通販の「送料」がまた跳ね上がる!? フリマの売上金も減少してしまう…!? その原因とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月8日 10時10分
インターネット通販やフリマサイトを頻繁に利用する方にとって、送料の高騰は、痛い出費かもしれません。 しかし、送料の高騰は、悪いことばかりではなく、私たちの将来を考えると、必要な施策ともいえます。 本記事では、送料高騰の原因となる「2024年問題」と、消費者ができる取り組みについて、ご紹介します。
そもそも2024年問題って何?
コロナ禍以降、インターネットによる通信販売や、宅配サービスの需要が高まっています。
しかし、運送業界のドライバーは84万人程度で、配送人員が慢性的に不足している状態です。そのため、低賃金で、長時間労働を強いられているドライバーは少なくありません。
「物流の2024年問題」とは、ドライバーの長時間労働・過重労働を防ぐために適用される、改正改善基準告示を指します。2024年4月1日以降、ドライバーの時間外労働時間の上限を年間960時間とするために、配送にかけられる時間は、実質的に減ります。
ただでさえ、人材が不足している状態で、1人あたりの配送にかけられる時間が減少すれば、物流は滞り、モノが届かない状態になるでしょう。
対策を施さねば、2030年には、輸送能力が、34.1%不足するといわれています。必要なものが、必要なときに手に入らないとか、当日・翌日の宅配サービスが届かないなど、消費者の生活にも支障をきたすでしょう。
2024年問題がなぜ配送料に影響するの?
インターネット通販を利用する方は「送料無料」の表示を目にする機会が多いでしょう。送料無料をうたう通販サイトが増えた結果、配送に料金はかからないと、誤解をする消費者が増えました。
そのため、運送業者は、荷物の送り主から、適正な配送料金を受け取りにくくなったという実態があります。送料無料の表示は、ドライバーの長時間労働や低賃金に、直接影響しているのです。
このような実態から、政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」を提案して、送料無料の表示を見直すようにと、通販事業者へ働きかけています。適正な運送料金を、運送会社が受け取れるようにするために、配送料は高騰すると考えられています。
消費者ができることは?
2024年問題は、事業者やドライバーだけの問題ではありません。消費者側にも、2024年問題の解決に向けて、取り組めることがあります。
一つ目は、再配達を減らすことです。在宅時に配送できるように時間指定をしたり、宅配ボックスを活用したりできれば、ドライバーの再配達による負担が減らせます。
二つ目は、欲しい商品はまとめ買いすることです。注文回数を減らせば、ドライバーの配達回数も減らせます。また、まとめ買いは、段ボールや緩衝材などのゴミを減らせるため、環境への配慮にもつながります。
消費者も、2024年問題の当事者です。消費者による小さな取り組みが、運送業界にとって、大きな変化につながります。
消費者も積極的に問題解決に取り組もう
改正改善基準告示は、2024年4月1日から適用されます。新鮮な食べ物が食べられたり、生活用品をすぐに購入できたりするのは、一年365日動いている物流システムと、そこに携わっている人たちのおかげです。
日本がかかえる物流問題を理解して、消費者も、できる取り組みから始めていきましょう。
出典
公益社団法人全日本トラック協会 日本のトラック輸送産業 現状と課題 2022
公益社団法人全日本トラック協会 知っていますか?物流の2024年問題
厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト トラック運転者の改善基準告示
内閣官房 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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