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昔と比べて変化する高齢者の『割合』と『頼り』

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月19日 9時0分

昔と比べて変化する高齢者の『割合』と『頼り』

日本は少子高齢化社会と言われて久しいですが、実感する機会のない人も多いのではないでしょうか。   そこで、高齢化の現状と高齢者の生活状況について調べてみました。なお、ここでは便宜上65歳からを高齢者としています。  

65歳以上の夫婦のみ世帯が急増している

厚生労働省の平成29年国民生活基礎調査から、世帯構造別に65歳以上の人がいる世帯数を調べ、表にまとめてみました。
国民生活基礎調査は全国から抽出した世帯を調査して、全国の世帯数や世帯人員を推計しています。
 

資料:厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」
※1995年(平成7年)は兵庫県を除いた数値、2016年は熊本県を除いた数値
2017年現在、65歳以上の人がいる世帯数は2379万世帯で、前年より38万世帯減っていますが、10年前よりは452万世帯増えています。
1986年と比べると1402万世帯も増えています。また、65歳以上の人がいる世帯数の全世帯に占める割合は47.2%になり、前年比では1.2%下がっていますが、10年前と比べると7.1%上がっており、1986年と比べると21.2%も上がっています。
65歳以上の人がいる世帯数や全世帯数に占める割合の変化をみると、高齢者が早いペースで増えていることがよく分かります。
65歳以上の人がいる世帯の内訳をみてみると、夫婦のみの世帯(夫婦ともに65歳以上またはどちらかが65歳以上)や単独世帯(男性単独および女性単独)の増加が著しいです。
例えば10年前と比べると、夫婦のみの世帯は200万世帯も増え、単独世帯も195万世帯(男性単独87万世帯、女性単独108万世帯)増えています。
他にも夫婦と未婚の子のみの世帯が74万世帯増え、ひとり親と未婚の子のみの世帯が58万世帯増えています。三世代世帯だけが91万世帯減っています。
どこの世帯でも65歳以上の人がいることが当たり前になってきています。とは言っても、平均寿命が延びていることから60歳代後半はまだ高齢者ではないような気もします。
今後、高齢者の概念も変わっていくでしょう。
 

高齢者が最も頼りにしている収入源は公的年金!

次に高齢者の生活状況について、どこからどのくらいの割合で所得を得ているか確認してみました。
稼働所得……雇用者所得、事業所得、農耕・畜産所得・家内労働所得
財産所得……不動産賃貸収入(現物給付を含む)から経費を引いた額、株式等の利子・配当所得から経費を引いた額
公的年金・恩給……世帯員が公的年金・恩給の各制度から受け取る年金額
公的年金・恩給以外の社会保障給付金……雇用保険や児童手当等
仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得……世帯員に送られてくる仕送り、公的年金以外で保険料負担したことにより受け取れる年金、祝い金・香典等
 

資料:厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」
※1994年は兵庫県を除いた数値、2010年は岩手県・宮城県・福島県を除いた数値、2011年は福島県を除いた数値、2015年は熊本県を除いた数値
※年によってその他の所得に含める年金や給付金等有り
直近の2016年の所得構成割合は、公的年金・恩給からの所得が66.3%を占め、次に稼働所得の割合が22.3%となっています。
過去と比較してみると、例えば30年前の1986年は公的年金・恩給からの所得の割合が52.7%なので13.6%増え、稼働所得が33.3%なので10%減っています。
昔よりも公的年金・恩給への依存度が高まっているように見えますが、実は、2003年は公的年金・恩給からの所得の割合が71.9%で2016年より5.6%も高く、稼働所得は17.6%で2016年より4.7%も低くなっています。
失われた20年とかデフレという言葉が盛んに使われ、今よりも厳しい時代だったのかもしれません。
みんないつかは高齢者になります。高齢者になった時に自分は誰と住むのでしょうか?
何だかんだ言っても頼りにしたい公的年金を受け取るために、年金保険料を欠かさず払っていますか?セカンドライフを考えるときに是非参考にしてみて下さい。
 

Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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