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「邪魔だから」と街路樹を伐採するのは犯罪? 罰金はどのくらいかかるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年8月20日 4時40分

「邪魔だから」と街路樹を伐採するのは犯罪? 罰金はどのくらいかかるの?

景観の向上などに一役買っている街路樹は、場所によってさまざまな種類の樹木が植えられており、道路沿いの至るところで見かけられます。冬にはイルミネーションの設置など歓迎される話題も多い一方で、街路樹が邪魔だという意見も散見されます。もし邪魔な街路樹を勝手に伐採した場合、罪に問われ罰金の支払いが命じられるようなことはあるのでしょうか。   本記事では、街路樹の無断伐採について解説します。

街路樹を植える意味

街路樹は景観を保つ意味もありますが、そのほかにも役割があります。
 

・夏の日差しを遮る

真夏は日差しが強く、道行く人の体力を消耗させてしまいます。街路樹を植えると日陰ができるため、強い日差しを遮って歩行者の安全が守られます。また、街路樹の葉色などで季節の移り変わりに気づいたり、虫や鳥など自然を感じられたりするなど、街中のオアシスとして人々に安らぎを与えてくれます。
 

・地球温暖化防止

街路樹には、イチョウやニセアカシアなど排気ガスに強い種が選ばれることが多いです。排気ガスは地球温暖化の原因になる二酸化炭素を大量に排出するため、それを吸収させる意味でも街路樹が植えられています。
 

・ヘッドライトの眩しさを軽減する

運転中に対向車のヘッドライトの眩しさで一時的に周囲の様子が見えなくなることがあります。そういった危険な状態になるのを防ぐために、中央分離帯に街路樹を植えて眩しさを遮るほか、並べて植えることで運転手の視線を誘導します。また歩道と車道を分離して歩行者の安全を高める役割もあります。
 

・自然災害時の防災

家屋の倒壊を受け止めて避難する道を確保したり、多くの水分を含み燃えにくい街路樹が市街地の火災延焼を食い止めたりと防災に役立ちます。実際、過去には大地震が発生した際、街路樹が市民の安全に役立ったことがわかっています。
 

街路樹を勝手に伐採した場合の罰則

「街路樹はただの木なのだから、邪魔なものは勝手に伐採してもいい」などと軽く考えてはいけません。街路樹の無断伐採は器物破損に該当する立派な犯罪です。伐採に限らず、街路樹に対して枯葉剤のような薬剤を使用した場合も罪を問われるケースがあります。
 

・器物損壊罪とは

器物損壊罪とは、他人のものをわざと損壊した場合に成立する罪です。器物損壊罪に問われると、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料となっています。街路樹を無許可で伐採することは、器物損壊罪の「物理的な損壊または傷害」に該当する行為です。
 

・道路付属物損壊になる可能性もある

街路樹は道路沿いに植えられているものであり、道路付属物の損壊や移転に対する罰則を定めた道路法の第101条に該当する可能性があります。もし道路付属物の損壊に問われた場合の罰則は、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金です。
 

・街路樹の撤去が必要な場合

街路樹は自治体が管理しているため、その必要性に疑問があるときは市役所・役場など自治体に相談しましょう。相談を受けて自治体が現場を確認し、街路樹の伐採あるいは剪定が必要と判断した場合は、邪魔にならないように対策してもらえます。
 

邪魔な街路樹はまず自治体に相談

街路樹はさまざまな目的のために植えられています。しかし、場所によっては邪魔になってしまうケースもあるかもしれません。そういった場合でも無許可で伐採すると罪に問われてしまうので注意しましょう。もし伐採が必要だと感じているのであれば、まず自治体に相談してください。伐採はできなかったとしても、現地調査をしたうえで剪定など何らかの対策をしてもらえます。
 

出典

東京都建設局 3.街路樹の役割
福岡市 福岡市の街路樹
滝川市 街路樹が伐採される被害(器物損壊)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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