(公財)生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度 生活保障の調査」では、夫婦2人の老後に必要な最低日常生活費は、月額約23万2000円という結果が出ています。
この数字をもとに試算すると、65歳で退職し、退職金などの大きな収入がない場合、毎月約8000円の不足となります。仮に95歳までの30年間をまかなうとすると、約288万円の貯蓄が必要となる計算です。これは最低日常生活費をもとにした金額なので、家計にゆとりをもたせたい場合はさらに多くの貯蓄が必要となるでしょう。
50歳から老後資金を準備する方法
50歳の時点で貯金ゼロの場合、定年までの15年程度で老後に必要な資金を十分に準備するには、現在の家計のまま余剰資金を貯金に回すだけでは間に合わない可能性があります。次のような方法を取り入れて、効率良く貯金を増やす方法を考えましょう。
●日常生活費を見直す
●iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する
●つみたてNISAを始める
日常生活費を見直す
最も手軽に取り組めて堅実な方法は、日常生活費を見直して、貯金や投資に回せる資金を捻出することです。インターネットやモバイルの通信プラン、生命保険の保障内容などを見直して固定費のムダを省く、住宅ローンを借り換えて返済額を減額するなどの方法で、無理なく節約に取り組みましょう。
iDeCoに加入する
家計の見直しで資金に余裕ができたら、単に貯金するだけでなく投資に回して増やすことも視野に入れましょう。老後に向けた資金作りに向いている投資制度のひとつが、非課税で運用ができ、掛金が所得控除の対象となる「iDeCo」です。
iDeCoでは、自分で運用方法を選択して掛金を運用します。掛金は65歳になるまで拠出でき、掛金と運用成績に応じた金額を、60歳以降に老齢給付金として受け取れる仕組みです。
仮に毎月2万円を64歳までの15年間積み立てて年3%の利回りで運用した場合、360万円の元金に対して90万円以上の収益が見込めます。また、所得税や住民税の軽減効果が得られることで、貯蓄の効率はより向上するでしょう。
投資であるため資産が目減りする危険もありますが、債券投信など比較的安定性が高い資産の比率を増やすなどの方法で、ある程度リスクを抑えることが可能です。
つみたてNISAを始める
iDeCoと同じく非課税投資制度であるつみたてNISA(2024年以降はつみたて投資枠)も、老後資金を効率良く作りたいときの選択肢になります。iDeCoは1ヶ月の掛金に上限額(会社員の場合1万2000~2万3000円)が設定されていますが、つみたてNISAを併用すると非課税で投資できる金額の上限を増やせることになり、より大きなリターンを望めるでしょう。
50歳から老後資金準備は、増やしながら貯めよう
50歳、貯金ゼロから必要な老後資金の準備を間に合わせるには、いかに効率良く貯金を増やすかがカギとなります。老後までにいくら貯めたいかの目標額を設定し、日頃の節約に加えて投資などの方法も組み合わせながら増やして貯める方法がおすすめです。
iDeCoやつみたてNISAなど、比較的低リスクの運用が可能で、税制上の恩恵もある制度を利用すれば、堅実な運用が見込みやすいでしょう。
出典
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
公益財団法人 生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金) iDeCoの特徴
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金) iDeCoの仕組み
金融庁 つみたてNISAの概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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