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固定残業代は20時間で「5万円」ですが、今月の残業は「43時間」でした…超えた分の残業代は請求できますか? いくら支払われるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年8月22日 10時30分

固定残業代は20時間で「5万円」ですが、今月の残業は「43時間」でした…超えた分の残業代は請求できますか? いくら支払われるのでしょうか?

求人情報を眺めていると、「固定残業」という単語を目にすることもあるでしょう。固定残業とはどんな制度で、定められた時間を超えて働いた場合の残業代はいくらになるのでしょうか? 本記事で、試算と合わせて解説します。

「固定残業」とは?

固定残業とは、企業があらかじめ定めている残業時間をさしています。実際の残業時間とは関係なく、企業が定めた時間の残業を行ったとして基本給とあわせて固定残業代が支払われます。
 
原則として、残業は1ヶ月最大45時間までと規定されており、固定残業は45時間以内で設定している企業が多数です。企業と労働者が「36協定」を結んでいる場合は1年を通して常に、時間外労働と休⽇労働の合計が⽉100時間未満・2~6ヶ月平均で80時間以内にしなければいけません。
 

残業代を計算する基準となる金額は基本給?

残業代を計算するには、基本給ではなく基礎賃金をもとに計算します。
 
基本給とは、給与金額を構成する土台にあたる部分であり、労働者の年齢や勤続年数などによって決まり、毎月金額が変動するものではないことが特徴です。基本給に残業手当や通勤手当・住宅手当などの各種手当を合計したものが給与です。
 
基礎賃金とは、基本給に各種手当を加えて算出した1時間あたりの賃金額のことです。基礎賃金には手当のすべてが含まれているわけではなく、以下にあげる手当は除きます。
 

●家族手当
●通勤手当
●別居手当
●子女教育手当
●住宅手当
●臨時に支払われた賃金
●1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

 
固定残業代が支払われている場合には、原則として基礎賃金の計算からは除外されますが、基本給と固定残業代が明確に区別されていない場合には、固定残業代も基本給に含めて計算します。
 

追加で支払われる残業代の試算方法は?

固定残業時間を超えて残業した場合に、給与に加算される追加残業代を試算してみましょう。賃金割増率は働いた時間と時間帯・休日労働の有無などでちがいます。
 
1日8時間労働で週40時間を超えると125%(深夜労で150%)・1ヶ月60時間以上で150%(深夜労働で175%)・法定休日労働は135%(深夜労働で160%)です。
 

<試算例>

基礎賃金32万円・固定残業20時間で5万円の固定残業代をもらっているAさんが43時間働いた場合。
※Aさんは法定労働時間(1日8時間・週40時間で月あたり160時間)で働き、深夜労働はありません。
 

<計算式>

まず、1時間あたりの時給を計算します。
 
基礎賃金32万円÷法定労働時間160時間=時給2000円
固定残業時間20時間の場合、時給2000円×20時間×残業による賃金割増率125%=5万円
 
固定残業時間20時間を超えて43時間残業したので、追加で支払われる見込み金額を計算します。
 
時給2000円×(43時間-固定残業時間20時間)×残業による賃金割増率125%=5万7500円
 
固定残業代5万円+追加残業代5万7500円=10万7500円が、Aさんに支払われる見込み金額となります。
 

まとめ

固定残業時間として決められている時間を超えて残業した場合、超えた部分も追加して賃金が支払われなくてはいけません。給与明細を確認して、残業代が適切な金額か計算してみましょう。
 

出典

厚生労働省 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

厚生労働省 割増賃金の基礎となる賃金とは?

東京労働局 1.定額残業手当を超えた場合の割増賃金の計算方法はどのようにするか

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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