40歳になったら手取りが「4500円」減少!? 介護保険料はいくら引かれるの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月21日 10時30分
![40歳になったら手取りが「4500円」減少!? 介護保険料はいくら引かれるの?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_227883_0-small.jpg)
将来、介護保険料を支払わなければならないことは知っていても、いつから支払いが始まり、どの程度の保険料が発生するのか把握できていない人もいるのではないでしょうか。 本記事では、介護保険料の概要を解説し、介護保険料がどれくらいになるのかをみていきます。給与明細をみた際に、「もしかして手取りが減っている?」と慌てないようきちんと理解しておきましょう。
介護保険とは
介護保険とは、2000年から導入された公的な保険制度のことです。介護保険に加入して介護保険料を納めることで、将来介護が必要になった際に介護サービス(訪問介護やリハビリなど)を1~3割負担で利用できます。
この制度は、65歳以上の「第1号保険者」と、40歳から64歳の「第2号保険者」に分けられ、それぞれ介護保険料の計算方法や徴収方法が異なります。今回は第2号保険者についてみていきます。
保険料は「満40歳に達したとき」より支払い開始
この介護保険制度は40歳以上の人は加入が義務付けられており、第2号被保険者の人は「満40歳に達したとき」より支払いが始まります。会社員などの人はこのタイミングで自動的に給与から天引きされる仕組みとなっています。
このことが要因で、多くの人はあるときから手取り額が減少します。また、「満40歳に達したとき」とは40歳の誕生日の前日にあたり、その日を含む月から介護保険の第2号被保険者となり、介護保険料が徴収されます。
例えば、6月2日生まれの人が40歳になる場合でみてみます。誕生日の前日は6月1日のため、誕生日の前日を含む月である6月分より介護保険料の徴収が開始されます。誕生日が6月1日の人は前日が5月31日となるので、5月分より介護保険料の徴収が開始される点に注意が必要です。
介護保険制度で受けられる介護サービス
第2号被保険者は、加齢などが原因とする特定の病気で要介護状態となった場合に限り、介護サービスを受けられます。介護保険制度で受けられる介護サービスは、次のとおり3つに分類されます。
・在宅サービス
・施設サービス
・地域密着型サービス
・在宅サービス
在宅サービスは、要介護・要支援者が現在の自宅に住んだままサービスを受けられる制度です。主に「訪問介護」「訪問入浴」「訪問リハビリ」などが在宅サービスとして挙げられます。
・施設サービス
施設サービスは、要介護状態にある人が介護施設に入所した際に提供されるサービスです。介護施設は主に「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」などが挙げられます。
・地域密着型サービス
地域密着型サービスとは、住み慣れた地域で継続して生活を送れるよう地域といっしょになって支援する仕組みのことです。在宅での生活が継続できるように支援する「小規模多機能居宅介護」や、夜間帯でも訪問介護の対応をしてくれる「夜間対応型訪問介護」などが挙げられます。
介護保険料はいくら?
第2号被保険者の介護保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛けたものが、健康保険料と一緒に徴収される仕組みです。また、健康保険組合によって徴収される保険料は異なります。
ここでは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の介護保険料を参考にみていきましょう。協会けんぽでは、都道府県ごとに異なる保険料率が設定されています。図表1のとおり、東京都の介護保険第2号被保険者に該当する場合の保険料率は11.82%となります。介護保険第2号被保険者に該当しない場合は10%です。これを事業主と折半して支払います。
【図表1】
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2023/08/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-25.jpg)
全国健康保険協会 協会けんぽ 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
例えば、標準報酬月額が50万円で40歳未満の場合は50万円×10%で計算し、健康保険料は5万円となります。それを事業主と折半するため、負担額は2万5000円です。
次に満40歳(第2号被保険者)を迎えた場合は、50万円×11.82%で計算し、健康保険料+介護保険料は5万9100円となります。それを事業主と折半すると負担額は2万9550円です。 この場合、月の負担額は4550円増加し、年間でみると約5万5000円になります。
介護保険は将来安心して介護を受けるために必要な費用
介護保険は、介護保険料を納めることで、将来介護が必要になった際に介護サービスを1~3割負担で利用できる制度です。介護保険制度は40歳以上の人は加入が義務付けられており、第2号被保険者の人は「満40歳に達したとき」より徴収が開始されます。
介護保険料は、標準報酬月額が50万円の人であれば、「満40歳に達したとき」より月の負担額は4550円増えることになります。年間では約5万5000円です。このように介護保険料は決して少ない保険料とはいえないかもしれません。
しかし、介護保険は将来必要となる介護サービスの利用負担を大幅に軽減するものです。それを考えると、介護保険料は長期的な安心を得るために必要な費用といえるでしょう。
出典
厚生労働省 介護保険制度の概要
全国健康保険協会 協会けんぽ 介護保険制度と介護保険料について
全国健康保険協会 協会けんぽ 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種
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